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しせつのはなしとせいかつのほご  作者: 鹿家加布里
第一次活動期
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再就職への第一歩

パートすら争奪戦になってた頃より、世相は良くなってるみたいです。

 ソーシャルワーカーさんと、面談した。

 小難しいことは抜きにして、要するに就職のあっせん補助をしてくれる人だ。

 施設側に面談の相談をすると、すぐに手配してくれたのだ。

 しかし、その、なんだ。

 話が、というより、専門用語が多すぎて良くわからなかった。

 

 そう、専門用語が噛み砕きもされないままぽいぽい投げつけられるのだ。

 これはたまったものではない。

 何とか噛み砕いて話してもらったが、それでも取りこぼしが多い事、了承のうえで読んでほしい。


 まずは、ハローワークの話だった。

 前にも話したかもしれないが、ハロワには一般求職枠と、障碍者求職枠が存在する。

 自分の場合は、障碍者枠での職探しがいいだろうと現状では考えている。

 一般求職枠の場合、障碍者であるという身の上を隠した状態で都度発生する通院をどうするか、と言った現実的に困難な壁が立ちふさがっていることが分かったからだ。

 無論、面接の際に身の上を話してから、という手も無いわけではないが、それで取ってもらえるのは絶望的な確率だと暗に諭されてしまった。

 

 そこで紹介されたのが、就労移行サービスの利用、というものだった。

 二年間という縛りがあるものの、技術やビジネスマナー教育を受けつつ、障害枠での就職をあっせんしてくれる施設である。

 今でこそこんなポンコツではあるが、これでも働いていた。

 ならば、傭兵無頼の生き方しか知らない自分と、サラリーマンの生き方をしてきた一般の方の溝がどこにあるのかを指導してもらえるだろう。

 大きな稼ぎ=入ってきた分全部自分の収入、という生き方と、大きなプロジェクト成功=月給は一定、でもボーナスが出るよ。

 この生き方の差を、どうやって埋めればいいのか、大変苦慮していたので有り難い限りだ。

 しかもこの制度、生活保護者なら無償で受けられる。

 欠点としては、バランスのとれた昼食が取れないことだろう。

 これは仕方がない、それが「普通のサラリーマン」なのだから。

 生活の何から削ろうか、今から戦々恐々である。

 

 とはいえ、今日は第一回の面談。

 繰り返すが、与えられる情報量が多すぎて処理しきっていないのが正直なところだ。

 一応、大まかなスケジュールの理想案としてこちらから提案したのは


・一月から二月の間は、就労移行施設の見学やそれに関する質問

・三月から四月に、実際就労移行施設に通ってみて、そこが「合っているか」を検討する期間にする

・五月からは、就職に向かって本格的に動く


 というものだ。

 年も若くないし、残された時間は少ない。

 その中で社会復帰を目指すのだから、かなりタイトなスケジュールを強要される。

 自営業時代に、一週間で七本同時に案件を回していた頃に比べれば、まだ楽なほうだが、体が追い付くかが心配である。

 楽な生き方をしてこなかったツケが、ここまでやってきたんだろう。


 もう一つ、こちらはお勧めしませんが、と前置きされたうえで。

 就労支援には就労継続施設というものの存在がある。

 こちらは、所謂テレビでよく見る「障碍者」が通所する場所となっている。

 出所までの期限が切られているわけでもなく、はなから生活保護や障碍者年金がおりている人向きのサービスと言えよう。

 自分が考えている社会復帰とは違う。

 底辺からの再出発だが、やはり自分で稼いだ金で飯を食い、年金も支払い、酒を飲みたい。

 こんなささやかな願いですら難しいのが、生活保護からの脱出であることに戦慄する。

 蟻地獄、まさに生活保護というけだるさの誘惑を放つすり鉢の底から這いあがるだけの力が必要だとは、思いもしなかった。

 しかし、この制度が無ければ、とうにのたれ死んでいた。

 

 それと一番驚いたのが、就業と生活保護は、併用できる、ということだった。

 例えば施設Aで働いて給金が出たとする。

 それが生活保護支給額より下回っていた場合、その分は補填されるというのだ。

 医療費免除等も、担保されているという。

 働くだけ無駄だ、と、諦めないでよいシステムが構築されているという。

 何故行政は、これを周知しないのだろうかと疑問に思った。

 極端な話、毎月リハビリ感覚で月6万のパートをし、それを申請すれば、自治体の財経も負担が軽くなるはずなのに、何故。


 何故、とは思うが、復帰への一縷の光を得た気がした。

生活保護の頼もしさを思い知った次第です。

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