第十七話 ゲット・弓・複製
寝不足で頭が回らない……
次の日俺は、準備が揃ったので嬉々としてバトラーズギルドに向かった。
依頼掲示板には、様々な種類の依頼が何らかの魔法で表示されている。
依頼には、固有の番号が振られており、受付に依頼を持って行く時はこの番号を受付に伝えるのだそうだ。
思っていたよりこの街の中での識字率は高いようだった。
俺は前に無事達成したゴブリン討伐依頼を再度受けることにする。
スキルのことがわかった俺は、もう一度ハザールの店に直行し、あるものを手に入れていた。
「いらっしゃいませ。エルマさん。」
フィールェさんにクエストを受けることを伝え、踵を返し外へ向かう。
「あ、気を付けてくださいよ~!」
そう言ってくれるフィールェさんに背中を向けたまま返事を返した。
さて、森へ入って、ハザールに格安で譲ってもらったものを用意する。それは……
「こんなの当たるんですかねぇ……」
よくしなる竹を逸らしそれに麻糸をつけたもの。所謂弓というやつだった。
まぁ、接近戦に持ち込まれる前に倒してしまえばいいと、そう考えたのだが、さっき試射してみたところかなり命中率が悪かった。
使っても当たらなければ意味がない。俺の場合掠りさえすればいいのだけど。
ため息を一つついてから。ゴブリンを捜索する。
2,3分もしないうちに発見できた。数は1匹。幸いにもこちらに気が付いていないようだった。
俺は弓を引き絞り矢をゴブリンに射掛ける。これって結構力がいるんだよなぁ……
飛んでいった矢は、狙ったゴブリンに掠りもせずにあらぬ方向へ飛んでいき、木に突き刺さる。
その矢に気づいたゴブリンが俺を発見する。
「キィィッ!」
ゴブリンは声を上げ増援を呼んだ。が、周りにゴブリンはいないらしい。
俺はもう一度矢を射掛ける。やっぱり当たらない。狙ったように当たらない。
どうやら奴も弓を使っているらしく、矢がびゅん、と顔を掠めた。
なんでゴブリンがこんなに弓を上手く扱えんだよ!
そう思いながらも矢をどんどん放っていく。
しかし10本放とうと20本放とうと当たらない。かなり精度が悪い。
おそらくスキルが無いせいであろう。
尤もスキルを持ってない皆が皆こんな残念な腕ではないであろうが。
俺がイライラしていると、Tips大先生からありがたいお言葉がかけられた。
うん。そんな手段は全く考えてなかった。
というか一回も使ったことないし……。
俺はゴブリンに向き合い、矢を放ってきた瞬間にスキルを放つ。
技術複製っ!!
スキルを発動すると俺に暖かい光が纏う。そしてすぐに消えてしまった。
その後直ぐにゴブリンに近づき、剣を横に一閃、胴体を真っ二つにする。
そのゴブリンは今までの勝負を一瞬で終わらせられた事に驚きながら絶命した。
辺りに敵が潜んでいないかを確認し、ステータスウィンドウを開ける。
武器スキル欄には……
weapon skills
剣 (Lv10)
弓 (Lv.3+7) -steal-
やった!成功だ!
技術複製は成功し、弓スキルが手に入った。
これほど嬉しいことはない!
……べ、別にスキルのこと忘れていたわけじゃないからねっ!!!!
はい、完っっ全に忘れていました。ホントすみませんこんな著者で……。
誤字脱字報告・ご意見ご感想お待ちしております。
2014/4/23
ルビが正しく表示されていなかったのを修正
本文表記変更&誤字訂正
この街の中での識字率は高いようだ。
↓
この街の中での識字率は高いようだった。
そのゴブリンは今までの勝負を一瞬で終わらせられた事に驚きながら絶命した。
↓
そのゴブリンは今まで膠着状態であった戦闘を一瞬で終わらせられた事に驚きながら絶命した。
俺は前に余裕で討伐できたゴブリンの依頼を受ける
↓
俺は前に無事達成したゴブリン討伐依頼を再度受けることにする。
ぼっこぼこにされていたのに余裕なのはおかしいですよね……。
集弾率
↓
命中率
そう思いながらも弓をどんどん放っていく
↓
そう思いながらも矢をどんどん放っていく
弓を放ってどうするw
2014/5/8
表記変更
クエスト掲示板
↓
依頼掲示板
クエスト
↓
依頼
これで統一していきます。
統一出来てないところは報告願えれば嬉しいです。
2015/8/19
表現修正
飛んでいった矢は、掠りもせずに突き刺さる。
↓
飛んでいった矢は、狙ったゴブリンに掠りもせずにあらぬ方向へ飛んでいき、木に突き刺さる。
脱字修正
俺はをゴブリンに射掛ける
↓
俺は弓を引き絞り矢をゴブリンに射掛ける
それに伴い別の一箇所修正。
ご指摘ありがとうございます。