第三十二話 眷属・不死・パーティー
皆様お待たせしました。
第三十二話、どうぞ!
あの後、救護班がすぐにやってきて、ランをギルド内の救護室に搬送してくれた。
結論から言うと、ランは助かり、あとは目を覚ますのを待つだけなのだが……
やはり、というべきか、ランのステータスに吸血が付加されていた。
「…………。」
ランが知ったら怒るかなぁ……完全に眷属化してしまったし……。
うーん……
若気の至りでヤッチャッタ青年の如く悩んでいると、
「うぅ……ん…………」
ランが目を覚ました。
「……あれ……?天国?……あぁやっぱ死んじゃった?」
「いや、生きてはいるんだけど……。」
ランがこちらを見る。彼女の瞳の奥には彼女の本来の色とは違う色が混じっていた。
その色は紅い、俺の瞳の色と同じ色であった。
「ふぇっ……?生きていたの?……おかしいわね……確かに心臓を一突きされて回復できなかったのに……。」
それに苦笑いで返しつつ、
「とりあえずステータスを見てほしい。それから話す。」
「?」
ランは頭に?マークを浮かべながら俺の言ったとおりにステータスを確認したようだが、次の瞬間固まった。
「…………。」
「…………。」
「…………あの……ランさん?」
「…………な」
な?
「なによこれェェェェェッ!!!!」
叫ぶのも無理はない……彼女のステータスは|軒並み補正がかかっているのだから。
State
Name:ラン・フィノール sex:female
Tribal:ハーフヒューマン(ファイアドラゴン) Lv:21
魔法適性:赤・緑・青
Bad state:眷属化(永久)
Exp:1,843/30,010
MP:100/400(+300)
SP:300/700(+400)
ATK:220(+100)
DEF:250(+100)
MAT:250(+100)
MDF:270(+100)
MOB:300(+100)
DEX:290(+100)
スキル
ドラゴンブレス(lv2)種族スキル 龍の力の宿る息。 どのような効力になるかは親の龍の力に依存する。 効力・威力はLvによりアップする。
ドラゴンアクセス (lv1)龍化する。 全能力に+100の補正がかかる。種族スキルLvが+5補正される Lvにより補正値がアップする。
日中歩行
吸血(lv10)
意外なことに、彼女は純粋な人間ではなく、ドラゴンのハーフだった。
まぁどんな生物でも心臓を一突きされたら死んでしまうよな……。
そんなことを考えつつ、ランが落ち着くまで待つことにした。
十数分後、いくらかランが落ち着いたのを見て、俺の種族と、命を救うのに吸血、眷属化しか方法がなかったことを話した。
「……で、私はあなたの眷属になって不死者になっちゃった、と。」
「うん、ごめん……。」
「…………。」
命を救うためとはいえ、俺の独断で彼女を不死者にしてしまった。
彼女にも彼女の人生があるだろう。不死ということは、今は良くてもその先の人生を壊すことになる。
「責任は……自分の負える範囲でとる。どんなことでも構わない。」
それが、自分を死に至らしめるものであっても、だ。
「……それじゃ、さ。」
少し考えて彼女は言った。
「正式に私と一緒に組まない?」
「……は?」
予想外の答えが返ってきた。もう関わるなとかじゃなくて?
「これからは年取らないみたいだし、ほかの人と長期間は組めないし……それに……」
「……それに?」
俺は恐る恐る聞いてみる、が、帰ってきたのは、
「……とにかく私を不死者にした責任取りなさい!」
というお言葉だった。
「……あぁ!」
二度と一緒に組むことになるとは思わなかった俺たちが正式にパーティーを組むことになった瞬間であった。
「あ、私はあなたの眷属だから、マスターとか呼んだほうがいいのかしら?」
「いや、エルマで頼む。」
……少し、いやかなり不安だけどね!
第一章 異世界・出会い・不死者 -END-
To be continued.
ふぅ。ここで第一章終了となります。
eiki先生の次回作にご期待下さい(嘘)
これからもしっかり続けていきますので、今後共どうぞよろしくお願い致します。




