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鍛冶屋ではじめる異世界スローライフ  作者: たままる
第6章 帝国革命編
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倉庫建設開始

 翌日、倉庫の建設を始める。クルルの小屋の近くに建設予定地として縄張りをし、柱を建てる位置を決める。

 位置を決めたら穴掘りは俺の仕事だ。ここらの土は硬い。鋤のような農具を使って穴を掘り、土を掻き出す。その間に、クルルも含めた他の皆に材木を運んできてもらう。

 材木を運べてクルルがご機嫌なので、それと一緒にディアナの機嫌もどんどん良くなっていく。良いことだ。

 穴を掘り終わって土を細めの材木を使って固めたら、柱にする材木を立てていく。ここもクルルが張り切ってくれたおかげで割とあっさりと終わった。持ってきてもらった残りの材木を俺とサーミャで、木挽き鋸を使って板にしていく。

 倉庫なので、床は地面からの湿気を受けないように地面から離した高さに作りたい。そのための根太を板を作っていないディアナ達に掛けていって貰う。ディアナとリケは慣れてきていて、割とスムーズだ。

 リディはエルフの里でも多少の補修なんかは自分たちでしていた(里は基本僻地にならざるをえないので毎度職人を呼ぶわけにもいかない)そうなので、まだ多少おぼつかないところがあっても心配をせねばならないほどではない。

 リケは半分本職みたいなもんだし、ディアナの適応の早さがちょっとおかしいだけだ。お転婆だとそうなるのか、武勲こそ家の誉れと言う家風だとそうなるのか。


 根太を掛け終わったら、今度は梁を渡していく。鍛冶仕事の合間にちょいちょい釘(と矢じり)を作っていたが、なるべく消費しないで済むように《《ほぞ》》を切って梁と柱を固定するようにする。

 現場合わせだが、ここらは生産チートの適用範囲内だからチョイチョイと作れるのが助かる。梁を渡し終えて、棟木を上げたあたりで1日が終わってしまった。

 それでも2棟でこの早さは異様に早いはずだ。チートのおかげもあるが、クルルのお手伝いもかなり功を奏している。

「だいぶ助かったよ。ありがとうな」

 俺がクルルの頭を撫でながら言うと、

「クルルルル」

 クルルは嬉しそうに一声鳴くのだった。


 翌日、今日は屋根の垂木を渡していく。今日もクルルのおかげで結構捗っている。チートで加工した垂木を2棟に渡し終えて、いよいよ釘を使っての床張りだ。

 全員で床板を運んで根太に釘で固定していく。単純ではあるが、一箇所ズレるとドンドン合わなくなっていくので、床板はズレないようにピッタリと合わせて張っていく必要がある。

 そこそこの広さを持たせたし、釘で留めるのにもチートは有効ではあるが皆とさほど違いはないので、綺麗に張っていくとどうしても時間がかかる。

 この日は2棟の床を張り終えたところで作業を終わりにしておいた。床だけでも出来ると割と建物感はあるな。


 更に翌日は壁を張り始めていく。もちろん扉のところは開口しておかないと出入りができないので、扉の枠は先に作っておく。倉庫なので片開きの1枚扉ではなく、観音開きの2枚扉のサイズだ。

 皆黙々と槌を片手に、釘を打ち込んで壁板を柱に留めていく。下の方から留めていって、板の上端が少し被るようにしておいた。こうしておけば雨の侵入を防ぎやすく、湿気の調整もできるかと思ったのだ。

 それに当たっての加工はもちろんチートだよりで行っている。チートで行ったぶん正確性が多少求められるが、昨日の床板張りで慣れてきているぶん、今日の作業も戸惑うことなく進められている。


 とは言え、それなりの大きさの建物の壁板である。床板以上に面積が広いこともあって、この日は結局壁ができたところで終わった。

 屋根と扉がないので、一見すると暴風で屋根が飛ばされた家のようにも見える。

「明日屋根張ったら完成かな」

「そうですね。その後扉をつけたら完璧です」

「だな」

 俺とリケ、そしてサーミャはお互いにそんな言葉を交わして、今日の作業の後片付けを始めた。

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