表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

奴隷 転生したら知り合いは転移していた件のchatgpt版

作者: ケイト
掲載日:2026/02/02

――奴隷。

我が国において、一度その身分に落ちた者は、国王もしくは大臣の許可なくして復権は叶わない。

それが、この国の法であり、現実だ。

そんな奴隷市で、私は見覚えのある顔を見つけてしまった。

商人や貴族が奴隷を購入し、使役することは許されている。

だが、知人を――かつて同じ目線で言葉を交わした相手を、鎖につないで扱うとなれば話は別だ。

私の心が、先に折れる。

だから私は、ひとつの妥協を選んだ。

知己の貴族の中でも、比較的“まとも”な扱いをすると評判のヨクラン伯へと、彼女を送り込むことに成功したのだ。

女癖は悪いが、暴力や飢えとは無縁な男だ。

この国では、それだけで「善良」と呼ばれる。

数か月後、ヨクラン伯に会った際、彼女は無事――奴隷でありながら、愛妾という立場を得ていた。

本人の意思はさておき、私は胸を撫で下ろした。

紹介の礼として、複数行為への招待を受けたが、丁重に辞退した。

さすがに、それは越えられない一線だ。

無論、我が子爵家も多数の奴隷を抱えている。

大半は家政、残りは土木だ。

奴隷なくして、貴族も商人も仕事は回らない。

結果、軽犯罪で奴隷に落ちる者は後を絶たない。

貴族の前で裸を見せた農民。

水浴びだと言い張っていたが、川だろうが何だろうが、法は情を汲まない。

都市労働力の多くが、そうした軽犯罪者で賄われている現状は、果たして嘆くべきなのだろうか。

――まあ、下っ端貴族の私が考えても無意味だが。

私や彼女のように、現代日本からの転生者もこの国には少なからずいる。

彼女たちにとって、この制度は理不尽そのものだろう。

彼女の罪は「人前で靴を脱いだこと」だった。

この国では、ベッド以外で衣服を脱ぐ女は痴女と見なされる。

結果、外で下着姿になった女として扱われ、奴隷に落とされた。

公表したくない話だ。

パンイチの女を奴隷に買った、などと。

保身は大切である。

ちなみに、国王が路上で裸踊りをしても軽犯罪にはならない。

貴族以上は、軽犯罪で捕まらないのだ。

実に安心な制度である。

実際、やった馬鹿がいる。

貴族子弟の集まる学校で聞いた話だ。

当時は叱責を受けたが、今やその男――オリヒニウ公爵は政務大臣である。

お茶目で済む立場というのは、強い。

我が国では卒業後、騎士、主計部、編纂部などに配属される。

能力本位で指揮官や管理職が選ばれるため、男爵令息が公爵令息に命令を飛ばすことも珍しくない。

家格とは何なのか。

もっとも、大臣級になると家格が物を言う。

だが凡人の上に立つのは、往々にして実務派の副官だ。

そのおかげで、国は辛うじて回っていた。

――あいつが現れるまでは。

雷光とともに現れた男は、高位貴族を皆殺しにし、奴隷解放を掲げ、我が国を崩壊させた。

最期は、低位貴族出身の指揮官に討ち取られたが、遅すぎた。

その後は、地獄だった。

奴隷を虐げてきた家が襲撃され、火災が相次ぎ、暴動は連鎖した。

他国が侵攻を躊躇するほどに、国は荒れ果てた。

軍事政権が暫定的に樹立され、治安出動と国境警備でようやく沈静化したが、

首都再建、奴隷制度の見直しなど、議案は山積みだった。

我が子爵家からも、奴隷でありながら高等教育を受けた者を多数出すことになった。

彼女もヨクラン家解体により我が家の所属となり、人手不足の家政に回された。

愛妾などと言っていられる状況ではない。

軍事政権とはいえ、担い手は貴族学校出身者だ。

実力主義のおかげで副官経験者も多く、政務は概ね滞りなく進んだ。

そして、軽犯罪奴隷に対する恩赦――五年以上の刑期を持つ者の解放が告知された。

多くはそのまま主家に雇われ、帰郷を望む者は田舎へ戻った。

彼女は、残念ながら刑期が残っている。

ゆえに、今も当家の家政奴隷だ。

私の目に触れぬ場所に配属してはいるが――

恨まれているだろうな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