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しせつのはなしとせいかつのほご  作者: 鹿家加布里
就職活動開始期
60/127

再び

 ソーシャルワーカーさんから連絡があった。

 就労支援施設見学のスケジュールが決まった、と。

 主治医からの再開してもよい旨の指示も、しっかり頂けたわけだ。

 よかった、これでまた、動ける。

 今の生活に不満があるわけではない。

 むしろ、惰眠をむさぼるにはこれほど良い場所はそうそうないだろう。

 しかし、自分の願いはあくまで社会復帰だ。

 慣れてしまって良いはずなど、あろうわけが無いのだ。


 土筆採りに熱中するのは、楽しい話だ。

 水薬を処方されたいらだちも、ある。

 面白い人もいれば、賢い人、面倒くさい人もいる。

 すべて、この施設で起こった、自分を取り巻く話題だ。

 だが、自分は生活保護からの脱却を望んでいる。

 このままずるずると行っては、いけない。

 

 今日の活動は、料理だった。

 女性陣に負けないレベルで、上手く作業は行えた。

 ここであれば胸を張っていられる内容だが、一般社会に戻った時にそんなことを語っても鼻で笑われるだけだろう。

 当然だ、土俵がまったく違うのだから。

 料理と言っても、一から十まですべて利用者がやるわけではなく、刃物や火を使う行為を行う際には、細心の注意が払われた中で行われるのだ。

 しかも、作業の内容はスタッフがその半分以上の割合で手伝っていく。

 そうでなければ、活動時間中にすべてが完了するはずもないのだから。

 施設は病院併設型、つまり、医療機関だ。

 なので、行動のすべては医療行為へとつながっていく。

 そこには、介護の考え方が流れている。

 リハビリだ。

 ここは、社会復帰の前段階に出る、さらにその前段階のリハビリを行う場所なのだ。

 

 焦りが、再び心へ去来する。

 しかしながら、既に一度は経験したもの。

 落ち着いていこう。

 ソーシャルワーカーさんから提示されたスケジュールは、月曜日。

 心の準備をする期間は、今回用意されていない。

 事前に、主治医の診察も、無い。

 もしかするとこれには、スタッフとの協議の結果が含まれているのではなかろうかと思った。

 施設の噂話によれば、現在就労支援施設の体験入所を行っている利用者が、その期間を終えるのが今日だったはずだ。

 前回のように、事前情報を知らせたくないのではなかろうか。

 はたまた、鉢合せを避ける意図か。

 

 前回よりは、確かに気は楽だ。

 何をするのか、わかっているのだから。

 だから、次はもっと深い一歩を踏み込めればいい。

 どんな場所かわからないのは、前回も一緒だ。

 いや、それよりさらに先、立ち向かう就職にはまだまだ遠いのだ。

 やっていかなけばならない。

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