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カントナート山脈ですわ。

遅くなりましてすみません。


 翌朝、朝食を終えた私達はカントナート山脈へ向かうため、最終準備を始めた。

 今回の冒険が私達『虹色の集い』にとって初めての本格的なクエストになるわね。冒険者ギルドでチーム登録したものの、すぐに王国を出てしまいまた、他の国でもギルドには寄っていないため、まともにクエストを受注していない。アレスでも大したクエストをやってきていないため、もはや冒険者なのかどうかさえ怪しいわね。でも、冒険者になるのは自由に生きたかったからなったのであって、今の状況は悪くない。城を飛び出してここでエルフに会い、今度はドラゴンの討伐なのだから十分自由に出来ていると思うわ。まぁ気ままとまではいかないけど…。


「さーて荷物はこんな感じでいいかな。じゃあ、後はククリナよろしくね。」


「ええ。わかりましたわ。ミリア。」


 今度のクエストはドラゴン討伐。一日二日で終わるものではない為荷物もそれなりに多くなる。山岳地帯だから馬車も使えない。その為、荷物運びは空間収納のある私の役目ね。


「お姉様、私も空間収納使えますから必要ならいつでも言ってくださいね。」


「ウフフ。ありがとうレイナ。」


「ねぇねえお姉ちゃん。わたしも何か手伝えることあったら言ってね。」


 レイナに対抗するかのようにルーちゃんも何かしたくて仕方のない様子。

 トロアやダリア、リリーネも同じように何か役に立てる事は無いかと模索している模様。

 ウフフ皆さん困ったものね。でも、その気持ちは嬉しい。


 トロアと二人きりの冒険の旅のはずがいつのまにかこんなに沢山の仲間に囲まれて、私はなんて幸せなのでしょう。

 これから向かう先はドラゴンが縄張りとするカントナート山脈。どんな危険があるか分からないけど、全力で皆を守らなくてはね。


「さて皆さま。準備は宜しいですか?大丈夫なら転移陣の間までご案内します。」


 ジアードの案内で転移陣のある部屋まで向かう私達。さっきまでの緩い雰囲気から一転。皆の顔に緊張の色が窺えるようになった。


「さぁ、着きました。こちらの部屋にお入り下さい。」


 そう即され中に入る。その部屋は特に変わった様子のないただの部屋。家具や窓などは無く、ただ真四角の白い壁で覆われた空間。


「なーにもないお部屋だね。でもひろーい。」


そう言って駆け回るルルル。


「あらあら、ルーちゃん。はしたないですわよ。」


「あっ。ごめんなさい。お姉ちゃん。」


「まったく、ルーちゃんは子供なんだからぁ。」


「なによ!レイナ。貴方だって子供じゃない!一人だけ大人ぶらないで。」


 

「もー。二人ともやめなよ。」


二人の間にやって入るミリア。お互い対抗心剥き出しのルルルとレイナ。

 まったく。先が思いやられるわね。どうして仲良く出来ないのかしら。


「ククリナ。ちゃんとしつけておいてね。」


「えっ?私ですか?」


「はっ?そりゃそうでしょ。二人の姉なんだから。」


「えーと。まぁ。うん。分かりましたわ。お二人とも仲良くね。」


「うふふ。ククリナ様。私もお手伝いしますから後でお話ししましょう。」


 何故か嬉しそうなダリア。なんで?


「こほん。皆様宜しいですか?」


「あっああ。ごめん。いいよ。いつでも。」


「では、皆さんこの部屋の中央にお集まり下さい。集まり次第転移陣を発動させます。向こうに着くと、ここと同じような部屋に転移します。そして、依頼が終わりましたらまたその部屋に戻って下さい。その部屋には入り口近くに魔石が壁に嵌め込まれてます。その魔石に魔力を通して頂ければこちらに到着したことが分かるようになってます。そうすればまた、こちらに転移させるように転移陣を発動させますので、その時もまた中央にお集まり下さい。宜しいですか?」


「うん。いいよ。ねっ皆んな?」


 ミリアの呼びかけに皆が一応に頷く。


「では参ります。」


 そう言ってジアードが床に手をつき魔力を込めると、何もなかった床が光り出した。その光ったものは複雑に描かれた魔法陣。その魔法陣が下から上へ移動してくる。そして、その魔法が皆の頭まで到達するすると更にもう一度強く光った。

