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耽美奇譚

マンゾクした

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

怖くないホラーです。

多分、括りは耽美奇譚な気がします。

あーでもジャンル。


その()はいつも胸に人形を抱いていた。ビスクドールの様な精巧な人形である事もあれば、毛むくじゃらのぬいぐるみである事もあった。ただ一つ言えるのは、何時以下なる時でも、彼女は必ず人形と共に居るという事だけだった。

「人形も、ぬいぐるみも、中身が伽藍堂故に中に入りやすいの。まぁ入るのは構ってちゃんばかりだけど。大人しい人が静かな場所でいきなり声を上げて暴れないでしょう? それと同じ」

中に何も入って居ない筈なのだ。誰も、何も。人の霊魂なんて持っての他で、入っていない筈なのだ。けれども彼女の言動が、それを覆している様にしか思えない。

さっきから彼女は定期的に人形に話しかけ、人形の分の食事を用意をし、甲斐甲斐しく面倒を見る。まるで生きてる子供の面倒を見るように。彼女はぎゅっと胸元に引き寄せた。引き寄せられた人形は心做しか嬉しそうに頬を赤らめた、気がした。

「人形供養のやり方は、まぁ色々。塩かけて、お経を唱えて天国に逝かせるのがメジャーなのかなぁ。そうなると、私は邪道なのか。こうやって遊んで、寂しさを紛らわせて天国に逝かせるのは。あぁ、お茶が……」

彼女は冷めきった紅茶を自らの口に流し込むと、また新しく注ぎ直して、人形の前に置いた。

「貴方、満足した?」

「マンゾクした」

機械音が辺りに響き渡る。彼女はその言葉に満足したように頷いたのを皮切りに、段々と眠くなってきた。それを見越してか、彼女は席を立って毛布を僕に被せてくれる。あぁ……幸せだな……。


私は伽藍堂になったお人形を胸に抱いて、庭の焼却炉に向かっていた。中の魂は天国へと旅立った。だったらこの器を燃やして、土に返して上げないと。

私は魔女の釜の様に燃え上がる高炉の中に、目の前に座っていた熊のお人形をそっと手放した。

「バイバイ」

中の魂は中々に頑なで、自分が死んだ事に気が付いて居ないようだった。だから他の子と並行して、私の目の前に座らせて、ゆっくり時間をかけて成仏させた。

私が話しかけても中々返答してくれなかったけれども、最後の言葉はきちんと届いたのよ。

――マンゾクした。ってね。

耽美奇譚にしたのは奇妙な話以前に、この子自身が胡蝶と関わりありそうだったから。

でも設定まだ考え中なので、プロトタイプです。


帰り際に人形供養の話が書きたくなりました。

塩かけて、お経を唱えるのが一般的みたいでした。

故、これはホラー番組のとあるお寺から浮かんだ話です。


一緒に遊んであげる。親から捨てられたから、満足させてあげる。

これが大切って。

かなり昔に見たので、朧になってますが。


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