ドラゴン達の家族会議
黄色ドラゴンが見守る中、赤い子ドラゴンがトコトコと歩いてきた。
おれの近くまで来ると「キュー」と鳴いた。
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初めて会った人間ルークに襲われた(首に縄をかけられて押さえつけられた)次の日、お母さんドラゴンにゴロゴロくっつきながら、昨日の出来事をしっかり考えてみた。
少しでも離れようものなら、すぐに捕まってそばにいるように言われたのだ。私がくっつきたかったわけではない!まぁ、半分くらいはね。
ドラゴンの身だったからセーフだけど、人間の頃にされてたら、首に縄をかけられて押さえつけるなんて犯罪でしょ。
これでもまだ一応、心は女子大生なんだから本当に信じられない!
しかも、俺が死ねば私も死ぬって意味が分からん!!
情報が少な過ぎるので、お母さんにルークに会えないか聞いてみた。
それからルークにあったのは2日後だった。
またしても衝撃の連続だった。
私が死んでもドラゴンとして生まれ変わったのはルークとジークと言う兄のせいというか、おかげというか、ともかくそういう事なんだと分かったのだ。
色々あったが、とりあえず重要なのは、ルークの国を救わなければ、ルークが死ぬと私も死んでしまうという事だ。
お母さん達もめちゃくちゃ怒っている
今にも怒りでルークを殺しそう
『お兄ちゃんダメだからね』
ルークを捕まえてる兄に伝えると、
『兄に任せろ、可愛いクレア』
と優しい声で返事が返ってきた。顔は怖いままで。
『俺がひとっ飛びでこの人間の国以外の国を全て滅ぼしてきましょう。そうすればこいつの国は救われる。』
『それはやめなさい、余り人間を減らし過ぎるとこの星の生態系が崩れるわ。それに、クレアが救わなければ呪いは解けないでしょう。高度魔法は扱いが難しいものよ。第一、全て正直に話しているかもわからないわ。一度おじいさまの前に連れて行ってはどうでしょう?誰であろうともおじいさまの前では嘘はつけないわ。』
『確かにおじいさまは人間の言葉をお使いになるから、あれと意思疎通ができるだろが、危険過ぎる。あれが万が一おじいさまの前で嘘を言えばクレアも巻き添えに死んでしまうだろう。そのようなリスクは犯せぬ。』
どうもおじいさまは人間の言葉を話せるけど、おじいさまの前で嘘をついたらその場で死んでしまうらしい。
私も気をつけようと思う。
お母さんとお父さんとお兄ちゃんでルークを前にどうすれば良いか白熱した議論が交わされていた。
みんなテレパシーで意思疎通してて、口は動かしてないから、ルークから見たら佇んでいるだけだろう。
私は白熱した議論の中に割り込んだ。
『あの、お父さん、お母さん、お兄ちゃん、私この人についていてみるわ。自分の問題は自分で解決しないと。私が国の救世主にならない限り、魂の繋がりは切れないんだから。』
『そんな、危険な事まだ危ないわ、後100年は経たないと。』
『けど、100年待ってたら人間は死ぬわ、そうでしょう?』
お母さんドラゴンは押し黙り、お父さんドラゴンはじっと考えているようだった。
お父さんドラゴンがルークを連れて行くようにお兄ちゃんに命じてお兄ちゃんは飛び立った。
『ドラゴンは誇り高き種族だ。まだ小さいクレアにもその誇りがしっかり受け継がれているようだな。私達はおまえへ愛で真実がくもっていたようだ。クレアの旅立ちを認めよう』
『そんな』お母さんドラゴンは悲しみで私を痛いぐらい抱きしめた。
『ただし、もう少し大きくなってからだ。自分の翼で空を舞い狩りが出来る様になった時、旅立ちを見送ろう』
こうして、私は召喚者のルークとの旅立ちが認められた。
出発日はまだまだ未定だけど。
そんな訳で、一緒に旅立つ事を伝えるため、ルークに会いに連れて来てもらったのだ。
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