スピード強化に奮闘ですわ!(2)
ウェイトを付けて鍛錬に戻ったトロアとミリア。
私の言葉を理解してくれたのか、二人の顔つきが変わった気がする。ミリアはウェイトを足だけに付けた状態で川に入ってる。片やトロアは陸でウェイトを手足に付けてる。
ミリアは足の瞬発力強化を優先して鍛える事にし、トロアはまずはウェイトに慣れる事を優先したようね。
それぞれ個性があるわね。ウフフ。
奮闘するふたり。ミリアは川に入ったものの、全然前に進めてない。
トロアもまだ慣れておらず、動きがカクカクしてる。でも、亀からは脱出したようだ。
私の視線に気づいたのか、さらに目つきが真剣になった。
あまり見てても気が散ると思うので、私は別のメンバーのとこへ向かう。
「では皆さん、トロアとミリアも頑張ってるので私たちもできることをやりましょう。」
「うん!わたしもやる!」
一番に食いついてきたのはルーちゃんね。
ダリアとリリーネも年下には負けるものかと後に続く。
そして、まずは説明する為三人には座ってもらった。
「では、何をするのか説明しますわね。とりあえず今私が魔法で動き辛い空間を作ります。貴方達はまずその中でいつも通りに動けるようになって下さいませ。」
「「「はーい」」」
「では、参りますね。 グラビティフィールド!」
私が詠唱して辺りに1.2倍の重力磁場が半径3メートルの大きさで広げた。
それと同時に、負荷がかかったようで三人の顔色が変わった。
「出来ましたわ。では、ここで体操してみてください。」
「うーーーーんしょ。」とルーちゃんが1番に立ち上がった。
「お姉ちゃん、なんか凄く体が重たい。」
「ウフフ。そうよ、今私がこの辺りに体が重くなる魔法をかけ空間を創りました。ここの中で動くのよ。それで出来る様になったら、さらに負荷を強くしていきますわ。」
ぎこちないものの、一生懸命体を動かすルルル。
「本当に体が重いですわ。ククリナ様一体どこでこんな魔法を覚えたのですか?」
ダリアもぎこちないながらも、体を動かし始めた。そして、この重力魔法に驚いているようだわ。
「ウフフ。さっきのウェイトを作っている時に思いつきました。だから、この魔法はわたしが創ったものなので他に使える人はまだ居ないでしょう。」
「えっ。ククリナってなんか凄すぎるよね。わたしなんて、治癒魔法覚えるのすごく大変だったんだよ。それに、カイさんとのスピード勝負ククリナなら楽勝なんじゃないの?」
「ええそうね。負ける気がしないわね。でも、私がやってしまったら意味ないでしょ?」
「うーん。そっかぁ。」
そう、私が出て行ったら意味がないわね。そうやって一つ一つの村に行く度に鍛えて行けば、エルフの郷に着く頃には皆凄く成長しているでしょうね。
生憎時間は沢山あるし、楽しみだわ。
リリーネもなんとか立ち上がり動き始めている。もう少しなれたらちょっと強くしてみましょう。
三人が慣れてきたので少し増やしてみた。そして、1.5倍くらいの所でリリーネが立ち上がらなくなった。彼女にとってはここが一つめの壁のようね。
そこからは、ひたすら動いて慣れるを繰り返す。
ルーちゃんは順応が速く、すでにいつものように走り回っている。
ダリアは若干鈍いながらも体術の型をやっている。
そうやって、三人が鍛錬している所に犬獣人のカイが様子を見にきた。
「おっ。やってるねぇ。どう俺より早くなれそう?」
嫌な笑顔だ。やはり獣人は人を見下しているのかしら。
嫌な感じなので、私が相手することにした。
「ええやってますわ。それが何か?必ず次は貴方には負けませんので、大人しく待っていなさい。」
「はぁ!何言ってんの?無理でしょ。所詮人は人、俺らの能力の前にはどんなに努力しても無駄無駄。お前可愛いから、俺の嫁になるって言うのなら許してやるよ。言っておくけど次あんたらがまけたらその時は皆殺しだから。」
ほーーーん。これが本音ね。獣人達の通りで客扱いはしない。皆んな無関心なのはそもそも自分達以下だと見下してるからなのね。やはり、巷の噂は核心を突いていたということかしらね。。
「おい!聞いてんのか!ゴミ屑!それとそこの腐れ騎士、お前の主人にもちゃんと言えよ。俺にも、そこの女にも無理ですって!」
「あーーー?なんだ犬っころ。もう一回言ってみろ!」
そのトロアの挑発にカイが乗った。トロア目掛けて突進する。剣を構えて。
でも。私にとっては幼稚園児の駆けっこと同じよ。
一瞬にして私はカイの前に立ち塞がり、剣を取り上げカイの首に突きつける。
カイはゴクリと唾を飲み込んだ?
「な、なんで。お前がここに。。ま、まさか俺より…」
「五月蝿いですわよ。当たり前ではありませんか。私が初めから相手してたら勝負になりませんわよ。皆が鍛えられないので鍛えるために私は前に出ず我慢してるのです。それとも私がこの島を蹂躙しましょうか?明日までには多分全て片づけられますわよ。それがお望みかしら?」
「……」
獣の反応なのだろうか、私の力を目の当たりにした事でおとなしくなった。
「いや。大人しく試練を受けに来るのをお待ちしてます。」
やな奴だけど、戦士の矜持は持っているようだ。
服従するかのように跪いて村へ戻って行った。
「まったく。トロアもあんな低次元な者の挑発に引っかかるのではありません。」
「はい。すみません。」
「まぁ、お気持ちは分かります。あんな輩はトロアの相手ではありません。ちゃんと鍛錬すれば必ず勝てます。貴方は私の騎士なのですから。」
「はい!!!!必ず!クラリーナ様見ていてください!」
幸か不幸かこの出来事の後のトロアの集中力は凄まじかった。
ミリアも負けじと壮絶な訓練をこなす。
二人とも今日の訓練だけで肉体強化系のスキルを得たようだ。後半は私のウェイトも意味をなしてなかった。
その為、仕上げとして私の重力場の100倍をクリアしてしまいました。
オホホホ。流石に予想外ですわ。
次の日は体を休めることに費やした。
ダリアのスタミナ料理のお陰もあって、ミリアとトロアは万全の状態になりましたわ。
さーて、明日は勝負の日ですわよ。
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