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女子大生、ドラゴンに転生する

 どうして、こんな事になったのか


 落ち着いて一度振り返ってみよう


 普通の女の子だった私が少し特別になったのは中学2年のとき、交通事故で車椅子生活になってしまった。


 女の子から車椅子の女の子に変わった。


 それでも、私は毎日前向きに生活してた。


 もちろん、たまには足が動いたら、とか可愛いワンピースを着て素敵な彼とデートしてみたいとかも想像したりもしたけども、だいたい前を向いて頑張ってたはず!


 今朝は久しぶりに走ってる夢を見たから、何故か出来る気がしたの。


 横断歩道で転けた子供を助けられる気が


 無理だったけどね、子供はちゃんと助ったはず。


 そして気がつけば、こんな事に。


 目は見えないし、動けもしない。

 さっきから、暗いところに閉じ込められているのだ。


 動けないからどうする事も出来なくて自分の過去を振り返ってみたけど、それも飽きてきた。どうしようかと考えているとどこからか声が聞こえてきた。


『出ておいで』


 その声が聴こえると手が動く様な気がしてきたので、手を前に突き出してみた。


 パリッ


 音と共に眩しい光が差し込んできたので、光の方へさらに手を伸ばした。


 パリパリパリッ


 耳をつんざく様な大きな音と共に頭上が急に明るくなった。


 目が眩しくて何も見えなかったけど、少し待つと見える様になった。


 まず、見たのは手なんだけど、どうみても硬い岩のようなトカゲの手にしか見えない。


 混乱する私を置いてけぼりに、目の前をなにかが動いたのだ。


 よく見ると、巨大な目が私を覗き込んでいたのだ。


 さらによく見ると、大きなドラゴンがこちらを見ていた。


 ギャアーーー!


「ギューーー!」


 悲鳴の変わりに口から出たのは聴き慣れない鳴き声


 そっと私の手を見ると、硬い皮膚で覆われたトカゲの様な手が視界に入った。


「ギューーー!」


 2回目の悲鳴と共に私は気づいてしまった。


 こちらを見つめるドラゴンは母親で、私は卵から孵った事を。


 私は普通の女の子から車椅子の女の子に、そしてドラゴンになってしまったのだった。

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