第七話 食事・執事・受付嬢
こんな世界に行ってみたい!
目が覚めたあと、2分も経たないうちに昨日の燕尾服がモーニングを持って入ってきた。
「お待たせしました、こちらがモーニングになります。」
うぁ……食事も超豪華だ……。
ここに居ると、生活費を稼がなくちゃ、という気持ちが沸かない……。
そんなことを思っていると、
「それでは、失礼します。」
と言って、燕尾服が部屋の外に出ていった。
とりあえず、目の前の食事に手をつける。
食事をとりつつ、あの謎スキルについて、もう一度整理する。
まず、スキルの説明欄を見ても???としか書いていなかった。
次に、双方とも発動を試みたが、全く何も起こらないのである。
そもそも、何のスキルか全くわかっていないから整理とは言わないという事に気がつき、その後は無心で食事を済ませた……。
「まぁ、これが生活の支障にならなきゃいいや。それより食べたらどこに行こう?」
食事を終えた30秒後くらいに燕尾服が食器を下げに来て、さっさと片付けて出ていった。
しかし、燕尾服はどうして食べ終わったのがわかったんだ!?
あの燕尾服、一体何者だよ……。
宿を出て、まず市場に向かう。
貨幣価値がわからないから、とりあえず確認しなければそのうちぼったくられる。
市場を確認すると、通貨は世界共通で、”ユール”というらしく、日本円と換算して、
1ユール=10円というところだ。
また、紙幣はなく、硬貨のみが流通しているらしい。
交換レートは、
1金剛貨=10白金貨=100金貨=1000銀貨=10000白銅貨=100000銅貨で、 銅貨一枚で1ユールらしい。
それを確認し終えた俺は、バトラーズギルドに向かった。
あんな宿で毎日のんびり過ごしていたら太ってしまう。
「いらっしゃいませ、バトラーズギルドへようこそ!」
昨日と同じ受付嬢だが、昨日の狼狽っぷりはどこへやら。営業スマイルで俺を迎えてくれた。
「この度あなたの担当受付嬢になります。フィールェというものです。今後とも宜しくお願いします。」
「はい。よろしくお願いします。」
結局昨日の受付嬢が担当か。
一応見知った顔だし、ほかの受付より接しやすいかな……。
「まずあなたに暴食熊の報奨金が支払われております。未登録者でしたので、報奨はあまり多くありませんが……。なお、街門の通行費と宿の宿泊費1週間分は、当方にて負担します。」
あの高そうな宿を一週間負担って……。
「それでは、こちら500ユール、銀貨5枚になります。」
俺は銀貨を受け取り、(思ったより少なかった。)受付嬢に依頼を受ける事を伝える。
「初心者向けの依頼でお願いします。」
受付嬢は手元の端末で何やら確認をし、
「こちらはいかがでしょうか。」
俺に画面を見せてきた。
そこには、元の世界でよく知った魔物の名前と、そこから想像できるであろう魔物が写っていた。
はてさて見知った名前の魔物とは?
誤字脱字報告感想等お待ちしております
2016/12/27 未登録者でしたので、報奨はあまり多くありませんが……を追加。