五章 ~光と闇が同時に来ましたよ~
皆さん、お久しぶりです!色々忙しかったけど、なんとか時間が出来てきたので、じゃんじゃん投稿していこうと思います!
ログハウスに引っ越して、二日、
「雷さんは魔法も使えるんですか?」
と、リンに聞かれた。俺はうんともいいえとも言えなかった。
ピーンポーン。インターホンが鳴った。
「速達で~す」
大きな荷物だった。
「なんだ?」
俺は家の中に運び込んだ。
「ブハーッ!」
「うわぁぁぁ!なんだ?!」
箱の中から何かが出てきた。
「よう、雷!」
と言われた。
「ヤ、ヤマユリ!?なんで箱の中から...。」
と言うと、
「話はあとじゃ。そのペンダント、かしてみぃ。」
俺はペンダントをヤマユリに渡した。
すると、ヤマユリは、ペンダントを机に置いて手をかざした。
ペンダントが、一瞬だけ光った。
ヤマユリは、ペンダントをパスしながら、
「そのペンダントを剣にしてみぃ。」
と言われたので、俺は言われた通りにスレイヤーを剣にした。
今までの感じの力でスレイヤーに力を込めていた。
しかし、スレイヤーは、前よりも断然おもくなっていた。
俺は驚いて落としてしまった。
よく見ると、スレイヤーは、片手剣ではなく、両手剣に変わっていた。
「一体...雷の片手剣に何をしたの?」
リンは、少し身構えた。
すると、ヤマユリが、
「まぁまぁ、落ち着け。ドラゴンスレイヤーは、元々、両手剣じゃったのじゃ。しかし、威力が強すぎて制御ができなくなってしもうたもんじゃから、何者かが片手剣にしたのじゃろう。調べてみたところ、『ドラゴンスレイヤーという両手剣を持った勇者が、悪の王国を2つに割った。』と、古文書に書いてあったわい。ほれ、雷。外に出て、ひとふりしてみぃ。」
と言われたので、俺は外に出て、空に向かって思いっきりふってみた。
すると、黒く曇っていた雲が真っ二つに割れた。
「ほー!すげぇーなー!」
と、俺が感心していると、
「でもな、雷。その剣は魔力を大量に消費する。さらに、王国を切った勇者も、2振りで倒れてしまったらしい。お主も、魔力を使い過ぎると気絶してしまうことぐらい知っているよな?しかも、魔力の回復には時間がかかるからのぅ。」
バタッ。
「ほれ、言わんこっちゃない。リン、家の中に運んでやんな。さて、何回切れたのかのぅ。」
ヤマユリは空を見て驚いた。
「...1...2...3...4...5...6...7...8?!」
ヤマユリは、驚きながらもにやけ、
「これなら...!」
と言った。
1時間後。俺は目を覚ました。
「あれ...時間がかかるんじゃないのか?」
とヤマユリに聞くと、
「時間がないのじゃ。」
と言われた。
「いいか雷。私がここに来た本当の理由はな、これじゃ。」
そう言って、ヤマユリは、2つの細長い箱を出した。
「これはの、我が城の地下に眠る、2つの魔剣『クラタール』と、『フィガリット』じゃ。」
俺はふとリンを見ると、リンは震えていた。
俺はリンに、
「ん?どうした?リン。」
リンは口を一生懸命動かしていたが、声は出ていなかった。
すると、ヤマユリが、
「この二つの剣はな、もともと別々の持ち主がいた魔剣で、『光の聖剣クラタール』と、『闇の聖剣フィガリット』じゃ。この、最強の剣をめぐって、争いが起きた。クラタール使いVSフィガリット使いじゃ。2人は双剣を使いたいという願望だけで、争っていた。そして、フィガリット使いはやぶれた。クラタール使いは、フィガリットを手に入れたことを喜んでいた。クラタール使いが、試しにふたつの剣を持つと、その強大な魔力に耐えられず、体が消滅してしまった。後でわかったかとじゃが、二人とも、ドラゴンスレイヤーを使えたが、魔力は一振分しかなかったらしい。」
