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無気力系悪役令嬢入りまぁす  作者: ここなっつ
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前世の終わり

「お疲れ様でした。」


仕事終わりの"0:00"


ちなみに今日は三十路への記念すべき日とクリスマスを迎え

た。ついさっきになった昨日もクリスマスイブだ。

1年の中の2大イベント。そんな日まで仕事を入れる私はなか

なか自分に優しくないと思う。けどそれでいい。

生きることに実感。感謝できない私には誕生日を喜ぶなんて

ことも一生出来そうにないから……とはいいつつもお腹がす

いた。ぐぅと鳴る有能なお腹の虫に賞賛を送る。

「私が良くても君が食べたいのか。」

雪が降り注ぐ空を見つめながらはぁと白い息を吐いた。

「しゃーない。ケーキでも買って帰るか!」

一人暮らし独身三十路女子?お腹の虫にお祝いします。

会社が立ち並ぶ道を出て、大通りに出る。

こんな時間だ、歩いてるのはせいぜい酔っ払いと、地雷系ヤ

ンキー。コンビニの前に座り込んでるヤンキーに必要以上に

見ずに関わらずにそっと中に入る。

今日は奮発してショコラ味のミルクレープにしようか。

給料日もこの間来たばかりのほくほくなお財布に働いてもら

う。ミルクレープとお団子、牛カルビ弁当とお酒を買ってコ

ンビニを出た。

大量のおめでとうメールがきているスマホを見ながら横断歩

道を渡った時、周りからの悲鳴が聞こえてぱっと横を見た。

赤信号のはずなのにトラックが迫ってきてる。

「近っ……」

ドンっと鈍い音を立てて自分が飛ばされたのが分かった。

体から血が流れる感じ、なんかすごく気持ち悪い。

体のあちこちが痛いしミルクレープも潰れちゃった。

(あーあ。せっかく買ったのになぁ。)

まあいっか。あぁでも意外と人生っていきなり終わりを告げ

られるんだなぁ。

はい、貴女の人生はここまで。これ以上は生きられません。

そんな線を引かれている。

決めるのはきっと神様ってやつなんだろうけど正直勝手だと

思う。大して楽しくもない人生、生きることへの執着もない

私に無意味に与えたもの。

家族には感謝してる。可愛げもない子を育ててくれたことに

も愛をくれたことにも。私はきっと親不孝な子なんだろう

孫の顔も見せずフラフラして、ただただ用意された人生を生

きて。

そんな私が生きる価値ないって思ったんだろうな…きっと

……なんか眠たくなってきたなぁ。もう疲れたしいっか。

バイバイ。私の人生。真っ白で先が見えなかった私の人生…

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