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出発

 ルークと出会って半年が経った。


 私はすくすくと成長して、身長2mくらいには大きくなった。


 翼も大きくなって、遂に空を自由に飛べるようにもなった。


 半年前までは車椅子無しでは自由に歩きまわることすら出来なかったのに、今では鳥のように空を飛びまわる事が出来るようになったのだ。


 初めて空を飛んだ瞬間の事は一生忘れられそうにない。飛ぶまでは、ちょっぴり恐怖もあったけどね。


 空を飛べるようになって、狩りも一気に上達した。そりゃあ、空から狙えるからね。あまり大きい魔獣は無理だけど、1mくらいの魔獣なら私1人でも捕まえられる様になったのだ。


 そして、遂に、私が一応一人前になったということで、ルークの国へ行く事が許された。



 その日はお兄ちゃんが朝から川岸にルークを連れて行って、水浴びと食事をした後、岩山の上に連れて行った。


 岩山の途中に巨大な洞窟の入り口がある。

 その洞窟を奥へ進むとドラゴンの巣にたどり着く事が出来る。

 そこへルークを連れて行くのは初めてだっだ。


 洞窟の前にはお母さんとお父さんが待っていてくれた。


 私はお母さんと顔とくっつけて別れを済ませると、お兄ちゃんの背に乗る様にルークを突っついた。

 ルークの国の大体の場所は分かるそうで、お兄ちゃんが送ってくれる手筈になっているのだ。


 ルークもいつもと違う様子に何か察したようだった。お兄ちゃんはルークを初対面から嫌っているので、いつも移動は足で適当に掴むのだが、今回は位置を教えてもらう必要があるため、背に乗ってもらうのだ。ルークには見えてないが、めちゃくちゃ嫌そうな顔してる。


「なんだ?乗っていいのか?」


 私は頷き、ルークの背を押してお兄ちゃんに登るのを手伝ってあげた。


 ルークが恐々と背に乗ってお兄ちゃんの体に落ちない様にしがみつくと、お兄ちゃんはあっという間に空へ舞い上がった。


 私もパサパサとお兄ちゃんと同じ高さまで舞い上がった。


 『行ってきます!』



 『ドラゴンの心のままお前が思う事を成しなさい。我ら家族はいつでもお前の味方だ。』


 『どうか気を付けてね、困った事があったらいつでも力になるわ』


 私達はお父さんとお母さんの言葉を背に出発した。


 私達の姿が見えなくなるまで、岩山からドラゴン達の咆哮が鳴り続けた。




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