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竜神物語  作者: ~☆Wi☆~
2/10

一章 ~日が沈みそうですよ~

どーもどーも、元ゆっくり系実況者だった僕がなんでこんなとこにいるんだって?そんなこと気にするな!

本編はじめるよー!

コロコロ...

俺を乗せた馬車は見たことが無い美しい花畑の中を、のんびりと進んでいた。

「んー、空気がいいなー」

俺が伸びていると、

「そうでございますね。」

と、ローブの人が機嫌をとってきた。

「はー。堅苦しいなー。」

つい、俺は言ってしまった。

「なにか、ご不満な事がございましたか?風来様?」

俺は呆れて、

「それだよそれ。その、『フーライサマ』っていうやつ。堅苦しいっしょ。」

すると、ローブの人は、

「では、いかがいたしましょう。」

と聞いてきた。俺は、

「んー、そーだなー、...川...神...風...雷...雷か...そうだ、俺のことは『雷』と呼んでくれ!」

すると、ローブの人は、

「分かりました、雷様」

と答えた。俺は、ため息をつきながら、

「...なぁ、俺ってさ、王様何だろ?なんか命令出来ちゃったりするの?」

興味本意できいてみると、

「ええ、もちろん出来ますよ。」

といってきたので、俺は、にやっと笑った。

「?」

ローブの人は、キョトンとしていた。

「まずー、敬語禁止な、つぎにー、名前を教えてくれ。最後にー、顔を見せてくれないか?」

出会った時から、この人は、ずーっとローブをかぶったままだった。するとこの人は、なれない様子で、

「分かりま...分かった。雷さ...雷。あと、名前はありません。」

そう言いながら、こいつはゆっくりと、ローブを脱いだ。

「なっ...?!」

フードのしたから、銀髪を腰まで伸ばした青い目の美しい、女の子が出てきた。俺はつい、

「かわいい...」

と言ってしまった。

すると、彼女の顔は、たちまち、赤くなってしまった。

「名前...本当にないのか?」

俺が言葉をつまらせながら聞くと、

「ええ。下の方の地位の人は名前を貰えないし、顔を見せることも出来ない。かといって、仕事をしていたからって、高い地位に着ける訳でもない。雇い主が気に入った人から昇格させていくから...」

彼女が悲しそうにいった。

「...なるほど...つまり、顔を見せられない低い地位の人は不利なわけか...」

彼女は静かに首を立てにふった。

「よし、きめた。」

俺が言うと、

「ど、どうしたの?」

と、キョトンとしながらいってきた。

「いや、何でもない。フードつけていいぞ。周りの奴らに怪しまれるだろ。」

彼女は、静かにフードをかぶった。

空が少し曇ってきたところで俺たちは、王城に着いた。

「さっき、町で雷の存在には皆さんお気づきになってると思うので、すぐに演説になるでしょう。」

俺は、

「が、がんばるよ...」

と言った。

俺は服装を整え、演説に向かった。

「演説は、4階のバルコニーからです。」

と言われたので、軽く、

「あいよ。」

と答えた。

いざ、バルコニーに立つと、心臓の鼓動が耳にも届くほど緊張していた。 眼下には、数千人の人々、更にマイクの音は全国一斉放送されるとか。俺は、恐る恐る演説を始めた。

「あぁ、えっと、ど、どうも皆さん。ぼ、僕は、川神風雷です。さっき、演説のことを聞かされて何もわからず、立っている所存でござります。」

したから、ちょっとした笑いが聞こえた。

「えーっと、急に王様という地位になれたのは嬉しい事ですが、どうにも確信を持てません。皆さんに質問です。僕の命令を、しっかりと聞きいれてくれるのでしょうか?」

するとしたから、すごい拍手と、歓声が聞こえて来た。俺は、ローブの彼女に少し、耳打ちをした。彼女は、とても驚いていたが、なんだか嬉しそうだった。歓声が終わるのを見計らって俺はまた演説を始めた。

