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夜の襲撃ー1

 夕方、暖炉の前で微睡んでいるとアンナ達が帰ってきた。

 

「初日は上出来ね」


 「そうですね。色々課題はありますが、1日4頭のペースなら10日あれば40頭分の甲羅が手に入ります。10日後には一度王都へ納品に行ってきますよ」


 「もう少し魔石を削り出す道具を揃えた方が良いかもな。休憩室の掃除がひと段落したら魔石の方へ小さい子供達には行ってもらうか」


 「魔石掘りもそうだけど、スターボーンの肉を使って燻製作りをしてみたいのだけど、どうかしら?日持ちもするし、冬に備えての保存食にね」


 「確かに先に保存食を作っておいた方がいいかもな、掃除が終わり次第そっちの作業をさせてくれ」


 私が起き上がると、アンナが心配そうに近づいてきてくれた。


 「大丈夫?今日はずっと眠そうだったようだけど」


 「うん、夜に備えて寝てただけ、そろそろ今晩あたり来ると思うから」


 私はそう言いながらも周囲の気配を探った。


 ドラゴンから人の姿になると鼻は効かなくなったけど、気配を感じる事は変わらず出来たので、近くに住んでいる森や山に住む魔獣達の気配は常に把握していた。


 ドラゴンの巣でお母さんに常に生き物の気配を感じるように教えられていたためだ。


 なぜ、そんなめんどくさい事をと思っていたけど、いつか解るわとしか教えて貰えなかった。


 けど、そのおかげであたり前のように周囲の気配を感じれる様になっていた。


 私が大量のスターボーンを屋敷へ運んでから、実は何種類かの魔獣達がこちらへ向かって移動していた。


 そろそろ今夜当たり屋敷に着くかな。


 そもそも、屋敷で獲物を食べているので、ここに私がいる事は他の魔獣達には分かるはずだが、そんな事さえ気づけない魔獣もいるとお兄ちゃんから話に聞いた事があった。


 ドラゴンはドラゴンの巣以外にもそれぞれ隠れ家のような場所を作っているそうで、その場所は親兄弟でも秘密にするらしい。


 『特別にフレアには教えてもいい』


 なんて言ってたけど、隠れ家を作る際にも、獲物をその場所で食べて、マーキングみたいにするそうだ。


 けど、気づかずに入って来る魔獣がたまに居るらしい。


 そんな馬鹿な奴は食べる価値も無い、わざわざ教えてやる価値も無い、俺は全て灰にしてこの世界に還してやった、


 とちょっとカッコつけて言ってたけど、私の場合、向かって来る魔獣達を灰にすれば、もれなく屋敷の周囲の林も灰になるだろうな。


 それに、スターボーンを大量に食べてから、実は体がだるかった。

 あんまり美味しく無いし、食あたり?!とも思ったけど、ルークやマット達にも食べているけど、元気そうだった。あんなにたくさん捕まえてきたのに美味しくないから私だけ食べないのはダメだろう。


 初めは疲れてるせいだと思ったけど、いつまで休んでも良くならなかったし、眠気が続いていた。


 眠いのは体調を回復させようとしているせいだと思うけど、これが続くのはまずい。



 「来るって何が来るんだ?」


 「話してなかった?スターボーンの血の匂いに釣られて魔獣が集まって来てるの」


 「初耳だぞ、屋敷に捕まえた獲物を持ち帰るのは魔獣達が来ないようにするためだと言って無かったか?」


 「私の力を測れない残念な魔獣達が来てるの。ごめんね、アンナ、屋敷には手出しさせないから」


 「で、どうするんだ」


 「灰にすると言いたいけど、そうしたら、屋敷の周りが何にも無くなっちゃうからね。とりあえず追い返す」


 「どれぐらいで来そうだ?」


 「速いのは日が沈めば直ぐにでも」


 「そう言う事はもっと早く教えろ!」

 ルークは速足で部屋を出て行った。

 

 「じゃあ、僕に出来る事は魔法でフレアを援護する事かな。僕も準備して来るよ」


 「シュウくんは、私の援護もそうだけど、もし林が燃えたら自らの魔法で消化をお願いしても良いかな」


 「分かった、水が近くにある方が強力な水魔法が使える。アンナさん水の準備を手伝って下さい」


 「ええ、分かったわ」


 シュウくんとアンナさんも足早に出て行った。


 私も水を一口飲んで、屋敷の外へと向かった。


 

 

 


 

 

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