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鍛冶屋ではじめる異世界スローライフ  作者: たままる
第6章 帝国革命編
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2回目の大量生産

 家に着いたのでクルルを荷車から外し、皆で労をねぎらう。クルルはフンスと鼻息を一発吐いて喜びを表した。この後は荷物の運び込みだ。クルルにも手伝って貰って、木炭、鉄石と粘土に調味料や酒、それと種芋をそれぞれの倉庫に入れる。


 運び込みが終わったら本来は思い思いの時間なのだが、今回は大量生産が控えていることもあって、型と板金の生産を優先させてもらった。半日分でもあるのと無いのとでは違ってくる。

 型はサーミャとディアナ、リディで、板金は俺とリケの担当だ。皆黙々と日が落ちるまで作り続けていた。


 翌日からはいよいよ大量生産だ。前と違って違うものを2種類なので、これも分担をする。俺が槍を作って、他のみんなで剣だ。リディが型を作り、サーミャとディアナが鋳造をして、リケが仕上げをする。

 まず今日はどれくらいの数を作ることができるかだ。6日間で間に合うかどうかで、その後の割当を決める。

 だが恐らくはこの体制で行けるはずである。リケたちは1日5本、俺は1日4本が目標だが、これくらいなら多分行けるだろう。最終的には俺の方をリケに手伝ってもらう可能性はあるが。


 板金を火床に入れて加熱する。加工できる温度になったら取り出して金床において鎚で叩き、形を作っていく。

 断面は菱形で見た目は斜辺がめちゃくちゃ長い二等辺三角形を作っていく。基本的には刺突のみを考えた形状だ。斜辺のところは鋭くして、刃物ほどの切れ味はないが一応切れないこともないくらいにする。根本に柄を差し込むためのソケットを作り、穂先は焼入れも焼戻しもする。

 槍の特徴はその穂先や長さもだが、石突があることだ。石突の方もソケットを作り、地面に接する側を分厚くして突起を作った。

 今回は高級モデルではなく、一般モデルの品質で作っていく。万が一何かで時間が足りなくなってきたときにもリカバリーができるからな。


 分厚い板になっている木材を細く割ったあと、ナイフで削って棒にしていく。これが柄だ。本当であれば油なりを塗り込んで行くのだろうが、今回はそのままにしておいた。納入先で合った油を塗ってメンテナンスして欲しい。


 柄を作ったら穂先側のソケットに差し込んで鎚で叩きカシメていく。同じことを石突側でも行って槍の完成である。

 同じ作業を何度も繰り返して、1日が終わった。

 この日に完成した槍は5本。このスピードなら余裕で間に合いそうだな。

 リケ達、剣チームも目標の6本は達成しているし、このペースで行けば大丈夫そうだ。


 翌日も同じように作業をする。そう言えば、この槍を作るときの効率も上がっているように思う。以前までなら4本が精々だった可能性が結構あるからな。

 しかし、今更ながら同じ作業を繰り返すということが苦にならない性格でよかった。同じことを繰り返すのが苦痛だったら昨日どころか、そもそも日々の生産に支障が出ている。まぁ、そんなことがないから鍛冶屋を選んだのだが。

 そんな事を考えながら、何本目かの槍を作るべく、俺は赤くなった板金に鎚を振り下ろした。

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