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人間臭いドラゴンー2

 私は魔法を解除してアーノルド王子の前に姿を現した。


 「すまなかった。正直に言わせて欲しい。君が人を殺すのに抵抗があるとは思わなかったんだ」


 え?なんで?普通嫌じゃないの?


 「君はドラゴンだから、我々の命の価値を重く感じているとは思いもよらなかったんだ。ドラゴンは魔獣や魔物までも、いとも簡単に殺してしまうと聞いていた。恐ろしい生き物だと思っていたんだ。シュウから君が過去の記憶を持っているとは報告を受けていたが、根本的にはどんな生き物を殺す事も躊躇しないドラゴンだと思っていたんだ。すまない」


 アーノルド王子は頭を下げて謝っている。


けど、私は言われた言葉を理解しきれず、ちょっと固まっていた。


 「魔獣とか魔物は食糧だから殺して食べるけど、そんなイメージなの?ドラゴンって?」


 「物語に出てくるドラゴンはそんなイメージだぞ、恐怖の魔王と戦ったり、尻尾を踏まれたからある魔獣を絶滅させたとか、そんな感じだぞ」


 ルークが横からいらん事を教えてくれた。


 し、知らなかった。


 もっと恐れられつつも神聖な生き物として崇められたりしてるのかと思ってた。


 ちょっとショック


 「訳もなく、誰かれ構わず襲ったりしないよ。お母さんからも、ドラゴンの誇りを持って行動する様に言われてるのに。それでなくても、生前は戦争のない国に住んでて、誰かを殺す事は法律で禁止されていたから、砦を守る兵士を殺せって言われて良い気はしないよ。私にしか出来ない事で、砦を落とせばアサイ国の為になるんだとは分かってても」


 「彼らを殺させるのは俺の指示で、君に何の責任も無いと言ってもかい?」


 アーノルド王子は優しく言ってくれた。


 それでも、ダメだ。

 アーノルド王子の命令でも、彼らを殺すのは私だ。

 

 「もし、アーノルド王子からの命令だとルークから言われたら、私は逆らえない。砦を燃やし尽くすけど、この屋敷には帰って来れなくなると思う、フレアとしては」


 

 「・・・そうか、君の思いはよくわかった」


アーノルド王子は膝をついて私と同じ目線まで顔を落とした。


「その上でもう一度お願いする。砦を落とす為に力を貸して欲しい。フレア、君の意思を尊重した上で、どうすれば今の戦力で砦を攻められるか相談させてくれ」


 アーノルド王子が差し出した手を私は握りしめて頷いた。






 

 

 

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