第九話 依頼・接敵・増援
なかなか話が進まない……。
やばいよ休みが終わっちまう!
俺はあの鍛冶屋から逃げるようにそのまま依頼の目的地に移動した。
今回の依頼の目的地は、2,3日前に俺が転生した森の中で、比較的街に近い場所であった。
ギルドにあった地図で確認してみたのだが、暴食熊と戦闘を行ったと思われる地点はかなり森の中央部に近い場所みたいだ。
今回の目的地にはそんなに強い魔物はおらず、比較的初心者が狩りに慣れるのに適しているとされる場所らしい。
尤も、俺は狩りに慣れるかどうかわからないが。
なんせ、俺の戦闘経験はあの熊だけだし。
前世じゃあんな化物は出てこなかったし。
生活費を稼がないといけないし、バトラー以外に収入のいい仕事があんまりなさそうだし。
閑話休題。
んで、俺が今回受けた依頼というのが……
「っと、いたいた……。」
俺が越えようとした草むらの奥にちょっと開けた場所があるようだ。
そこには……
「ギイイィ……」
「キイィィィ!」
「ギィ?」
緑色の肌に小さな体。顔はお察しください。な、ゴブリンの群れが居た。
そう、俺が受けた依頼は、ゴブリンの討伐。
数は指定がない。一匹以上狩れりゃいいらしい。
だが……。
「ギィイイイィ!!」
「ギュイ?」
「ギイイィィィ……」
なんだか、数が多い。会話……しているのかあれは?
此方から仕掛けるにも一対多数は不利だし、ここは一旦引いたほうがいいか……。
そう思い、来た道を引き返そうとしたら、振り返った先に緑色の小人みたいな奴がいた。
「………………。」
「………………。」
一瞬の沈黙。そしてその沈黙を破ったのは意外にもこいつだった。
Tips:魔物は敵を目視すると襲ってきます。近くに仲間がいる場合、増援として駆けつけてきます。
……うん。群れを見た瞬間フラグが建ったと思ったよ。
ゲームなら絶対強制エンカウントだろうし。
俺がそんな現実逃避をしている間に、
「ギイイイイィィィィ!!」
「「「ギィィィィィィィ!!!!!!」」」
さっき会話?をしていたゴブリン達も予想通り増援に来て、たちまち俺は奴らに囲まれてしまった。
…………これ、どうやって脱出しようか。
「数は1、2……4体。どうしようか……。」
Tips:迫り来る敵を返り討ちにしましょう。
Tipsさん好戦的だなオイ!
もうこうなったらやるしかない。
俺も男だ、腹をくくるぜ!
あ、体は女だけどね。
俺はショートソードを鞘から抜きながら、囲まれてピンチだというのに、なぜか心に余裕があることに気が付くのであった。
次回、初依頼達成なるか!?
誤字脱字報告感想等お待ちしております。
2014/10/7 誤記修正
此方仕掛けるにもから一体多数は不利だし
↓
此方から仕掛けるにも一対多数は不利だし
同じところで二個ミスがっΣ(゜д゜lll)