リンが止めさせようとするのを抑え、
「よし、わかった。」
俺はそう言って、庭に出た。
俺は大きく深呼吸をした。
そして、思いっきり剣をつかんだ。
その時、買い物に行っていた、ランとシルも帰ってきた。
俺の体中に激痛が走った。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。ぐはぁ、ウゥ...ガフッ...ゼェ、ゼェ、ゼェ、ゼェ。」
口から血がふきで、体のあちこちが裂けていた。
俺は必死で耐えた。2つの魔剣もおとなしくなった。
「な、なんと...!」
ヤマユリは崩れるように座りこんだ。
リンはその場で立ち尽くしていた。
「あれは?」
と、シルはランにきいた。
「あ、あれは...光の聖剣、クラタールと、闇の聖剣、フィガリットだと思う…。」
ランは言葉を詰まらせながら言った。
「うそっ...」
シルもさすがに動揺した。俺は剣を鞘にしまい、フラフラと家に戻った。
「使...うたび...に、あれが...来るのか?」
と俺がヤマユリに聞くと、
「いや、あれは、魔剣がお前さんを試しただけじゃ。お主は勝ったんじゃよ。」
部屋で少し休憩したあと、また、ヤマユリから細長い箱を受け取った。
「魔剣をずっと持っているのも物騒じゃろ。」
そう言って、スレイヤーのように小さくしてもらった。
「その箱は、1級品の片手剣、『桜乱舞』じゃ。お主の、『萬緑刀』と、1番相性の良い剣じゃ。」
と言われたので、ありがたくもらった。
バタン!
ドアを突き破って、側近の人が入ってきた。
「こら!ヤマユリ様!魔剣はあれほど持ち出すなと言っておいたのに...あぁ、雷様、魔剣を持つ前でしたか、ご無事でよかった...。」
と言われたので、俺は
「持ったよ。」
と笑顔で答えた。
「なんと...!」
と、側近が驚いた。
「ほっほっほー!雷をなめるな。スレイヤーを使える男だぞ?」
と、ヤマユリが言った。
「何振りしましたか?」
と、側近が呆れながら聞いてきたので、
「8振りだよ。」
と俺は笑顔で答えた。
側近はため息をしながら、首をふった。
ヤマユリは、
「ほれ、話は終わったぞ。帰ろうぞ。じゃあな、雷!」
そう言ってヤマユリは帰っていった。
ガクッ。
「お、おい!リン!どうした?!」
と、俺がリンに近づくと、
「さ、さっき雷さんを起こすために、魔力回復魔法をたくさん使ったから...。」
と、ほそぼそとした声でいった。
俺はとっさに、
「おい、リン!さっき俺に魔法を使えるか聞いたよな?ちょっと試して見たいんだ!!魔力回復魔法のやり方を教えてくれないか?」
と聞くと、
「い、いいですけど...1回の回復量はとても少ないですよ?」
「ああ、それでも構わない。」
俺は教わった通りのやり方をやった。
「ワガマリョクニメンジテ、コノモノノマリョクカイフクシタマエ!」
俺が詠唱を終えると、リンの体は光り始めた。
「す、すごい...1発で完全に回復してる...!」
と、リンが驚いていると、後ろで見ていたシルが、
「ねぇ雷、この上にちょっと手を当ててみてくれない?」
そう言いながら、シルは丸い石を取り出した。
「いいけど、なんで?」
俺がそう聞くと、
「これはね、魔力水晶といって、自分の魔力の強さと、属性をしることができるのり例えば、ランが触れば、水属性を表す、青い光がでる。それも、とても強い光。つまり、とても強力ってことね。私は、一応、光属性だけど光るか光らないかってところよ。つまり、とても弱いの。リンが触れても、光を発しないけど、無属性魔法の名称、つまりリンの場合、回復魔法と、効果が水晶の中に表されるの。そこで雷の魔法力を見てみようかなと思ってさ。」
