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しせつのはなしとせいかつのほご  作者: 鹿家加布里
就労移行支援施設期
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願いかなわず

 初陣は、書類選考で落とされた。

 指定期日に、選考通過者にだけ通知が送付され、履歴書が返ってくることも無い。

 指定期日のポストには、手紙はおろか広告の一枚も入っていなかった。

 仕方がない、次だ。

 失敗に慣れているとはいえ、やはり、へこむものだ。

 戦いはまだまだ続くだろう。

 一縷の望みを以て、進むしかない。

 

 とはいえ、流石に笑顔でいられるほど強くも無い。

 諦めきった空気をまとって見せる大人げを見せたところで、勝てなかったものは、勝てなかったのだ。

 就職活動は、敗北の連続だという。

 なら、負け戦の場数を踏んでいる自分はメンタル的に強いだろう。

 初陣から勝てるなんて話は、物語の中でしか起こらない。

 そう思う事にする。


 敗北の戦訓を考えてみる。

 自己PRが弱かったのと、簡潔にまとめられていなかったこと。

 最初から大手企業を狙い過ぎたこと。

 企業研究が盤石ではなかったこと。

 なんと、問題の多いことか。

 それでも、進まなければならない。


 就労移行支援施設からは、二月に開催される合同説明会に参加して、もっといい待遇のところを探すべきだと言われた。

 なるほど、それは確かに道理だ。

 だが、自分は一社、受けてみるつもりだ。

 物量で圧倒するしかない年齢だと考えているからだ。

 残念ながら、自分はもう若くは無い。

 若さが無いなら、経験を買ってもらうしかないのだが、生憎とフリーランス。

 企業で働いた経験が無い以上、無駄弾をばらまくスタイルしかないだろう。


 なに、まだまだ一回しか戦を行っていない。

 負けが込んでくれば泣き言も増えようというものだが、初手から転んだだけで大怪我をしたように触れ回ってどうするというのか。

 採用内定を貰うまで、時間が無い。

 気が付けば、就労移行支援施設に通うようになって半年が経っている。

 残りはもう、一年半しかない。

 時間は無駄に出来ない。

 だからこそ、焦る。

 この焦りがよろしくない類のものだというのは理解している。


 繰り返しになるが。

 この施設では、一年半たってようやく仕事が見つかる人が多い、とは、聞いている。

 それでは遅い。

 歳を重ねればそれだけ老後の資金が減ってしまうし、最終目的である生活保護からの脱却が出来ない。

 他人のカネで生かされている身の上なのだ。

 働いていた頃に支払った税金を取り返しているだけだ、と開き直る事が出来るなら、どれほど楽な事だろう。


 次こそは、内定が欲しい。

 嘘偽らぬ気持である。

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