三回目の施設見学
今日も、就労支援施設見学へと赴いた。
流石に三施設目ともなると、心に余裕が生まれる。
聞きたい事も、わざわざリストアップしなくとも頭にすぐ浮かび上がる。
障碍者雇用の現場は、今まさに、動いている。
法律改正もあり、雇用側の意識も変わっているという。
今回の施設は、正直言うと、前回の施設よりこじんまりとしている。
前回の施設が大企業のオフィスだとしたら、今回の施設は、中小企業のオフィスと言った感じだろうか。
今後繋がっていく就職先の可能性としては、こちらのほうが実戦的なのだろう。
やっていることは、どの施設も同じだ。
法的にそれが規定されているそうなので、横並び。
立地と付帯サービスが、選択の基準となるだろう。
この施設の大きな目玉は、昼食が無料だという事だ。
さて、比較する部分をあげてみよう。
教育体制や施設の雰囲気は、前回施設が上。
通所する事になった場合の交通費は、同じ。
周辺環境は、前回施設がビジネス街であるのに対し、今回施設は、商業エリア内。
開所時間は、前回施設は午前九時からに対し、今回施設は、午前十時から。
昼食は、前回施設には無くて、今回施設にはある。
最後の項目、これが非常に魅力的なのだ。
食べられる幸せがどれほどのものか、わかるまい。
今の病院併設型施設もそうだが、食事が付いてくるというのは大きなアドバンテージなのだ。
自分は、コンビニを活用するほうではない。
パン一つに百五十円も出せるほど裕福ではない。
今の生活では、昼食代がかからないからこそやっていけている部分もある。
通所している施設は、基本的に土日は休みだ。
そのため、土日は一日一食で耐えているというか、済ませているというか、そんな状況なのだ。
また、施設が変われば交通費も変わる。
一日当たりの消費額が、六十円は変わってくることも目に見えている。
十日で六百円、三十日で千八百円、今よりも家計を圧迫する。
正直に言おう。
行きたい施設は、前回見学したほうだ。
しかし、金銭的な理由がそれを許しそうにない。
通所が出来て当たり前、なほうを選ばねばならないのだ。
年齢も年齢だし、わがままが通るはずもない。
まったく、ままならない。
毎日弁当を作ってでも、通うべきか。
昼食が出る一点の大きな優勢点をかって、選ぶか。
ソーシャルワーカーさんは、あと一件見学してみて、それから決めましょうと言われた。
意図はわからない。
だが、従うことにした。
社会復帰を目指すうえで、ここでの選択は分水嶺になるだろう。
カリキュラム自体は同じことをやるわけなので、さほど心配もしていない。
問題は、施設の先。
つまり、就職先だ。
就労支援施設を利用できる期間は、二年間。
ちょうど、専門学校と同じくらいか。
その間に、仕事を探せなければおしまいだ。
自分は、二年「も」あるとは考えられない。
二年「しか」ないのだ。
焦ってどうにかなる話でもないが、泰然と構えていられるほど胆は太くない。
だが、前に進まなければならない。
ひたすらに、前へ、前へ、前へ。