と、説明してくれた。
「んじゃ、やってみっかなー!」
と言って、勢いよく手を乗せた。
すると、水晶からは火属性を表す、赤。だけでなく、水の青、草の緑、光の黄色、そして、闇の紫の全5色の光が、強く光った。
「ど...どういうこと?」
ランが驚いている。
他のみんなも驚いている。
俺が水晶を眺めていると、中からなにかが浮かび上がってきた。
「なんだこれ...えっと、『ファイヤーウォール?...効果...えっと、...巨大な火柱が、敵に向かって飛んでいく...』??」
と、俺が読むと、
「あ、あれ?か、回復魔法じゃない...?」
と、シルが言った。
「ね、ねぇ、雷さん!も、もう1回やってみてくれませんか...?」
と、リンに頼まれたので、もう1回やってみた。
すると、水晶はまた、5色に光った。浮かび上がってきた文字をまた読んだ。
「ウォールブレイク?効果、鋭いつむじ風が飛んで、敵の防御を剥がす。」
と読むと、3人は、顔を見合わせて、うなづき、俺をどこかに引っ張って行った。
ついた場所は、街の図書館だった。
「なんなんだー?いったい...。」
俺が質問すると、
「雷は色々な無属性魔法が使えるみたいだから、図書館で、色々調べた方がいいでしょ?」
と、シルが答えた。
俺は色々勉強させられた。指先が光ってランタン代わりになる魔法から、剣に属性魔法をかける魔法、体力増強魔法などなど。
俺は、ある本の中で、気になるものを見つけた。
「なんだこれ。ダイニエイショウ?」
すると、リンが、
「第2詠唱というのは、魔法の中の、自己増強系魔法のことです。ちなみに第1詠唱が属性系魔法、第3詠唱が攻撃系無属性魔法。第4詠唱が魔獣召喚、第5詠唱が、物に生命を与え、自由に操る魔法、第6詠唱は、禁断魔法と言われています。禁断魔法は、宇宙の力を借りる魔法です。例えば、ミニブラックホール召喚とか。そして、魔の第7詠唱、怒りなどをバネに、自分の体力や魔力の限界を大幅に増幅させます。最後に、邪神の第8詠唱、自分の怒りを神と疎通させて、自然の力を大暴走させてしまいます。」
と、説明してくれた。
俺は、
「魔獣召喚もできるのか...。」
すると、リンが
「やって、みますか?」
と聞いてきたので、俺はうなづいて、みんなで外に出た。
俺は、本に書いてあったとおりに、
「魔獣召喚!マノチカラヲモチシ、シンノマジュウヨ、ワレニチカラヲカシタマエ!」
と言うと、魔法陣が出てきた。
召喚のあいだに、
「魔獣の中にも、E~Sのランクがあるの。Sに近いほど強いの。でも、めったにSは出ない。出ても下の方のキリンとかよ。ちなみに、Sの中のトップは不死鳥とか言うやつらしいわよ。でも、本当に居るかは分からない。」
と、ランが説明してくれた。
魔法陣が光って、魔獣が出てきた。
「我が名は不死鳥。そなたが我のご主人にふさわしいか試してやろうぞ。そうだな、今から、仮想ワールドで、我と勝負じゃ。死んでも、仮想ワールドだから、害はない。」
そう言って、不死鳥は、俺達を仮想ワールドに転送した。
仮想ワールドについた。そこは、真っ暗な草原のような場所だった。
俺は3人を見た。3人とも、不死鳥の登場に腰を抜かしていて、とても戦闘を出来る状態ではなかった。そこで、俺は、
「あ、そうそう、言い忘れてたんだけど、この、アホ3人に手を出したら、お前の負けな、あと、秘密厳守でよろしくな。」
と言ってみると、
「わかった。3人には手を出さん。しかし、その秘密とやらは、我に勝てたら守ってやろうぞ。」
「わかった。」
こうして俺は、戦いを始めた。
