第一話 落下・神様・転生
処女作です。よろしくお願いします。
いきなりで悪いが、俺、岬栄馬、16歳。
成績平凡、容姿はよく女子と間違えられるし声も高い。
趣味は読書とゲームとスカイダイビング。今日はスカイダイビングに休みを使ってきたんだけど……。
「ああああああああああああああああ!!」
俺は落ちている。現在進行形で。
暴風に襲われ、パラシュートが開けない体勢なのだ。
「うああああああああああああ!!!」
パラシュートが開けない、それはすなわち―――――死。
あぁ……短かったな俺の人生……。なかなか楽しかった……。
そんなことを考えているうち、パァンという高い音とともに意識を失った。
「……ここは、どこなのだろう。」
淡い光のなかで、俺は目を覚ました。
「たしか俺は、スカイダイビングをしていて、風に襲われて……?」
見上げると、一人の女の子が立っている。
「すみません。私のせいです……。私があなたを……。」
と、申し訳なさそうにうつむきながら言った。
「えっと、ここはどこ?」
「ここは、神の世界です。あなたを殺してしまったから、あなたをお呼びしたのです。」
なんだかよくわからない。あれは事故のはずだ。こんな女の子が俺を殺したってどういうことだ?
「悪いんだけどどういう意味?あれは事故だよね?なのに何故君が謝らなくちゃいけないの?」
俺が聞くと彼女は、
「一応私は、あなたの世界で言う神という存在です。私はいくつかの世界毎のパワーバランスを調整するために誰もいないところでああやって暴風を発生させているのですが、今回はそれにあなたを巻き込んでしまったみたいです……。本当にすみません!!」
なるほど。神様ねぇ……。本当にいるかどうか謎だったけど、いたんだね。
「まぁ死んだ理由はわかった。で、俺は元の場所に帰れるの?」
女神?に問うと、
「いえ、申し訳ないのですが、あなたは元の世界には帰ることができないのです。もし、帰ることができたとしても、それでは生活ができないと思います。」
「生活ができない?」
「はい、この空間では、時間の流れが遅く、もう40年は経っているでしょう。当時死んだ人間がそのまま出てきたら―――――」
「確かに生活はできないね。じゃあどうなるの、俺?」
「あなたには別の世界に転生していただきます。」
転生物、キター!
あれ、作り話の中だけじゃなかったのね。
「なるほど、どんな世界に?人間はいるの?
核戦争が勃発してる世界とか人間がいなくてわけのわからない怪物が闊歩してる世界とか……」
……嫌すぎる。
「人間はいます。しかし、怪物も存在します。……すみません。このような危険な世界にしか送り出せなくて……。」
うぁ……テンプレすぎる……。
怪物ってあれだよな、でっかい甲殻類とか、空を飛び回りながら火を噴きつつ突進してくる龍とかだよな?
で、でも俺には戦ったことなんかないぞ?
「俺のいた世界にはそんなもんいなかったけど。どう対処すればいいの?」
「確かに。もともとの世界にはそんなものは存在せず、あなたに戦闘経験もない。
しかも今回は私の非。ですので、あなたにチート2つと種族選択の権利を贈ります。」
チートキター!!種族ってエルフとかだよな!
ってか此処までテンプレだと逆に怖いな……。
「どんなチートでもいいのか?」
これでYesになったら、マジで笑えるな。
「はい、なんでも構いません。」
いいのか。
「んじゃあ―――――」
「では、転生させていただきます。……私を恨んでも構いませんよ?」
女神はうつむきながらそう言うが、俺は恨む気など全くない、むしろ、
「むしろ感謝してる。何度も言うけどあれは事故なんだ。君を恨むなんてことはないよ。」
本音である。というかあんなチートもらっちゃ文句も言えないしね。
「分かりました。重ね重ねすみません……。それでは、今度こそ良い人生を……!」
女神がそう言ったのと同時に俺は意識を失った―――――
どうでしょうか。
誤字脱字報告感想等お待ちしております。
2014/7/7 指摘を受けたので修正
ご協力感謝します!
時間の流れが早く→時間の流れが遅く
2014/10/7
栄馬くんにルビを振りました。
脱字修正
読書ゲームと→読書とゲームと