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白と黒の山(1)


「ん…。」


 視界が暗くなって思わず瞑った目を開けると、周りは岩だらけでその色が特徴的な場所だった。


「ククリナ様、大丈夫ですか?」


 幼い時からいつも側に居てくれた、ダリアの声に安心する私。なぜかしら。


「ええ。大丈夫ですわ。ダリア、貴方こそ大丈夫なの?」


「はい。大丈夫です。しかし、ここは…。」


 ダリアも最大限警戒して辺りを窺う。

私も同じように周りの様子を確認する。そこは、岩だらけという所は他の山とはそんなに変わらないが、その岩の色が異様だった。

 さっきまで居た地属性の塊のようなものではなく、白と黒のマダラ模様でその地の属性が何なのか見当もつかない。

 木々は少なく、動物の様な生き物の気配もない。空はさっきと変わらず、遠くを見ても先ほどまで居た山が何処なのかも分からない。山頂までも遠い様で、此処が何処でどうして此処に飛ばされたのか、飛ばした者は誰なのか。それもどうやって。他の皆んなは大丈夫なのだろうか。

 私が側にいれば皆んなのを危ない目に合わせることは無いと常に安心していたけど、こうやって離れてみると心配で仕方がない。ましてや此処は数多のドラゴンの領域。地龍は大したことはなかったけど、それよりも強大なドラゴンはきっと居るはず。この山脈に来た時にも大きな力を感じた。

 それは確かだ。

 こうしている間にも危険な目にあってるのでは?と気が気ではない。レイナが居るからと考えれば少しは不安が和らぐが、まだ経験も浅く。あの精霊もどこまで対応できるか分からない。

 そう考え始めると不安に押しつぶされそうになる。


 まさか、こんな事になるなんて。


「ククリナ様。いかがいたしましょう。」


「そうね…此処が何処で、皆が何処なのか分からないとどうしようもないわね。」


「そうですね。もう少しで日も落ちそうですし、とりあえず夜営の準備を致しましょうか。」


「そうね。それでよく考えましょう。」


 不安。焦り。はあるものの、ここでジタバタしても状況は好転しない。私達は一旦落ち着いて、よく考える事にした。


 野営の準備も整った頃、丁度日が落ちた。

辺りが暗くなると余計に不安になる。皆はちゃんと野営出来ているだろうか。私達だけが飛ばされたという事も無いだろうし、皆が皆バラバラで戦闘の苦手なリリーネや、まだ幼いルーちゃんがもし一人だったらどうしよう。


 もし、レイナが一人だったらどうしよう。


 暗いこの闇夜のせいもあって、私の心は不安と焦燥に包まれていく。


 私の大切な大切な妹…レイナ。


「ククリナ様、焼けましたよ。皆はきっと大丈夫です。まずは腹ごしらえをしましょう。」


「ありがとうダリア。そうよね。大丈夫ですよね。」


「はい。皆がそれぞれ強くなってます。例え倒せない敵が現れたとしても、少なくとも逃げる事は出来るはずです。」


「そうよね。。」


 ククリナ様のこんなお顔は初めて見るわ。いつも優雅に微笑み、何があっても動じない。瞳の奥にはいつも皆を守る。という強い意志があってどんな事があっても跳ね返す。そういった力強さがあった。けれど…。側にいる事ができないこのような状況は想定していなかったようで動揺が激しいわ。

私に何か出来ないだろうか。


 ダリアのそういった思案を他所にククリナは不安という名の恐怖に呑み込まれていく。


 もし、もし、皆に何かあったらどうしよう。元はと言えば私の能力の事でここまで来た。このクエストはエルフからの依頼ではあるけど、全ての始まりは私から…。


 普段なら皆で囲む食事の場も静まり返った山の中で二人だけ。あんなに美味しかった料理の味もこうなってはただ固形物を飲み込んでいるだけの作業になってしまっていた。

 

 そして、暫く沈黙が続いて少しは経った頃。ククリナはふと山の頂上を見上げた。


 すると、山の山頂付近に白く点滅する光を見つけた。


「ダリア、あれを見て。」


 ククリナの指す方を見るダリア。


「なんでしょう?あんな所に人が居るとは思えませんし、ましてや火の光とは違いますわね。」


「そうね。赤い光ではなく白…」


「もしかしたら誰かの魔法でしょうか?」


「ああ。それはあるかもしれませんわね。」


「ククリナ。とにかく今の状況では打つ手が思い浮かびません。なら、明日明るくなったらあそこへ行ってみるのはいかがですか?」


「そうね。ここで考えてばかりでもしかたありませんわね。ダリアの言う通り、行ってみましょう。」


「ククリナ様。そうと決まれば早目にお休みになってくださいませ。とてもお疲れのようですから。」


「ありがとうダリア。そうさせてもらうわ。」


 そうして、思い悩んでいたククリナ達は何かの手掛かりになればと前向きに捉え、眠りにつく。


そして、よく朝。


「おはようダリア。荷物を片付けたらすぐに出発しましょう。」


「うふふ。ククリナ様はせっかちですわね。まぁ。でもそうですね。すぐに動きましょう。」


 そうして、二人は山頂へ向かう。



すみません。遅くなりました。

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