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問題解決と副産物(めんどう)

 「はぁ……お腹へった……」


 街道を数時間ほど進んだ頃、また体が空腹を訴え始めた。

 しかし、食べ物など今は持っていない。

 どうしたものか……。


 「食べられそうな魔物とかが居れば……」


 近くには森もある。

 枝を燃やせば火の確保も出来る。

 だが、食料が無い。


 そんな事を考えながら歩いていると、街道の脇から何かが飛び出してきた。


 「むっ?」

 「へっへっへ、大人しくしな。抵抗しなけりゃ、痛い思いをしなくて済むぜ?」


 これは……盗賊?

 いつの間にか後ろにもいる。


 「ヒュ~~、結構な上玉じゃんかよ。こりゃあ高く売れるな!」

 「ちげぇねぇ。しばらくは遊べそうだ!」


 数は六人。

 ……運がいい。


 私は前方にいる盗賊を殴り飛ばす。


 「な!?」

 「コイツ……やっちまえ!!」


 盗賊たちがそれぞれ武器を抜いて突っ込んできた。


 「食料と金……両方手に入りそうだね。……本当に運がいい」


 まぁ、兵器として改造されたこの体に盗賊たちが敵うはずもなく、特に問題なく盗賊を始末した。

 一人を残して。


 「ひっ……ど、どうするつもりだ」

 「拠点にしてる場所があるだろ?どこにある?」

 「テメェ……お、俺たちに手を出してタダで済むと思うなよ!!」

 「それはいい。いい収入になりそうだ」

 「なっ!!……」


 規模が大きい盗賊は結構ため込んでいる。

 でも、盗賊はそんな規模になる前に討伐されるのがオチだ。

 大規模な盗賊ほど、バックに何かが付いていたりするものだ。

 まぁ何も残さなければ問題ないだろう。

 やるなら徹底的にだ。


 「で?教えるの?教えないの?」

 「くっ……お、教えたら、助けてくれるのか?」

 「それはお前の誠意次第だ」

 「……案内する」


 盗賊は痛めた身体を引きずりながら、森の中に進んでいく。

 私はそれについて行く。


 「(何か企んでるなぁ)」


 多分、他に仲間がいるのだろう。

 自分たちの拠点で倒すつもりなのだろうか?

 油断はしないでおこう。


 暫く進むと、そこまで高さのない崖の下に出た。

 遠くからだと見えにくいが、周りの土と似たような色の木製の扉が見える。


 崖を掘って作ったのか。

 パッと見鉱山みたいだな。


 「へ、馬鹿め!ここまでくれば「馬鹿はお前だよ」……へっ?」


 私は盗賊を蹴り殺す。


 やはり、ここまで連れてきて、仲間を呼ぶつもりだったようだ。

 大声を出そうとしていたからな。


 「さて……いきますかね」


 外に見張りは居ない。


 では、堂々と正面から行きますかね。


 「お邪魔しまぁす……」


 私は入り口を閉める。

 中は結構明るいな。

 壁や天井は木の柱で補強されており、結構頑丈そうだ。

 地震とかが来たら分からないけれど、自然に崩れることは無いんじゃないだろうか?


 「ん?声だ」


 真っすぐ進んでくると、視界に見えている部屋から声が聞こえる。

 どうやら酒を飲んでいるようだ。

 結構匂いがする。


 ん~、こっちは素人だしなぁ。

 変に作戦を考えるよりは、一気に突っ込んだ方がうまくいきそうだ。


 相手の数もよく分からないが、思い切って突っ込んでしまおう。


 私は一気に走り出す。

 そして、声がする部屋に突撃する。

 部屋に扉はついていないので、一気に駆け抜ける事が出来た。


 まず、こちらに背を向けている盗賊の頭を殴る。


 ゴッ


 ちょっと大きな音が鳴った。

 そのまま次の盗賊を殴り飛ばす。


 「敵襲だああ!!!」


 騒がれる前に二人倒すことが出来た。

 部屋にいるのは十人。


 遠距離攻撃なんかを警戒しながら戦ったが、特にそんなものはなく。

 この部屋の制圧が終わってしまった。


 「呆気ないな……」


 一先ず、この部屋を後にする。

 通路に出た次の瞬間。


 ヒュンッ!!