「じゃあ、試しに1つお願いを聞いてもらおーかなー?」

と言うと、また、歓声が起きた。

「前へ!」

俺は言った。したからどよめきが起きはじめた。

「みんな、こいつのことは知っているか?」

すると、

『チッ、顔も見せられない、薄汚い地位の人間か。』

とか、

『あれは、王城の恥だ。』

などと罵声がとびかった。

「俺は今日、この時を持って、この最低地位のメイドを、最高地位の側近とする!王の命令は絶対だ。ちなみに名は『シルレ』とする!今日の演説は以上!」

そう言って俺は立ち去った。俺は帰り道、崩れるように倒れてしまった。

目を覚ますと、そこにはシルレがいた。

「雷、大丈夫?」

そう俺に話しかけてきたシルレは、もう、フードもローブもつけていなかった。

「あぁ、大丈夫だ。」

と俺は、疲れきった筋肉を無理やり動かして、笑顔を見せた。シルレは、

「ねぇ、雷?なんで、私はシルレなの?」

俺は笑ながら、

「あぁ、それはだな、お前の髪の毛が銀色だから、『Silver』の『Sil』でシル、青い目をしているから、『Blue』の『 l e』でレ、我ながらいい案だと思ったけど、不満?」

俺が少し不安そうにいうと、

「いや、大丈夫。むしろ、シルレではなく、シルと呼んでほしい。」

シルレは、頬を赤らめていった。

「分かったよ、シル。」

俺はにっこりと言った。

次の日の朝。

「なぁーシルー、街を案内してくれないかー?」

と俺が頼むと、

「別にいいけど、あんな演説をしたあとだから一応、武器は持っていこう。」

とシルレは言った。

俺と、シルレは、武器庫に向かった。すると、シルレは、

「私はもう、自分の武器を持っているから、雷は選んできていいよ。私、外で待ってるからさ。」

俺はうなずきながら、武器庫に入った。

武器庫の中の机の上に、片手剣が、不自然に置いてあった。俺は、しまい忘れかと思い、その剣を手に持った。すると、どこからか、声が聞こえた。

「そこの若者よ、そなたにあたいする、良い剣を置いておいた。片手剣だが、盾は要らぬだろう。その代わり、わたしが1つ秘密を教えよう。それはーーーーーー」

俺は、驚いた。

いわれた通りに、俺はその片手剣だけを装備して、外に出た。

「よう、待たせたな。」

シルレはなぜか。俺を見つめていた。

「なんだよ」

と言うと、

「ダメ...」

とつぶやいた。

「な、何がだ?」

俺はさっきの声がシルレにも聞こえていたのかとドキッとした。

「ダメ、その服、ダサい。」

と苦笑いしながらいってきた。

「おいおい、シルさんよぉ、あんただってまだ、パジャマじゃあーりませんかねー?」

そう言って二人で笑った。

俺は、着替え室にはいり、緑のネルシャツに、青いカーディガン、白いコートを選んだ。

外に出てもまだシルはいなかった。俺はそのへんにあったベンチの上でぼーっとしていた。

少し時間が経ってから、シルレがきた。

「どう...かな?」

とてもかわいかった。

紫色の服に、水色のスカート、青い裏地のしろいコート。

「おー!似合ってんじゃん!」

と俺が言うと、シルレの顔は真っ赤になった。

俺たちは、二人で街に出た。街は、中世のような、カラフルな家々に、活気のある市場。

街を存分に堪能し、俺達は何か食べられるものを探していた。

「お!あれ美味そうじゃん。買ってくるからまっててくれ!」

俺が行ったあとに事件は起きた。

シルレが座っていると、いかにも悪そうな二人組が近づいてきて、「なぁお嬢ちゃん、ちょっと来いよ。」

と言ってきた。

「やめ...ろ!」

シルレの声は一歩届かず、裏路地に連れて行かれてしまった。一人はシルレの手を持ち、一人はシルレの首元にナイフを突きつけた。

「お前さん、シルレとかいうやつだろ?お前、最低地位のクセに調子乗って王都をフラフラしてんじゃねーよ。」

と男はいった。

「ただで済むと思ったら大間違えですからね。」

と、シルレは必死で抵抗した。

「ふん、知るか、んな事。やっちまえー!」

バキッ。

男は壁に頭をぶつけ、気絶していた。

それを見たもう一人の男は、全速力で逃げていった。

「雷...!」

「よー、シル!間にあって良かったなー!」

その日の夜、俺はシルレを部屋に呼んだ。

コンコン。

「雷、いってもいい?」

「どーぞ」

シルレは静かに入ってきた。

「どうかしたの?部屋なんかに呼んで。」

「まぁ、こっち来な。」

と軽く声をかけた。

