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鍛冶屋ではじめる異世界スローライフ  作者: たままる
第6章 帝国革命編
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いつもの暮らし

 その後夕食のときにも話したが、クルルの小屋に柵はつけないことにした。万が一にも熊が侵入した際、熊は入れたがクルルが出られないという状況を避けるためだ。

 そうなるくらいならクルルが逃げられる可能性が高いほうがいい。そうしたほうがクルルの生存率があがると思うし、いざという時は知らせに来るだろう。なんせクルルは賢いからな。


 翌朝、5人+クルルで獲物の回収をする。いつになくデカい猪だったが、クルルのおかげで引き上げも運搬もスムーズに進めることができた。

 もちろん、熊の話を忘れたわけではない。道中はいつもより警戒して進んだ。サーミャが何も言わないので恐らくは痕跡もなかったのだろう。行き帰りは特に何事もなかった。

 こういうときに長柄の武器や投射武器がもう少しあると良いんだが。万一の場合、熊の間合いの外から攻撃できるのがベストだからな。長らく棚上げになっていたし、弓と短槍を増やすか……。

 家に着いてしまえば後はいつもどおりだ。パパっと皮を剥ぎ、肉と骨を分けていく。結構な大きさだった猪も食べ物に変わっていった。


 せっかく大きな猪肉が手に入ったので、本当ならトンテキならぬイノテキを作りたいところだが、醤油やニンニクがないので諦めて、香草とブランデーで焼くだけにしておいた。これでも十分美味いからな。

 醤油、北方にはあったりするんだろうか。これもカミロに聞いておかないといけないな。ついでに鰹節や昆布、米なんかも入手できるならしたいところだが、そもそもあるのかどうかからになる。カミロは骨が折れるだろうが、頑張ってもらうとするか。

 なんなら多少金を積んだって良い。洋風の料理も嫌いではないし、大きな不満があるわけではないが、頑張れば和食も食べられる可能性があるのと、そもそもそんなことは無理というのとでは希望の大きさが変わってくるからな。


 午後からは俺は鍛冶仕事、リケとリディが魔力の勉強(と畑の手入れ)で、サーミャとディアナは繕い物をする。

 サーミャもディアナも最近は繕い物がかなり上達していて、ちょっとしたほころびは綺麗に直せている。

 でも限界が来ているようなものは買い替えが必要だろうな。そう言えば服の縫製にも生産のチートは適用されるのだろうか。普通に考えれば適用されないはずがないのだが、万が一もあるから一度自分の服でも作ってみるか。


 こうやって必要なものや、やりたいことを考えていくと、やることが……やることが多い……!ってなるな。

 スローライフと言えば聞こえは良いが、つまりは他人に頼るべきところを自分でやるということに他ならない。誰かが作ってくれる野菜を自分で作る。誰かがさばいてくれる肉を自分でさばく。

 無論そのぶん自分の時間は減っていくのだから、良し悪しというのはどうしても出てくる。当然、前の世界並の便利な生活は望むべくもないが、こっちの世界でものんびり暮らすのが目標とは言え、他人に頼れるところは頼っていきたいところだ。


 この日のナイフもなかなかの数を量産できた。卸す量で言えば1週間ちょっとくらいの数だから効率は良い。

 ナイフについては高級モデルの売れ行きはあんまり良くないらしいので、ナイフだけをガンガン量産すれば儲けられる、というわけでもないのがちょっと残念ではある。もしこっちの売れ行きが良いなら、こっちだけを作って空いた時間をなにかに当てるとかもできるんだけどな。


 そんな現実的でないプランは早々に捨て、なにを作ることを優先するのか考えながら、俺は作業場の片付けをした。

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― 新着の感想 ―
[一言] >ナイフについては高級モデルの売れ行きはあんまり良くないらしい これは外見は変わらないのに値段だけ違うからとか? デザインを変えるか、でなければカミロに任せて外装を豪華にするとか。
[一言] スローライフは、朝起きて、夜寝るまで、忙しい…………………………
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