 「うわわ。なにこれ。」「おお。これは凄い。」

初めての経験にトロアやリリーネが興奮気味に声を上げる。そうして、その光の後皆が転移した。




 すこしの浮遊感があった後恐る恐る目を開けると、ジアードが言っていたようにそこは白の壁で覆われた部屋だった。まるで移動していないように見えるが、目の前にいたはずのジアードの姿は無かった。恐らく無事到着したのだろう。


「なんか凄かったね。お姉ちゃん。」


「そっかルーちゃんは初めてなんだ転移。私は自分で使えるからもう慣れっこよ。」


「あっそ。よかったね。ふん!」


「もう。二人ともいい加減になさい。仲良く出来ないなら私は姉を辞めますわよ。」


「「えっ!!」」


「ごめんなさい。お姉ちゃん。」

「ごめんなさい。お姉様。」


 これで、しばらくは大人しくなるわね。まったく二人とも。


「では、ククリナ様とりあえず外に出てみましょう。」


 トロアの提案で外に出てみると、何処かの森の中だった。振り返り建物を見てみると植物の蔦で覆われた木でできた小屋だった。帰り迷わないようにレイナにマーキングしてもらった。

 そして、あたりを散策してみると一本の獣道を見つけた。その獣道に出てみると遠くから大きな魔力を感じる事が出来た。恐らくドラゴンのものと思われた。


「あちらの方に大きな魔力を複数感じられますわね。」


「という事は、あちらがカントナート山脈ですね。ククリナ様。」


「じゃあ、いよいよだね。最後に確認しよう…」


 そうして、今後の方針をまとめた。


 今回の目的はジアードの依頼のダークドラゴンの討伐で、ドラゴン勢力が纏まらないようにする事だ。しかし、ここカントナート山脈は人族の領地と魔族の領地を分断するようにありとても険しく果てしなく長い。山々の高さも簡単には到達できるような高さではない。そのため、ダークドラゴンの討伐と言ってもまずはその個体を探すところから始まる。しかし、あてもなく数々のドラゴンの中からそれだけを見つける事はとても難しい。その為、とりあえず山脈に入り人の言葉が分かるドラゴンを探すことにした。そもそもドラゴンにその様な個体が居るとは思えなかったが、リリーネの助言もたりそのようになった。リリーネ曰く「ドラゴンと話した事がある。」との事だった。

 

 大人しそうなのに実はリリーネ凄い娘なのかもしれないわね。


 とりあえずの方針が定まった為、その獣道を進むことにした。


 エルフの小屋は元々山脈の近くに建てられたようで、一つ目の山には直ぐに着いた。何処にでもあるような緑豊かな山で山の入り口らしきところだけ、木がなく道が続いていた。

何故そこからが山だと認識できたのかはその入り口らしき所に答えがあった。立札がたっていたからだ。そこのにはこれよりカントナート山脈と。この緑多き山は人も普段から出入りしているようで、道も先ほどまでの獣道とは違い若干整備された様な形跡があった。アレスからは大分距離があるので恐らくエルフ達がよく出入りしているのだろうと推測できた。

 

「とっても豊かな山だね。」


「うん。私の住んでいた森みたい。」


 ミリアとルーちゃんが気持ちよさそうに深呼吸しながら話す。


 でも私にはその緑の豊かさよりも、魔力の豊かさに緊張する。隣を見るとレイナも同じような感想を持っているようだ。それと、レイナの肩に乗る火の精霊ピーキーも同じく。


「確かに緑は豊かですが、大きな魔力を感じます。皆様油断なさらないようにね。トロア、ダリア、しっかり警戒して頂戴。それとレイナ。魔力探知できるようなら貴方もお願いね。」


「わかったわ。お姉様。任せてください。」


「ウフフ。ありがとうレイナ。では、参りましょう。」


 そうして私たちは初めての大きなクエストだと。皆が張り切り、でもドラゴンの住処へ入るという緊張感の元、カントナート山脈に入る。




次は早めに載せます。頑張ります!!

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