俺は、シルレに紅茶を出した。

「あ、ありがとう。」

少し混乱気味のシルレに話しかけた。

「なぁ、シル、この前俺が聞いた、王の事とかこの世界のことを詳しく教えてくれないか?」

と聞くと、シルレは難しい顔をした。

「いや、何というか、えーっと、そのー、」

俺はとっさにフォロー使用とした時、

「分かりました。」

と言った。

「まず、この世界の事です。この世界は、竜人族を中心に発展してきました。更にこの世界は、1位から60位までの国が存在しています。この世界を立ち上げた竜人国はもちろん、1位でした。そして、最初の王を決める時に、四人の男が決闘により、最初の王を決めたことがきっかけで始まった風習で、今までずっと続けてきました。しかし第三十五代目頭首は優しすぎました。いつも国のお金を貧民街の人々のためにつかってしまったため、国の経済力や、軍事力は衰退してしまいました。そんな国を立て直そうとと、第三十六代目頭首が立ち上がった矢先、ずっと1位を狙っていた、隣国の、『神国』に、ここぞとばかりに竜人国は襲われてしまいました。そのままどんどん順位は下がり、竜人国は60位にまでおちてしまいました。それを不満に思った、第九十二代目頭首は、国として認められていない村たちと協定を結び、商売などで、また国を立て直して行きました。そのまま竜人国は力を伸ばし、第百二十九代目頭首、川神雷神様がなんと10位まで登りつめてくれたのです。しかし、そんな中、雷神様はお亡くなりになりました。その直後、不満に思った、9位の国、『大西国』は、周りの、主な3箇所の村を襲い、破壊されてしまいました。そのため、王が現れる、異世界への門がひとつになってしまったという訳です。」

俺は

「なるほど...」

と言うと、シルレが、

「はい、さらに、風の噂ですと、また神国に目をつけられているだとか...」

俺はつい、難しい顔になってしまった。

「まぁ、ありがとな。」

そう言うと、

「もう少し、いてもいい?」

と聞かれたので、静かに

「あぁ。」

と答えた。

俺がトイレにいって戻って来ると、シルレは、ぐっすり眠ってしまっていた。俺は、シルレにベッドを貸してやった。

次の日、俺はソファーから起きると、シルレはもういなかった。

着替えて、下に下りていくと、いい匂いがした。

「おおおおお、おはよう、ら、雷」

シルレは顔が赤かった。

「どうした?」

と聞くと、

「ご、ごめん、昨日は、雷ベッドで寝てしまったみたいで」

シルレはあたふたしていた。

「いいよ。別に。疲れてたんだろ?」

「だ、だとしても、異性の部屋で、その、」

といってきたので、俺は、

「今日、やりたい事がある。」

と、話を180°回転させた。

「はい?」

シルレはキョトンとしている。

「襲撃された村に行ってみよう。」

と言うと、

「はい。」

と、何のためらいも無く了承してもらえたので俺もほっとした。

襲撃された村の一つ目に向かう途中、俺は、

「なぁシル、お前以外、あの屋敷にメイドは居ないのか?」

と聞くと、

「最低地位の人間と働きたいなんて誰も思いませんよ。」

と悲しそうに言った。

「でもなんで?」

シルレにそう聞かれたが、

「別に。」

といっておいた。

一つ目の村に着いた。

俺は思わず、

「こりゃ、ひでぇ。」

といってしまった。

村は燃え尽きていた。調査しても、何も残っていなかったので、次に向かうことにした。

次の村も燃え尽きていた。やはり、何も無かったので三つ目に向かうことにした。

「はぁ、次も燃え尽きてしまったかなー?」

と独り言を言っていた。

三つ目に着くと燃え尽きていない箇所があるように見えた。俺たちは、2手に別れて捜索した。

パサッ。

近くで何かが倒れる音がした。

音の方向に行ってみると、最低地位のローブをつけた子が倒れていた。

「おい、大丈夫か?」

必死になって声をかけると、「あそこ...家...まだ...妹が...」

俺は急いでその子を担いだまま、妹を助けに言った。

「大丈夫、まだ息はある。」

俺は二人を担いだまま、走って戻った。そこにはシルレがいた。

「あ!雷ー、おそいわよー!こっちにはなにもー...何?!その子達?」

シルレは驚いていた。

「まだ息はある。急いで城に戻ろう。」

そう言って、俺達は大急ぎで王城に戻った。

一章 終

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