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最初の村ですわ。

 

 翌朝、皆んなで朝食を終え出発の準備を整える

今日は、エルフの里へ向けて動き出す日だ。


 港の反対側に行くと、この島の内側に向けて出られる。 

出てみると、一本道が真っ直ぐ通っている。両脇は森。モンスターなどもいそうな気配はあるけど、特に行く意味もないので今日はいいでしょう。馬車があれば楽なのだけれど、この島には無いようだし、そもそも道幅が狭く馬車も通れそうにない。まぁ、気ままにのんびり参りましょう。


 先頭は前衛のミリアとトロア。真ん中に私と、ルーちゃん。後ろにリリーネとダリアといった具合ですわ。


 皆んなの表情を見てみると、トロアがやけに生き生きしている。そんなトロアに話しかけてみた。

「トロアはいつにもまして今日は元気ですね。」


「はい!ククリナ様、今日こそは騎士としての役割を果たせそうなので、とても楽しみなのです。戦闘はこの私にお任せください。」


 とても自信満々のようですね。ミリアによると今日は私は最後の手段という立ち位置で基本皆んなにお願いする事になっているの。訓練の一環らしいの。交渉事も、ミリアとダリアで担当し、私は遠くで見守るだけ。まるで授業参観みたいですわね。


 そうやって、今日の注意事項などを話し合っていると一つ目の村に到着した。入り口には特に見張りとかはないようです。ただ、中に入ってみると見張り台は確かにあったので周囲の警戒は常にしているもよう。

 他は特に代わり映えなく、木で作られた家々が立ち並んでいる。奥に進むと。周りの家より少し大きい家があった。恐らく村長さんの家だろう。その家の隣には、出口があった。きっとそこから次の村へ進む事ができるのだろうけど、その前には門番のような猫の獣人が四人立っている。入り口にはノーマークで出口は厳重。街で聞いた情報はあながち間違いではないみたいね。


 外を歩いている猫獣人も何人かいるけど、こちらに関心を示さないでいる。んー。慣れてるのかなぁ


「じゃ、あの大きなお家に行ってみようか。」


 一応ノックをした後ミリアを先頭に中に入ってみた。

入って直ぐのところはロビーのようでとても広い。正面に二階に続く階段があり、両側にドアがある。


「すみませーん。」


 ミリアが再度声を掛けると奥の方から返事とともにカツカツと歩いてくる音が聞こえた。

 そして現れたのは、メイドさんだった。そのメイドさんに要件を伝えると、左奥の部屋に通された。

 その部屋は応接室の様で、テーブル一つとソファーが二つととくに代わり映えのない。普通の応接室ね。


 ソファーには、私とミリア、ルーちゃんが座って、それ以外のトロア達は私達の後ろに立っいる。


 しばらくすると、村長らしきお爺さん猫がやってきた。

歳を取ると牙が長くなるのか、凄く長い牙をしていて、先が少し曲がってるように見えるわ。ご飯食べられるのかしら。

 早速本題に入ろう。


「はじめまして、そして突然の訪問すみません。」


今回私は一本引いた立ち位置なので、ミリアが対応する。


「いえいえ、とんでもない。それでどういったご用件ですか?」


「はい。実はある能力について知っている人を探してます。魔法やスキルなどに詳しい方はご存知ではないですか?」


「ふむ。異能の知識ですね。。生憎我々ネコ族は手足を使った肉体戦術が得意な種族なので、そういった知識には疎くて。私が知る物知りな者は、そうですね…鳥獣族ですね。鳥の中に確か詳しい者が居たと思います。」


「鳥獣族ですが。。初めて聞きますね。」


「うむ。鳥獣族は滅多にこの島の外に出ることもなく、またこの島にいる者でもそう簡単には会えない為あまり知られていないかも知れませんね。」


「それで、その鳥獣族にはどこで会えますか?」


「それは…実はこの島特有のルールがございまして簡単にお教えする事が出来ません。港でお聞きになったかもしれませんが、最奥にあるエルフの里を守る為特殊な術が展開されています。そのため、例え森に入り探ろうとしても決して辿り着く事ができずまた、森から出る事も出来ずに死んでしまうでしょう。空からも無理ですね。空の場合だとある一定の距離になると、身体の自由を奪われてそのまま地上に落とされます。また、エルフの里の近くには結界があるので誓約の扉からしか出入りが出来ないようになっています。従って、我ら守護者達の案内無くして入る事は決して出来ません。」


 村長の話はほぼ港でミリア達が聞いた内容と同じだった。


「やっぱりそうなんだ。それで、どうしたら教えてもらえるの?」


「はい。それぞれの村によって条件は異なりますが、この村では武器なしで戦って勝てば次の村へご案内します。エルフの里に着くまでの何処かに鳥獣族の村もあるので、村々へ道を進めれば辿り着けるでしょう。」


「そっか。わかった。じゃあ、さっそくやろうよ。」


 ここまできたのだ迷う必要はないよね。


「わかりました。おい、シロを呼んでくれ。」

 村長が、側仕えらしきメイドに指示を出した。そして、直ぐにそのシロと呼ばれる猫獣人がやってきた。

 やはり猫だけあって、体つきはしなやかな肉づきでとても素早そうだ。


そんなシロが睨むように私達に「で、誰がやるの?」と言ってきた。武器なしとなると、前衛の二人のどちらかしか選択肢はなさそうだが、そもそもミリアとトロアは体術の心得はあるのかな?


 私の頭の中がハテナでいっぱいになっているとダリアが手を挙げた。って、え??


「私がやりますわ。」


「えっ??ダリア戦えるの??」


 ミリアが、代表して訪ねる。


「ええ。武器は苦手ですが、体術なら少し嗜んでますわ。」


 いやいや、優雅にいう事じゃないでしょ。


他の皆は意外過ぎて声が出ない。うん。私も意外過ぎて何も言えない。



 皆んなが声を出さないでいる中、話しはどんどん進んで行く。 


 いつの間にか外でダリアがシロと相対している。


そして、簡単に勝負は始まった。


「はじめ!!」


村長の開始の合図で戦いの幕は上がった。


 合図と同時にシロが突っ込んできてダリアを顔目掛けて蹴りつける。  ダメ!女の子の顔を蹴らないで!


 私が心の中でそう呟いていたけど、それは取り越し苦労だったようで、ダリアは簡単に避けた。 ヒョイって。え?


 皆んなも私と同じ事を思ったのか、唖然としている。


 しかもダリアはそこからカウンターで後ろ回し蹴りを華麗に振るう。(うそーーーーー!)


流石にこれには皆んなも声を上げた。声を揃えて。

唯一ルーちゃんはポカンとしている。うん。まぁ分からないよね。


 そして、そのカウンターは見事に決まってシロは吹っ飛んでいった。ダリアはそのまま追いかけて追撃している。

 うん。一方的だね。

シロはそのまま気を失った。


  うん。ダリア、強すぎだね。


「それまで!」


 静寂の中、村長の終了の合図が響き渡った。


「ダ、ダリア…」


 ミリアはその後の言葉がつながらない。


うん。私も言葉がないですわ。


 最初の試練は簡単に終わった。。。


 もっとこう、「ダリア危ない!」とか「なかなかやりますわね」とか「まだ終わってませんわ。」みたいに少年誌にありそうや展開を期待していたのに。


 ダリアっていったい何者!?






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