「めんどいからちゃっちゃとやるぜー!」
と言って、
「オワリトハジマリ、スベテヲシルミズヨ、ワガイシニモトヅキ、テキノソバニテハジケタラン!ウォーターボム!」
すると、水の玉が出てきて、不死鳥の周りで大爆発を起こした。
「ほう...なかなかやるのぅ。次は我の番じゃ!」
そう言って、不死鳥はこちらに向かって思いっきり突っ込んできた。
「ダイチヨ、ワレヲマモルカベヲツクリタモウナ!ランドウォール!」
巨大な土の壁を作り、不死鳥の突進を防いだ。
「このままいくぞー!」
俺はポケットの中にあったクラタールとフィガリットを剣にした。
そのまま、
「ヒカリトヤミヨ、イザワレニチカラヲカシタモウナ!」
と、唱えて、剣に属性魔法を付与させた。そして、俺は勢いよく切りかかった。が、不死鳥は切れなかった。
「フハハハハハハ!我は火の大精霊、不死鳥じゃ!死ぬわけがなかろう!」
と、言ってきた。
俺はふと思った。
ー 火?そうか、つまり、弱点は水か!たしかに、死量ではなかったが、ウォーターボムで、多少のダメージを与えられていたな...。 ー
「よし!」
俺は叫んだ。
3人は不安そうに見ている。
「スイショウヨ、ソノカタサヲシンジテメイズ、アノサンニンヲマモリタモウタ!」
と言って、水晶の箱で、3人を囲った。
「な、何をする気じゃ?」
不死鳥は俺の考えが分からず、混乱していた。
そのすきをついて、おれは、
「ミズヨ、ミズノカミヨソノイダイサヲトウトクオモウキモチニメンジテ、コノイカリヲクミタモウナ!」
と、唱えた。
不死鳥も気づいたらしく、
「ば、バカモノォォォォォオ!」
と言って突進してきたが、遅かった。
至る所から水が噴き出し、たちまちさっきいた所が海底になってしまった。
「スイショウヨ、サンニンヲアゲタモウナ!」
と、言うと、3人が上がって来た。そして、水晶は、消えた。
バシャーン!
3人は水におちてしまった。
俺がふと足元を見ると、俺は水上に立っていた。
次の瞬間、元の世界に戻された。
「お主、強いな...。名前を付ければ契約は成立じゃ。」
「名前か...。」
俺は少し考えた。
「そうだな、『レッド』にしよう!」
「分かりました。では、『レッド』とお呼びください、そちらの御三方も、よろしくお願いします!」
と、改まって言ってきた。
俺は、
「あの力を使わずに住んだ..。」
と、ぼそっと言うと、
「あの力とは?」
と聞かれたので、とっさに、
「い、いやぁ、なんでもないよ!」
と、答えた。
俺は急いで話を変えるように、
「なぁ、レッド、その大きさじゃ目立たないなかな?」
と聞いた。
レッドは、身長、175センチメートル俺の、5倍くらいあった。
ポっ。
と音を立てて、レッドは、インコ程の大きさになった。
「これでよろしいでしょうか、ご主人?」
と言ってきた。
「あぁ、完璧だ!さて、帰ろうか!」
そう言って、家に帰ると、家の前にヤマユリがいた。
「ら、雷!お主!全属性魔法も使える上に、無属性魔法も色々使えるのじゃと?リンから連絡が来て、とんで来たぞ!」
俺は、ヤマユリを一旦無視して、リンに、
「いつの間に連絡を取ったんだ?」
と聞くと、
「じ、実は、図書館に行く前、家の前に1匹の鳥がいて、その子の首輪に、紙がついてて、そこに『さっき、シルが魔力水晶を持っているのを見た。もしも雷が、手を乗せたら、結果を紙に書いて、この子にわたせ! ヤマユリ』と、書いてあったもので...。」
俺はため息をついた。
「ご主人、この人、誰?」
と聞いてきたレッドに答えようとしたが、
「ら、雷!この魔獣は、こやつは何者ぞー!?」
と、おしかけてきた。
5章 終