第1話 目覚め
(こ、ここは)
ベットから起き上がる
(すげー柔らかいなこれ、それに…)
目に入るのは
建物の作りからにして木造住宅
机や椅子、タンスなども木工製
窓から刺す光も日本とは感じられない程神々しくもあり気持ちいい
空気もこれこそ新鮮な空気と言えるのだろう、美味しい
(あーここってまさに…)
不意に扉が開く
「あら!目が覚めたのかい?今旦那呼んで来るからね!」
(ビックリしたー、てかスタイルいいなー)
色気のある20代後半のぼんきゅっぼんの姉さんが、そのまま去って行った
その数分後。
「よう坊主!目が覚めたんだな、なんであの森で気絶なんてしてたんだー?このオレ、ザイガス様が拾わなかったら死んでたぞー?ガハハハ!」
ガイザスと名乗る男は、背が高くかなりの筋肉質。顔は厳つく40代ぐらいのダンディな…
(脳筋だな。それにむさ苦しい。。奥さんと年の差やばくね?怪しからん!いやいや、それより)
「あ、ありがとうございます!それで、そのー、あの森って?」
「坊主、アルケミの森を知らずにあそこに居たのか?あそこはBランクの森だぞ!?それに、この辺りで見ない顔だし名前は?隣町の出身か?痛!!」
色気のある姉さんがガイザスの頭を叩く。
「一気に喋らない!坊やが喋り辛いでしょ?」
(うん、ここ異世界だよな。異世界人です!って言って信じて貰えるか?無理だよなー適当にやり過ごしますか)
「えーっと。改めて。継宮光軌と申します!ガイザスさんと…」
「私はフロンよ!」
「フロンさんに助けて頂きありがとうございます!それで、出身なんですが…」
「待て。そんな変な名前聞いたこと…」
フロンがその一言でハッとなり。ガイザスとフロンが見つめ合い無言のやり取りの後、フロンが口を開いた。
「ええ。坊や、あなたこの世界の人?」
「!!!」
(まじか、名前だけで気付くんかい!!)
「やっぱりか!初めて見たぜ異世界人!ガハハハ!愉快愉快!」
「はぁー、何が楽しいのよ。これは一大時よ?」
「あの、異世界人。私みたいな人は他にも居るのですか!?」
「いや、いねーな。ここ100年以上は存在は記録されてねー。だが異世界人のほとんどはこの世界の歴史に名を刻んでる者ばかりだ。そんな異世界人が目の前に居る!笑うしかねーガハハハ!」
「はぁー。まぁ旦那の言う通りよ。だからこそ異世界人と言うだけで、かなりの騒ぎになるわ」
その一言でガイザスとフロンの雰囲気が一変し、まるで喉元にナイフを突き付けられた気分になる。
(い、息が出来ない!)
「ごめんなさいね!ちょっと殺気強過ぎたかしら?」
笑いながら喋るフロン
「ガハハハ!まー分かってくれ。それ程異世界人は特別なんだ。あまり外では喋らん方がいいぜ!」
(死ぬかと思った〜。そんなに特別なのか異世界人。オレただの天皇なんですけど。あーもう違うか)
「とりあえず領主に話を通さなきゃね。安心してここの領主は話が分かる方だから。それじゃあんたはお守り任せたよ!」
そう言って、フロンが急いで部屋を出て、家を飛び出して行った。
その後ガイザスと、この世界や異世界人、逆に地球の事を教え合った。
それから、日が暮れた頃にフロンが帰って来て明日の朝方に領主の住む城に行く事になる。
この日初めての異世界料理を堪能しながら
「へー坊やが、この世界の王みたいな存在だったのねー、そっちの世界では」
「うーん、お飾りみたいな感じですよ?」
「その話、私が指示するまで言わないでくれない?」
「え?わ、分かりました」
フロンがくすくすと笑いながら光軌に指示をした
「ガハハハ!何企んどるか分からんが程々にな!」
「ええ、明日が楽しみね。フフフ」
初めての異世界は不穏な感じで終わるだった