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鍛冶屋ではじめる異世界スローライフ  作者: たままる
第6章 帝国革命編

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道すがら

「帝国ってどんなところなんだ?」

「王様の代わりに皇帝がいるって以外には、生活や建物なんかはほとんど王国と変わらないよ」

「そうなのか」

 帝国なのでなんかものすごい軍事要塞があるとか、そういうものを期待してしまっていたのだが、そりゃ王国と帝国の違いって何だと言われると、国家元首が国王か皇帝かの違いくらいだよな。権能としても本来そんなに違いはない。

「ああ。国としては王国以上に貴族たち関係なしの、ほとんど独裁だが」


 王国は貴族たちの議会のようなものがあって、そこの合議でいろいろ決まっているらしい。ただし、最終的な裁可は国王(王家)がするということだから、絶対君主であることには変わりない。

 とは言え、あれもこれも蹴っていては貴族達の不満も溜まるし、そうなれば離反する者も出てくるだろう。国王と言えども、とどのつまりは騎士の頭領でしかない。

 なので、王家にとんでもなく不利だとか、そんなものでも無い限りは採用される。


 ひるがえって帝国の場合、基本的には皇帝の決定のみが存在するらしい。貴族の集まりはあるのだが、議会と言うよりは諮問しもん機関のようなもので、皇帝の決定を発布する前に意見を出す。その意見を採用するもしないも皇帝次第である。

 皇帝が最初から意見を聞く気がない場合は、諮問機関にもかけずにそのまま発布される。そしてそのパターンは結構多い、らしい。


 国家元首がすごく有能であれば、帝国のほうが急速に発展する可能性が高い。決めてから実行までのスピードが段違いだからな。

 しかし、革命が取り沙汰されているということは、今の皇帝が有能かどうかは言うまでもないってことなんだろう。

「革命まで言い出すということは、民に不満が溜まっている?」

「まぁなぁ。ここ数年ほどで税が重くなっててな。もちろん、それ1つだけで革命ということにはならんのだろうが、直接的な原因はそれとその税を帝国の貴族連中が懐に入れていた、という話が出たことだよ」

 自分が稼いだ税が誰かの贅沢のためだけに使われている、てのは不満が溜まりやすそうだ。前の世界のフランス革命も、つまるところはそれが原因だった記憶がある。

「それでどうしようも無くなったとき、王国なりに逃げられるうちは良かったが、移動に制限がかかるようになってそれもできなくなったのが最後のひと押し、ってわけだな」

「なるほどねぇ」

 追い詰められたら自分たちのために変えよう、とする連中は多かれ少なかれ出てくるのは世の常だ。俺は前の世界でもこっちの世界でも、幸いにしてそこまでに至ったことがないが想像は容易だ。


「移動が制限されているってことは、俺達はどういう名目で入るんだ?」

「それは住民たちだけで、巡礼者を含む旅の連中や行商人なんかは対象外だよ。だから俺達は行商人として正々堂々乗り込める。まぁ、許可状を取るにもそれなりの金がかかったけどな」

 カミロは懐から木片を取り出して俺に見せた。確かにそれらしきことが書き付けてある。これがあれば通過自体は問題ないということだろう。

「あとは()()()()()を気取られないように、ということか」

「そういうこと」

 何度見ても似合わないウィンクをしながら、カミロが言う。

 情報収集も必要だし、今までとは違う働きが必要になってくるな。俺はそんなこと思いながら、広がる景色に目をやるのだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] ファンタジー世界に適応させるかどうかはさておき、近代では帝国には定義があります。 皇帝が治めるというのが1つ。 他にも自国以外の国や民族を統治しているというものがあります。 過去の大英帝国や…
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