 「おっと!!」


 急いで部屋に飛びのく。


 危ない危ない……避けなかったら顔に当たってた。

 使われたのは弓矢だ。


 ぐぅ~~~


 「……そろそろお腹が限界だ」


 今いる部屋は食堂のような場所らしく、酒や食料があることが確認できた。


 「食料があると分かれば怖い物なんてない。出し惜しみは無しだ!!」


 私は能力を発動する。


 「『障壁』」


 私は自分の周りに魔力の障壁を作り出す。

 これで弓は怖くない。


 魔力増幅。

 それが、私が手に入れた能力。

 効果は単純、身体にある魔力、身体に取り入れた魔力を増幅させるもの。

 私の能力は、おそらく他の世代の子たちよりも強い。

 制御は一切無視で造られているからだ。

 本来なら、自我を完全に消し、ただ命令を聞くだけの人形を作りたかったようだが、私の場合、どこまで出来るのかという失敗が前提の改造だったためこのような結果になった。

 まぁこんな改造をしたせいで処分できないという失態を犯したわけだが。

 完全に馬鹿である。


 この能力によって出来る事は結構ある。

 今のように障壁を作ったり、純粋な魔力をレーザーの様に撃ち出したり、全方位に放射したり。

 魔力で出来る事は基本的に出来る。


 ただ欠点として、非常に燃費が悪く、その反動で異常なほどお腹がすくという結果になってしまっている。


 後は、人体改造によって体が普通よりも丈夫になり、身体能力がかなり上がっている。

 魔力で身体能力を上昇させることも出来る。


 障壁がはれた事を確認し、もう一度通路に出る。


 キンッ!!


 「うん、問題ないね」


 直撃しても矢を弾くことが出来た。


 「矢が効かねぇ!!」

 「うろたえるな!!数で押し切れ!!」


 私は盗賊の中に真っすぐ突撃する。


 洞窟の中のため、派手な攻撃は出来ないが、近づければこっちの物である。

 無事、盗賊たちを倒すことに成功した。


 「……お腹減った」


 食事……と行きたいところだが、先に戦利品の確認をしておく。

 盗賊たちが何を持っていたのか確認しておきたい。


 「さて、この部屋はなんだろな~」


 盗賊たちが待ち構えていた通路の一つ奥の部屋。

 この部屋には扉が付いていた。

 中には布が沢山落ちている。


 「……くさい。寝室かな?」


 入る気にはならないので別の部屋を探す。


 「お次はなんだろな」


 この部屋も扉が付いている


 「お?当たりかな」


 私はパンを食べながら部屋に入る(我慢できなくて持ってきた。


 部屋の中には武器やお金、何かの道具といった物がいくつか置かれていた。


 「思ったよりも少ないな。まぁ、いっぱい有ったところで持ちきれないからどうしようもないんだけど」


 金目の物が少ないという事は、定期的に何処かに売り払っていたという事だろうか?

 単純に盗賊稼業がうまくいっていなかっただけかもしれないが。


 部屋にあるものをそこら辺にあった袋に適当に入れてまとめておく。

 帰りはこれを持って行けばそこそこの金になるだろう。


 「次~~の部屋で最後みたいだ」


 ここは扉が無い。

 中をちらっと覗いてみると、そこには檻がいくつか置いていあった。

 しかも、中に人が入っている。

 合計四人。


 とりあえず部屋に入る。


 「誰!?」

 「え~っと……旅人です」


 住所不定無職とか言えないのでそれっぽいのを言っておく。


 「さっきの音は……」

 「あぁ、恐らく戦闘音だと思います。盗賊なら全部倒しましたよ」

 「全部?……あの、その中に眼帯を付けた、槍を持った男は居ましたか?」

 「え?……いや、覚えがないですね」

 「!?気を付けてください!!まだどこかに「キィンッ!!」」


 おっと……危ない危ない。

 障壁を張っておいてよかった。


 「オイオイ嘘だろ?殺すつもりでやったんだが……」

 「私はちょっと、特別製でして」

 「ちっ……そこの檻に入ってる奴が余計なことを言おうとしたから、会話の途中でやっちまおうと思ったんだが……失敗しちまったなぁ」

 「フフン、惜しかったですね」


 眼帯を付けた槍を持った男、コイツで間違いなさそうだ。

 それにしても、どこに隠れていたんだろう?

