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街へ

 その夜、私はアンナさんのベットで一緒に寝ることになったが、久しぶりのベットにも関わらず、なかなか眠ることが出来なかった。


 人の姿になっているせいでは無いと思う。


 ルーク達の話が頭から離れなかった。


 私が、もぞもぞと布団の中で寝返りをうっていると、アンナさんが優しく背中をポンポンしてくれた。


 私は懐かしい気持ちになって次第に落ち着いて眠る事が出来た。



 次の日の朝、アンナ、ルーク、シュウと私の4人で屋敷から1番近い街へ行くことになった。


 街へは少し距離があるので馬獣に乗って行くらしい。

 私は馬獣と言うか、馬に乗るのも初めてだった。生前、動物園でポニーに乗った事はあるみたいだけど、小さな頃で、ただ乗せられてくるっと一周しただけだった。ポニーは乗った数には数えられないだろうから、未経験だとルークに伝えた。


 「そうか、じゃあ今度乗り方を教えてやる。今はシュウに乗せてもらえ」


 シュウくんが屋敷に来たときに馬獣をお城から2頭連れて来ていた。

 1頭はルークの分だったが、こいつは弱すぎるとかなんとか言って、ルークもどこからか黒色の馬獣を1頭連れてきて今屋敷には3頭の馬獣がいた。


 「シュウ君よろしくね」


 私がシュウ君の馬獣に近づくと、急に馬獣が暴れ出してしまった。


 え?私のせいじゃないよね?今は可愛いか分からないけど、普通の女の子だよ。


 「完全に怯えてる。フレア、何かしなかった?」


 「してないよ。初めて会ったときに匂いを嗅いで挨拶しようとしただけ」


 「バカやろう、それだろ原因は」


 アンナさんの馬獣も怯えて乗れないので、唯一私に怯えないルークの馬獣に乗せてもらうことになった。


 「君は賢いね」


 私はルークに持ち上げてもらって背に乗ると立て髪をよしよしとなぜた。


 「俺の相棒を脅すんじゃない、行くぞ」


初めての乗馬は思ってたよりも大変だったけど、唯一の救いは乗っていた時間が短かった事だ。


 「はじめてなのに上手言わね。フレア」


 お尻をさすっている私をアンナさんが慰めてくれた。


 ついた街は映画で見た様な昔のヨーロッパの街並みに似ていたが、人の姿が少なくどことなく寂しい印象だった。


 「日用品を買う店を教えて置いてやる。こっちだ」


 馬獣に降りて手綱を握ったまま、ルーク達に街のお店を案内してもらった。


 アンナさんが屋台の様なお店で何かの肉の串焼きを買ってくれて、休憩を兼ねて広場の様な所で食べる事になった。

 

 「どうだ、味は」


 「うん、美味しそうな良い匂い」


 私はそんなに分かりやすく落ち込んでいたのだろうか?ルークに気を使わせてしまっていたようだ。あの、ルークに。


 私は一口かじったが、あんまり味がしなかった。


 昔のヨーロッパの雰囲気に似ているのだが、活気がなく、出会う大人の顔は皆苦しそうというか、疲れているようだったのだ。


 屋敷でしか人間にあった事がなかったけど、屋敷にいるアンナさんやシュウくん達の方がイレギュラーな存在なんだと痛感した。


 いつまでも落ち込んでちゃダメ、現状を知ることが出来たんだから、このお通夜中の国をなんとかする為に私はいるんだから!


 「もう1本買ってくる」


 私はアンナさんからもらったお小遣いを手に屋台へ向かった。


私が串を買ってルーク達のところへ戻ろうとしていると、後ろから声をかけられた。

 

 

 

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