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レイナが来てしまいましたの。

 


 それぞれが不思議ダンジョンを終えて元の転移陣のある部屋に戻ってきた。

さっきまでの出来事が夢のような感じで現実味が無いようにも思えた。そんな不思議な気分に浸る虹色の集いの面々。

 そんな気分の中でも、ダンジョンに行く前と表情が変わっていた。


「なーんか変な感じだったね。」


最初に声を上げたのはミリアだった。その言葉に続いて皆が一応に頷く。その中で一人異変に気づく。


「ウフフ。でも……って。えっ!!レ、レイナ??」


「はい!クラリーナお姉様!!」


「あ、あな、あなた。な、なぜここに?それにどうして…」


 思考が全く追いつかない私。


「ウフフ。お姉様。私、トロアに付いてきてしまいました。」


「えっ!どういう事ですかトロア。」


 どうやらトロアが何か知っているようね。


「いや、あの………。」


 そうしてトロアから不思議ダンジョンでのお話を聞いた。アレス城へ転移して、見たことのない隠し部屋があるようだという事。その時にトロアが転移する時にレイナがトロアに触れ、一緒に転移してきてしまったとの事だった。


「へぇー。この子ククリナの妹のなんだ。」


 ミリアがレイナの周りをくるくる回りながら色々確かめている。リリーナも物珍しそうにしてる。「って事は、この子もお姫様なんだ。」と一人ブツブツなんか喋ってる。


「ウフフ。お姉様、私もお姉様と同じようにお城での生活が退屈なのです。だから、私も仲間に入れてほしいーの。」


「うーーーん。」


 悩む。非常に悩む。正直なところ、私はレイナが来てくれた事は凄く嬉しい。心配だったし、今日別の事実を知ったから余計に嬉しい。でも、レイナは恐らく転生した事を自覚してるでしょうけど、私が真奈であることは知らないはず。それに、トロアに転移の瞬間まで気付かせなかった事が引っかかる。


 私が悩んでる横で、既に皆と打ち解けているレイナ。ダリアはまぁ、知ってる仲だけど、ミリアやリリーナとは握手までして「これからよろしく」とか言っちゃってるし。ルーちゃんとは「私のお姉様です。」「いいや、わたしのお姉ちゃんなの!」とか訳の分からない言い合いをしてるし…


「ふぅ。全く仕方ありませんわね。でも、レイナこの後二人で、話がしたいです。これからの事はその後にしましょう。」


と、一旦解散し、夕飯の時に改めて紹介する事にした。


 

 さて、どうしたものか。正直な所はこのまま一緒に旅をしたい。本当は私が出る時に連れて来たかったから余計に…

でも、この先危険が無いとは言えないのよね。クロードをどうにかしたいと思ってるし。なんか、この後目指す予定のエルフもなんか胡散臭のよね。かといって城に送って行くと言っても転移陣みたいな便利なものは無いし。まぁ、最悪フライでひとっ飛びという方法もなくは無いがそれもここエアレルン大陸から出ないといけないし。うーん。


 部屋で私が「うーーん。」と唸っている隣でレイナは私をニコニコしながら見つめてる。そんな可愛い妹、レイナ(ユイ)を見てるとなんか、色々どーでも良くなってしまった。


 最悪は私が本気出して守ればいいよね!


 私のそんな決意を察したのかレイナが話しかけてきた。


「ところでお姉様。ここの国はどこなの?」


「ああ。ここはエアレルン大陸ですわよ。エルフに会うためにここまで来たのです。」


「あら、そうなの!エルフですかーー。ウフフ。それはとっても楽しみです!!」


 何故そんなにエルフに反応するの?


「レイナはエルフが好きなの?」


「いえ、そうではないです。ただ、本当に城を出たんだなぁと実感したの。」


「ウフフ。でも、レイナ。城は大丈夫なのですか?」


「はい!お姉様。元々お父様やお母様、お兄様達は私にそんなに関心ありませんでしたもの。何日かは居なくなった事に気付かないかもしれないです。」



「はぁー。それを否定できない事が悲しいですわ。」


「いいえ。お姉様。私最近思うのです。お父様達は敢えて私やお姉様を王政に近づけないようにしていた気がするのです。まるで、守るかのように。」


「えっ!そうなのですか?どうしてそう思うのですか?」


「えーっと。少し前の夜にお父様とお母様がクラリーナとレイナだけでもなんとかしたい。ってお話ししていたのです。話の前後は聞かなかったので詳しい事は分からないのですが、その時の二人の表情は本当に娘の事を思う親の顔でした。少なくとも、今まで見た事のない表情でした。」


「そうなのですか。」


 きっと今までとは、前世の事も含めてなんだろうな。ユイは特に両親の顔色を気にしていたし、そういう事には敏感なんだろうな。と少しだけ暗い影があるレイラの表情に私の心がギューっと締め付けられる。そんな私はいつの間にかレイナを抱きしめていた。まだ10歳のレイナはちょうど私の胸の中におさまった。最初は驚いたしたものの、すぐにレイナも私を抱きしめてくれた。


「お姉様?急にどうしたの?」


「何となくよ。貴方が大好きだから、抱きしめてしまいたくなってしまいましたの。」


「ウフフ。お姉様。私もです。もう置いていかないで下さい。」


「ウフフ。仕方ありませんわね。貴方は私が守りますから、側を離れてはなりませんよ。それに、もうお城のような生活はできませんけど、よろしくって?」


「はい。お姉様。それは大丈夫です。お姉様と一緒なら何でもいいのです。それに私も特技があるのですよ。」


 えっ!レイナが特技?

 驚いてレイナの顔を見るとニコニコ微笑みながらもえっへん!と聞こえてきそうな表情をしてた。


「ウフフ。お姉様。私は転移の魔法とマーキングの魔法など補助的な物が大半ですが、少し使えるのです。この度もそれらを使ってトロアについて来たのです。


「あらあら。そうでしたの。でも、誰に教わったのですか?」


「それはお姉様ですよ。お姉様の真似をして、走ったり図書室で魔法の書物を読んだりして自分で学んだのです。お姉様程では無いけど、体力も結構付いたのですよ。それに、腕力ならトロアにも負けないかもしれません。」


「えっっ!」


 なんと、レイナは私を真似て密かに特訓したいようだ。しかも、スキルもいくつかあるらしい。全部は内緒にされてしまったけど、巨神の力なるものも得たようで腕力はかなりのものらしい。私の妹ながら末恐ろしいわ。


「では、レイナ。これからよろしくね。私達のチームは虹色の集いというのよ。」


「まぁ素敵なお名前ですね。ありがとうございますお姉様。」


 とりあえずレイナがメンバーに仲間入りしましたわね。レイナと話していても、転生しているような素振りは無いし、もしかしたら気付いて無いのかも知れないし、記憶なども持って来てるのかも分からない。ただ魂だけ持って生まれ変わって来ただけかもしれないから下手に話さない方がいいわね。

 

 ああ。でもこれからが楽しみだわ。ただでさえ自由の身になれたばかりか、大好きな妹と一緒だなんて最高すぎますわ。私はなんて幸せなんでしょう。ウフフ。


「じゃあ、レイナ。皆に改めて紹介するから夕飯に参りましょう。」


「はい!お姉様。」





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