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ウソ  作者: ミナセ。
11/15

ウソ ~かおりのマンションへ~

~かおりのマンションへ~


私は思い出しながら小林さんにそのときの話しをしていた。

だが、小林さんは納得をしていなかった。それどころはこう言って来た。


「ゆう、あなたはその前にも一度かおりには会っているはずよ」


そう小林さんに言われたけれど、私は思い出せなかった。いや、それより、どうし小林さんがそのことを知っているのか不思議だった。さっき


「かおり、そのことはあまり教えてくれないから」


と言っていたのに。

では、何を知っているのだろう?不思議そうにしている私に小林さんはこう言って来た。


「覚えていないなら仕方ないわね。

 どこかでかおりに会ったことがあるっていっていたでしょ。

 確実にゆうはかおりと会っているの。

 ま、どうでもいいことだけれどね。

 あ、ここでタクシーとめて」


小林さんはそういって、タクシーを止めた。前と同じく高見が事故にあったところでタクシーを止めた。


「小林さん、一体ここに何があるって言うの? ここから確かにかおりのいるマンションは見えるけれど、、、」


私の言葉は小林さんには届いていなかった。小林さんは何かを凝視していた。

そして、ゆっくり、道路の中心にフラフラっと歩いていった。


「小林さん、そんな道路の中央に佇んでいたらあぶないよ」


私はそういいながら気がついた。高見も何かを凝視していて、気がつかなかったんだ。

車が近づいていることを。


「小林さん何を見つけたんですか?」


私はそういいながら、小林さんが見ている方向を眺めた。そこには、非常階段があった。


「ゆう、気がついた?

 私たちは、ずっと5階から6階へ移動するときもエレベーターを使っていたの。

 でも、非常階段ならばもっと早く移動できる。 つまり、私たちの近くにライヤーがいつづけ 

ることも出来たのよ。 そして、高見が何かを見つけた。

 だから事故にあったのかもしれない。

 でも、ひょっとしたら、それすらもカモフラージュなのかもしれない。

 だって、非常階段を行ったりきたりしていたら誰かに目撃されるかも知れないしね。

 とりあえず、私たちも非常階段のところにいってみましょう」


小林さんと共に私はまず、5階へとあがっていった。


~5階~


5階。毎回なにがある。

私はおそるおそる、まず5階の扉を開けてみた。

そこにあったのは、携帯ではない。

そこにあったのは一枚の写真だった。

写っていたのは、高見とかおりだ。

二人してにこやかに笑っている。

どこか旅行に行ったときなのだろうか。

二人が写っている景色には見覚えがなかった。

二人が写っていたのは古びた館の前で二人よりそっていた。


「この写真は、、、」


小林さんが写真を覗き込んできた。


「どこか見覚えがあるんですか?」


私にはどこかわからない。

そして、もう一つ。

高見とかおり。


私にはこの二人の関係もまだわからない。


高見とかおりが兄妹。

だが、私にはこの二人の出会いからずっと気になっていたことがある。











~回想 高見との会話~

3ヶ月前。そう、かおりと付き合ってすぐくらいに飲み会があった。

ただの集まりといえば躁なのかもしれないが、なんとなく定期的に続いている。

あの頃を懐かしいといいながら、今していることの話しをする。

不思議と仕事でも絡むこともあるので情報交換の場としても人が集まってくる。

ただ、誰かの紹介でないとこの場には入れない。

私はその場にかおりを連れ行こうと決めた。私自身を知ってもらうのに、この場所が一番だからだ。ただ、単に自慢をしたかっただけなのかも知れない。

そう、誰から見てもかおりは魅力的だから。


「祐一、彼女できたって?」


高見にかおりを、彼女を連れて行くことを先に話していた。ショットバーの一角を借りての飲み会。基本的にイスはあるけれどダーツをしたり、お酒を飲んだり話しをしたりしている。

みんな集まっているけれど、自分のしたいことをしている。

そういう堅苦しくない飲み会だ。

だからみんな集まれるのだと思う。

私はかおりを紹介した。


「はじめまして、高見です」


こういう時の高見はものすごく紳士的だ。いや、営業的なのかも知れない。ただ、誰も悪い印象は持たないだろう。そういう笑顔を普通に見せた。だが、何度も見てきたシーンなのに、今回は違っていた。そう、かおりを見て高見は固まっていた。


「って、かおりじゃん」


そう、そのときなにかを感じていた。いや、感じていたけれど気にしないようにしていただけかもしれない。そう、高見が有名人だからだと思うことにしてすませていただんだ。


「聡、久しぶ、りね」


そう、たどたどしいかおりを見たのははじめてだったのかもしれない。


そう知り合いだというのに、二人は、高見とかおりは私の前では話すらしなかった。

気を使ってくれているんだ。私はそう思うことにしていた。

それが楽だったからかもしれない。

そういえば、かおりに高見とどこで知り合ったのかを一度だけ聞いたことがある。


「ちょっと前にね。 そんなに私の過去が気になる?」


なんだかこれ以上質問したら過去を気にするちっぽけな男と思われるのがいやだった。

そう、聞けなかったんだ。あんな目で見つめられたら何もいえない。


「でも、私とゆうがあったときは覚えているの? 実はあの仕事の前にも一回だけあっているのよ」


そう、かおりに言われたけれど、思い出せなかった。


「ふふふ、どうしても思い出せないならいいけれどね」


そういえば、かおりにも始めてあったときの事を言われていた。ひょっとしたら、それがかおりが高見と知り合ったキッカケだったのだろうか。

そう思っていた。

だが、それは違っていたのかもしれない。


~再び小林さん~


「昔、かおりにきいたことがある。 この建物がそうなのかな。

 かおりの父親が、かおりの母親に残したものに似ているって。

 でも、どこかは知らないの。 そこの写真かな」


小林さんの声で現実に戻された。

私も聞いたことがある。昔、かおりが住んでいた古い建物の話。

でも、かおりの母親が病気で死んだ後、売却されたと。

でも、どうしてかおりと高見が一緒に写っているんだ。わからない。

古い洋館。でも造りはしっかりしているのが解る。柱が太く、タイルがきれいに写っていた。


「写真のことは考えてもわからないわよ。 とりあえず、非常階段から6階にいってみよう」


小林さんに言われて、私は非常階段の扉を開けた。そこには何もないただの非常階段。

ただ、床にはなにかを引きずった後が残っている。

一体なにを引きずったんだろう。だが、それ以外には何も残っていない。

私は6階に上がった。確かにエレベータを待っていることを考えると階段の方がはるかに早い。

つねに1階に戻っているエレベータは呼ぶ時に何かを読み込んでいるのかすごく動くまでに時間がかかる。セキュリティーのためなのか解らないが、時間がかかっているのだ。

それから考えると非常階段は扉を開けて駆け上がるだけだ。

非常階段から扉を開ける前に外を眺める。

確かにここからだと高見が事故にあった場所が良く見える。電信柱付近だとあまり見えないのも事実だ。

高見がもしあの場所にいたのならば、道の中央に出て行かないとこの場所は見えないだろう。

私は外を覗き込んで、非常扉の横にある読み取り気に「b」と書かれている601号室の平面をかざした。

読み取り機の横にランプが赤から緑に変わった。

鍵を持っていない限り非常階段は使えない。ライヤーも鍵を持っていたのだろう。

私は、非常口から少し歩いたところにある601号室の扉を開けた


「ずいぶん長かったのね」


部屋には予想をしていない人物がいた。一瞬何が起こったのかわからなかった。そう部屋の中にいたのは、エリカだった。


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