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しせつのはなしとせいかつのほご  作者: 鹿家加布里
不安期
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だいこんばんざい

頭皮がかゆい。

 ようやく風邪が治ったと思ったら、腹を壊した。

 カップ麺の唐辛子にあたったのだ。

 風邪の時ほどではないが、施設に行こうにも日曜であるし、そもそもの体力が無くなっている。

 自分は、唐辛子に覿面に弱い。

 いわゆる激辛と言われるものを食べると、頭皮が十円玉サイズでべろりと剥げ落ちることもある。

 内科の主治医には、極力唐辛子を食べないよう言われている。

 が、その言いつけを破ってしまった。

 原因が原因だけに、医者に行くわけにもいかなかった。

 まさかあそこまで辛いとは思わず、完全に自業自得だった。


 弱点に自分から飛び込む馬鹿な真似をしたのだから、これはもうどうしようもない。

 それこそ医者にいってすぐに治る類の話ではないのだから、時間の経過を待つしかなかった。

 食中毒が理由なら可愛げもあるが、話にならない。


 腹を壊して、二日目になった。

 ただただ唸るだけだ。

 吐いて治るものでもなく、苦しいだけで、処置もない。

 気を紛らわそうにも、何をするわけでもない。

 歌でも歌うか? 無駄な話だ、空しくなるだけだ。

 ポメラニアンは何故もふもふしているのか、夏は暑くないんだろうか、タワシの代わりに使えそうだな……。

 だめだだめだ。

 正常な思考を喪失しているようだ。

 ポメラニアンに思考を巡らせて何の意味があるというのか。


 そうだ、シュロの樹皮だ、アレはいいものだ、使い勝手がいい。

 だからわしゃわしゃしたものから考えを逸らそうじゃないか、落着け自分。

 なおのこと腹具合が悪くなってきた、どうしたらいいのか。

 つまり何が言いたいのかと言えば、体調が悪いとろくなことを考えないということだ。

 なんと明朗な結論だろう。

 わかりやすすぎて脂汗が出てきた。

 

 こういう時は寝るに限る。

 そうだ、寝ればいいのだ、なんて簡単な話なんだ。

 脂汗が気持ち悪い、風呂にでも入るか。

 今日二度目のふろになる、さすがにこれは贅沢だ。

 贅沢は、しない、出来ない、余裕が無い。

 風呂すら贅沢だと言ってのける生活だ。

 余裕はないのだが、背に腹は代えられない。

 時間のたつのが待ち遠しい、時間がたてば、大根葉はいい感じの漬物になってくれる、それをおかずにコメを食うのだ。

 わかっているのは、漬物が恋しくてたまらないという点だ。

 腹を壊しているというのに、考えるのは食べ事ばかりだ。


 食欲が無いより、あるほうがいい。

 だからと言って、油の強い半額弁当は、苦行だ。

 選ぶのは如何なものかとも思う。

 おかゆが食べたい。

 施設に入り、生活保護を受けるようになりながらもなお、充足していないと感じてしまうもの。

 それは、いつまでたっても食糧だ。

 カネは、衣類や洗剤を買うのにも必要だ。

 食糧だけに使うもではない。

 贅沢をしたいという話ではなく、食糧は必ず消費する品物だからだ。

 半額弁当ばかりでは体調を崩す。

 安さにあかせて食べたらだめなものを食べれば、今回のように病気をする。

 自業自得だが、体調を崩せば余計な出費が増えるのだ。

 

 今日も、大根が安く売っているだろうか?

 消化が良く、量のある大根は良い食べ物だ。

 頭の中は、いつしか大根のことで一杯になり、眠りに落ちていった。

唐辛子に負ける、弱々な自分に嫌気がさしてます。

おなか痛い。

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