第六話 夢・女神・スキル
主人公能力がインフレ起こしてる気がする・・・。
う ら や ま し い
気がつくと、俺は淡い光に包まれていた。
「ここは……どこだろう……。」
なんだか既視感があるが、どういうことだ?
確かに俺はベッドの上で寝たよな?
不思議現象に首をかしげていると、どこからか見知った声が聞こえる。
「すみません!すみません!」
それはあの女神の必死に謝る声だった。
つか、ここにいるっつーことは、
「俺、また死んだの?」
この短期間で二回も死ねるって、結構すごい体験だなぁ……。
そんなことを思っていると、女神は俺の言葉を否定した。
「いえ……今回は私があなたの精神をお呼びしたのです。」
なにか呼ばれるような不味い事したかな?
うーん、わからん。
「私のミスで、名前と性別を……。」
あー……そっちかぁ……
「あのあとのあなたをずっと見ていたのですが、いきなり大声を上げたので慌てて確認してみたら……。」
この女神、ドジ疑惑。
同じ人間に対し二回もミスするって……
確かにいかにも女神だけど、中身が残念すぎる……。
「初めに見たときは完全に女の子だと思っていました……。」
失礼な。
しかし女神にも間違えられる女顔だったなんて……。ちょっとショックだ。
「名前も、EIMAとElmaを見間違えて……『女の子だし』とか言ってそのまま転生させちゃって……本当にすみません!!!」
どんだけドジなんだよ……。
まぁでも……
「気にしたってしょうがないし、そもそも気にもしてないからいいよ。」
まぁ事故でそのまま地獄行き、よりかは断然いい。
その言葉に、女神はすこし落ち着いた声で、
「本当にすみません……。この件については、こちらでお詫びとして、もう一つ特殊能力を……。」
「え?特殊能力?」
おおう、既にチート二つあるのに、更にチートとは……どんなサービスだ……。
あの世界で生活するのにチートはいくらあっても困らないからいいけどね。
「はい、相手のステータスを見る能力です。」
「地味だがとんでもないな、それ。」
本心である。
戦わずして相手の強さがわかるというのは、戦いだらけのあの世界でかなりのアドバンテージになるはずだ。
「次に目が覚めた時にこの能力が追加されます。今回の件……本当にごめんなさい……。」
「別に気にしてないんだけどなぁ……」
あぁそうだ、これを聞かなくちゃ。
「体に、精神が引っ張られて考えまで女の子になっちゃうとか、ないよね?」
自分が自分じゃなくなるって嫌だしね。
「その点については問題ありません。こちらの方で精神にそうならないようにしています。」
ならいいか。
まぁ、一番聞きたかったことが聞けたし、困ったことがあったらTipsに頼ればいいや。
「今後はこんなことがないよう、気をつけます。
それでは、今度こそ、良い人生を……。」
その言葉を聞いた瞬間、俺の視界は急激に暗くなり、そのまま意識が途切れた。
目が覚めると、知らない天蓋が目に飛び込んできた。
まぁ、天蓋付きのベッドなんかで寝たこと無かったしね……。
――――俺が女神に望んだのは、異世界に考えうる最高の能力値と、あらゆる能力を習得可能にするスキルだ。
その二つに加え、今回ステータスを盗み見る能力が追加された。
あとは種族固有のスキルがちらほらあるだけ。
だった、はずだ。
その問題のステータスのスキル欄には、
skills
日中歩行
太陽の光の種族ペナルティを受けずに浴びることができる。
吸血 (Lv10)
牙による吸血ができる。なお、相手の精気を吸収する。
眷属への誘い (Lv10)
吸血した相手への任意の眷属化ができる。
但し相手も抵抗することが出来、成功率はLvに依存する。
なお、対象にスキル:吸血 (Lv親依存)・日中歩行 (親依存)を付加する。
原点回帰
種族リミッターを外す。
技術複製
対象からスキルをコピーできる。コピーしたスキルの消費SPはオリジナルの1.2倍
観察眼
相手のあらゆるステータスを覗くことができる。
ここまでは良かったんだけど……。
オ魄‥迺ィ号アグ・薇‥
???
シ・魄‥箆ニ碪ゥ・・・瀞ォ・
???
変なのが混ざってるよ……女神さん……。
なんか文字化けしてるし……意味がわからん……。
ますます女神のドジ疑惑が胸の中で膨らむのであった。
またしても説明になった気がする・・・。
誤字脱字報告感想等お待ちしております。
2014/4/2 ルビを若干修正・文字化けの文字を修正
2014/4/20 スキル欄の題をスキルからskillsに変更