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恋唄

巽さんから渡されたカセットテープに『きすがんくのもし』という謎のワードが録音されてたんだけど……!?

作者: 間咲正樹
掲載日:2021/12/01

「ねえねえ下野(しもの)くん」

「ん?」


 とある放課後。

 クラスメイトの(たつみ)さんが、ニコニコしながら話し掛けてきた。


「何だい」

「はい、これ」

「……え?」


 巽さんから長方形の謎の物体を手渡された。

 何だこれ?

 どこかで見たことあるような気がするけど……。


「これはね、カセットテープだよ」

「ああ、これが」


 実物は初めて見た。

 昔はこれで音楽とかを録音してたんだよね?


「どうしたの、これ」

「家に帰ったらね、このテープを聴いてほしいの」

「え、何で?」

「まあまあ、いいからいいから」

「で、でも俺、再生機器持ってないけど……」


 そもそも今時カセットテープのラジカセなんて持ってる高校生いるのかな?


「大丈夫大丈夫、私の貸してあげるから」

「ぬおっ!?」


 そう言って巽さんが取り出したのは、ちょっとした本棚くらいはある、重量感満載のラジカセだった。


「これは……」

「これ業務用の特別なやつだから、普段は使わないようないろんな機能が付いてるよ」

「へ、へえ……」


 ただテープを再生するだけなら、普通のラジカセでいいのでは?


「じゃ、明日テープを聴いた感想聞かせてねー。バイバーイ」

「ちょっ!? 巽さん!?」


 この巨大なラジカセ、俺が家まで持って帰るの!?




「ハァ、ハァ、ふぅ~」


 全身汗だくになりながら、やっとの思いで巨大ラジカセを家まで持って帰ってきた。

 これだけ苦労したんだから、余程面白いものが録音されてなかったら怒るぞ。


「さて、と……」


 期待と不安が入り混じった、複雑な感情で再生ボタンを押す。

 すると――。


『――きすがんくのもし』

「……は?」


 巽さんの声で、謎のワードがラジカセから聴こえてきた。

 『きすがんくのもし』?

 何だそりゃ?

 何かの暗号かな?

 しかも録音されていたのは今の一言だけだったらしく、その後は延々無音が続いている。


「ううむ」


 念のためもう一度巻き戻して再生してみるも、やはり聴こえてきたのは先ほどと同じ『きすがんくのもし』という一言のみ。

 さて、これをどう捉えるべきか……。

 これがもし何かの暗号だとするなら、その答えを解く鍵は、やはりこの業務用ラジカセだろう。

 巽さんは「普段は使わないようないろんな機能が付いてる」と言ってたもんな。

 多分その辺にヒントがありそうだ。


「……あ」


 その時だった。

 とある珍しい機能に、ふと目が留まった。

 ――それは()()()機能だった。

 そうだ、ひょっとしたらこれを、逆再生したら――。

 俺は恐る恐る、逆再生ボタンを押した。

 すると――。



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― 新着の感想 ―
[良い点] ホラーっぽい終わり方でしたが、ちゃんとラブコメで面白かったです♪ カセットテープ、今の子達には再生すら難しいのだなぁと、時代を感じます。再生機器まで貸してくれる巽さん、なかなかのやり手です…
[良い点] タイトルを見た瞬間からどんなストーリーが展開されるかとニヤニヤしてしまいました。 ちょっと天然でちょっと強引な巽さん、その勢いに負けて押しつけられてしまう下野くん。ラジオで聞いているような…
[良い点] さすがのまさきさん! 1000文字以下縛りでも、きっちりニヨニヨさせてくれる♪
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