 全く気付かなかった。


 「にしても持ったいねぇな。どうだ?おっちゃんの女になるんだったら殺さないでいてやるぞ?」

 「遠慮させていただきます。……というか、私に勝てると?」

 「おう」

 「……逃げるなら今の内ですよ?」

 「逃げる必要がどこにある?」

 「…………」

 「…………」


 お互いが同時に前に出た。

 私は男に槍を躱し、足に蹴りをお見舞いする。


 「痛って!!」

 「はっ!!」


 そのまま男の背中に拳をお見舞い……出来なかった。

 男はまるで見えているかの様にすんなりと躱した。

 そして、男はそのまま私に向けて槍を横薙ぎに振ってきた。


 ガキィン!!!


 「……重い」


 障壁のお陰でダメージは受けなかったが、足を地面に擦りながら二メートルほど後ろに下がってしまった。


 「今の攻撃を体勢を崩さずに踏ん張ったのは褒めてやるが、動きがド素人だぞ?その結界みたいなやつと、とんでもねぇ身体能力には驚いたがな」

 「……まぁ、殺し合いなんてこれで四回目だし、普通にド素人ですよ」

 「……マジで素人だったとは驚いたな」


 しかし参った……このままだと本当に負けてしまう。

 さっきパンを二つほど食べたが、空腹は全く収まらない。

 あまり時間をかけていると動けなくなってしまう。


 「素人なりに、本気で行きますよ」

 「ハッ、最初から出しやがれ」

 「……あまりやりたくないんですよね」


 お腹がへるから。


 魔力を使って身体能力を大幅に強化する。

 そして、


 ボゴォォ!!


 「ぐっ……おおぉぉ」


 腹を殴り、その威力で男は奥の壁にめり込んだ。


 「…………」

 「……死んだ、かな」


 一応脈を確認しておく。

 ……死んでいるな。


 「倒しちゃった……」

 「嘘だろ……」


 檻の方からそんな声が聞こえる。

 そう言えば、その人達を出してあげないと。


 「鍵がどこにあるか分かる?」

 「い、いえ……多分、盗賊の誰かが持っていると思うんですが……」

 「あっそ、じゃあいいや」


 檻の扉の部分をつかんで、壊して開ける。


 「「「「…………」」」」


 四人とも黙ってしまった。

 いや、盗賊の死体から鍵を探すのとか嫌だし。

 好きで触りたいという人はいないだろう……多分。


 「じゃあ……解散」

 「「「「いやいやいや、ちょっと待ってくださいよ!?」」」」


 四人が綺麗にハモった。

 この四人、見た目からして冒険者っぽい。

 男二人と女二人、全員結構若い。

 まだ少年少女といってもいい年齢に見える。


 「えっと……なにか?」

 「いや……何かお礼とか……」

 「今は欲しい物もなければ、してほしい事も無いんですよね」


 というか、これから食事だから邪魔しないでほしい。


 「え、えっと……じゃあ街まで護衛しますよ!!」

 「盗賊に捕まっちゃうような頼りない人たちに守られてもですね……」

 「うっ、それは」

 「では、これから食事なので」

 「あ、ちょっと!!……食事?」


 私はお金などをまとめた袋を回収して、食堂らしき場所に向かう。


 「どうして付いて来てるんです?」

 「いや、特に理由とかないですけど……」


 まぁ私の食事の邪魔さえしなければいいけど。

 適当なテーブルに食料をかき集める。


 「いただきます」


 もはや誰の物でもなくなった食料を食べ始める。

 どんなに食べても誰にも迷惑が掛からない食料。

 気兼ねなく、遠慮なく、好きなだけ食べられる。


 「……幸せ」


 ゴクッ……


 こちらを見ている四人から、唾を飲み込む音が聞こえた。


 「……申し訳ないですが、上げませんよ?」

 「い、いえいえ空腹なわけじゃないので、ハハハハ……」

 「?……そうですか」


 違うらしいので遠慮なく食べ進める。


 「……エロい」

 「ただ食べてるだけなのに……すごく色っぽい」

 「ずっと見てられそう……」

 「分かる……」


 何か喋っている気がするが、良く聞こえない。

 というかいつまでいるのだろう?

 さっさと帰ればいいのに。


 結局、日持ちする食料以外のほとんどを食べ終えるまで、私の食事は続いた。

おかしいですね。

もっとこう……ほのぼのとしたものを書きたかったのですが……話の内容が暗くなってきてしまったような……。

どうしてこう……暗い内容になってしまうのか……病んでるのかな?

思ってたんとちがーう!!

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