第二十八話 援護・トゲトゲ・ギア
お待たせしました。
二十八話、どうぞっ!
「グゥゥ……ヨクモ……ドウシヲ……!」
恨みを込めて唸り声を上げる親玉ゴブリン。
「くっ……あれで死ななかったということは……相当な回避能力を持っているな……。」
「……でも、やるしかないわよ……。」
放心状態から復帰したランは親玉ゴブリンを警戒しつつ臨戦態勢をとる。
俺も剣を抜き、いつでも攻撃できるように構える。
「…………。」
「…………。」
「…………。」
少しの間静寂が森をつつみ……
「ウ゛ラ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ッ!!!」
その静寂を破ったのは親玉ゴブリンの方だった。
その手に持っている獲物は――――
棒の先に鎖で繋がれたトゲトゲの鉄球がついている……そう、モーニングスターだ。
ギャグマンガなんかでは自分で刺さって自滅するようなアホな展開になったりするのだろうが、今はそんな空気ではない。
相手もスキルを持っているのかスキルを使っても敵の攻撃があまりスローにならないが、とにかく相手の攻撃に合わせて剣を振るう。
ガキィッ!
相手の攻撃を弾く、弾く。
その度に金属と金属が激しくぶつかり合う音が森にこだまする。
――――不意に親玉ゴブリンが笑みを浮かべる。……なんだ?
次の瞬間、打ち合ったと思った剣がその鎖に絡め取られてしまった。
「チィ……ッ!」
どれだけ引っ張ろうと、取れない。相手は鎖をしっかりと手でホールドし、そのまま俺の剣ごと鉄球部分を振り下ろしてくる。
「危ないっ!」
ランの叫び声と共に、前に見たナイフが親玉ゴブリンに飛んでゆく。
「ヌゥ……!」
それを見た親玉ゴブリンは鎖を持っている手を離し、ナイフの落下地点から飛ぶように回避する。
鈍重な見た目に対して、かなり俊敏な動きをするな……。
「ふぅ……助かった。ラン!」
「油断しないで!次来るわよ!」
親玉ゴブリンは、鉄球部分をこちらへ飛ばしてきた!
えぇっ!あの鎖伸縮自在なのかよっ!
慌てて回避する。
ズドン!という音とともに、地面が一部分陥没した。
……ちょっと……これひどくない?
俺ステ振り切れているけどさ、こんなのできないんですが。
Tips:頑張りましょう。
はい。頑張ろうか。
もうちょっと本気を出すことにする。
いつかやったみたいに、刀身に魔力を込めるのをやってみようか。
そうと決まれば今回は……空間魔法をやってみよう。
どうなるかは知らない。暴発したらそれまでだ。
ゆっくりと刀身に魔力を込めていく。
「グ……?」
「えっ……?」
親玉ゴブリンもランも首をかしげている。
何をするのか分かっていないのだろう。
まぁ俺も分かっていないが。
そう考えつつ、その次の瞬間に俺は剣を親玉ゴブリンに一閃した。
風を切る音が辺りにこだまする。
…………
……………………
…………………………………………
しかし何も起きなかった。
……?まさか失敗か?
そう思っていると、親玉ゴブリンが急に血を吐きうめき声をあげ、
「グッ……ウ……ゥ……ミ……ミゴト…………」
そのままゆっくりと地面に倒れ伏した。
そのままピクリとも動かない。
……あれ?勝ったのか?
「…………。」
ランはランで放心状態になっている。
不発と思ったら目立った外傷もなく死んだ……。うーん……自分でもよく分からん……。
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