食事会?
初めてお兄ちゃんに連れて来てもらったけど、ルークって人こんな場所に居たんだ。
一応、上から光が差し込むけど、その場所以外は暗くて、寒くて、何も無い場所だった。
腐りかけた肉の臭いと、何かフルーツの甘い臭いが混ざりあって、とてつも無く気持ち悪い空間になっていた。臭いの原因はあえて見ないようにした。
『え、ここ、、、』
お兄ちゃんを見上げたけど、何か?って顔されてしまった。
食事を運ぶだけで、人間は死なないと本気で思ってるようだ。
「何のようだ、ちび」
ルークが私に向かって喋りかけてきたけど、声はかすれて見るからにやつれていた。それはそうだろう。こんな環境じゃ。
私はお兄ちゃんに頼んで、悪臭の原因を捨ててきてもらうよう頼んだ。
お兄ちゃんは私だけを残していくのを嫌がったが、このままの環境では遅かれ早かれルークは餓死か食中毒死か病死するだろう。
つまり、私の命の危機だと説明してお兄ちゃんは渋々飛び立った。
「お前は行かないのか?」
飛び立ったお兄ちゃんを見上げて聞かれた。
「どうした?俺と一緒に救世主として行く気になったのか?」
私が伝えたい事を喋りかけてきたので、すぐに「キュ」っと返事をしながら頷いた。
「本当か!今すぐ行くんだな」
今すぐは無理、親の許可がねダメだったのよ。
その問いにはノーなので首を横に振った。
「今すぐじゃないのか?どういう事だ?」
聞かれてもイエスかノー以外の返事は出来ないので、質問を変えて下さい!
無言で突っ立っているとこちらの意図に気付いたのか質問を変えてきた。
「何日後に出発だ?明日か、10日後か」
この問いには横に首を振ってノー
私は後ろを向いて翼をパタパタさせて見せた。ついでに、架空の獲物に飛びかかる動作も加えた。
「翼、、、空を飛べるようになったらって事か、襲う?」
最初は頷き、最後は首を横に振ってもう一度、飛びかかり、今度は食べるまねもしてみた。
「エサを捕まえれるようになったらって事か」
今度は伝わったようで、何度も頷いた。
ジェスチャーでしか、こちらの意思が伝えられないのは何とかならないのだろか。内心軽く溜め息をつく。
「それはいつ頃だ?」
私だってそんな事分かるわけないでしょ、って事で首を横に振った。
その時、ちょうどお兄ちゃんが戻って来たので、私はお兄ちゃんの腕にしがみつき、ルークも外へ連れて行ってくれるよう頼んだ。
お兄ちゃんはさっとルークを掴むと、ひとっ飛びで空へ舞い上がった。
空を飛ぶ事は一気に新鮮な空気が鼻を抜け、風が全身に当たってとても素敵な時間だと思う。私も早く飛べるようになりたいものだ。
ルークもこの素晴らしさを感じてるものだと思ってみたら、必死そうな顔をしてしがみついていた。
お兄ちゃんは私はしっかり手で抱きかかえてくれてるけど、どうやらルークは足で適当に捕まえてるだけだった。
落としたら私の命が危ないのだけど、お兄ちゃんは本当にわかってくれてるのだろうか。
そんな心配をしているうちに、目的地である川岸についた。
広いスペースに降り立つとルークは安堵したように地面に座り込んだので、私はルークに近づき服の裾を手で引っ張って川へ入るように促した。
ルークも私の意図が伝わったのか、気持ち良さそうに川に入り水を飲み出した。
これでルークも少しは綺麗になるだろう。正直臭いのだ。このまま、あの洞窟にいたら、旅立つ時には臭くて近づけないと思う。
その間に私はお兄ちゃんが捕まえてくれた角の生えた牛ぽい魔獣の調理に取りかかった。
私は生まれて初めてエサを食べて以来、基本的にそのままパクパクと美味しくいただいてたけど、試しに焼いてみたらさらに美味しく食べれたのだ。
基本的にドラゴンは生まれつき炎を出せるらしくて、わたしもこの前くしゃみをしたら初めて火が出たのだ。それ以来、する事もないので火を出す練習を死んだエサ相手にしていた。
火の通ったお肉が食べたくて。
そして今、いよいよ練習の成果を披露するので、ちょっと楽しみだった。
まずは牛っぽい魔獣に思いっきり噛みつきお肉の塊を取り出します。
次に、お肉の塊を手頃な岩の上に置きます。
仕上げに空気を吸い込んで火を口から出します。
ポイントは吐く空気の量を細く絞って焦げないようにする事です。
あっという間に、焼肉の完成です!
川から上がって私の料理を見ていたルークに、
「キュー」(どうぞ)と言うと恐る恐る一口食べてくれた。
驚いたように目を見開いて、残りをガツガツと食べ始めた。
そうでしょうとも、美味しいんでしょ。
こう見えても、足が動かなくなるまでは良く家族でキャンプへ行ってたもの。バーベキューでお母さんを手伝ってお肉焼いてたからね。
何回か追加分を繰り返し焼いて、余った部分はそのまま丸焼きにして私も美味しくいただいた。
こうして2、3日に一度ルークを川岸に連れて来て一緒にご飯を食べるようになった。
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