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エアレルン大陸に向けての道すがらですわ

 


 次の日の朝、ノロの言っていた出入り口から外に出る事が出来た。もう少し街に滞在して色々散策したかったが、そもそも街ではなくクロードの支部拠点だったため、それはやめた。

 地上に出てみると、小さいオアシスといった感じの水場があり逆に拠点の隠し場所としは目立つように思う。しかし、辺りはあ特殊な結界が張ってあるため、目に入らないようになっているらしい。ただそれもそんなに強力な物ではなく、一度認識すれば結界に影響される事はないらしい。


 ノロとは一旦ここで別れ、エアレルン大陸から戻ったらまたここの地下で落ち合う事になった。クロードに狙われてしまっているルルルを守るため、力をつけに行く為大陸に向かう。

 大陸へはマーレイア公国から出る船に乗る事で行く事が出来る。人間との交流をあまり持たない亜人達ではあるが、唯一マーレイア公国とは貿易がある。大陸だけでは食糧などを賄う事が出来ないため、また人間の作る洋服や装備類なども需要があるという。


 そんなまだ行ったことのない場所へ思いを馳せる「虹色の集い」一向。

 ミリアとルルル「どんな食べ物があるかな」とダリアは「そろそろ新しい調理器具がほしいわね。」といった具合に新しい場所への期待を膨らませる。ククリナは「どんな冒険スリルが待ってるかしら。」と一人みんなと違う方向で期待が膨らんでいる。


 そんな六人はまずはトット村へ向かう。そこを経由してからマーレイア公国に入る至って単純な旅路だ。しかし、大変な事を思い出す。


「ああ!!馬車!!」

 とミリア

「あー。確かにそうですね。」

 それにリリーネが続く。


「あらあら、失念してましたわね。」


「取りに行くしかないよね。」


「んー。なら私が取りに行ってきますわ。フライも覚えましたので、ステータスの数値を少しいじれば持ってこられると思いますの。」


「あっ、……」


「ん??お姉ちゃん。でも馬車は大きいし、持てるような物じゃないと思うよ。」


「ウフフフ。ルーちゃん。お姉ちゃんは力持ちなのでしてよ。」

 優雅に微笑みながら、力こぶを見せる。お姉ちゃんと呼ばれるのが相当嬉しいらしい。そんなククリナを

「へぇーー。お姉ちゃんすごーーい!」

とルルルは目を輝かせてはしゃぐ。


「はっ?ククリナ様そ、それは流石に無理では……私の部下に、取りに向かわせますよ。」

見送りに来ていたノロが呆気に取られながらも主に提案する。

「いいえ、大丈夫ですわ。では、皆さんはお茶でも飲みながらお待ちになってくださいませ。では、行って参ります。」


 ククリナはフライを唱えると北の方へ飛んでいった。


「ミリア様いくらご主人様でも無理なのでは…」


 顔が青いノロ。でもそんなのお構いなしのミリアは


「大丈夫。大丈夫。ククリナは普通じゃないから。じゃあお言葉に甘えてお茶でも呑んでまってましょう。すまないけど、ダリアお願いできるかな?」


「ええ。もちろんです。今入れますね。」


 いい香りが辺りに漂い、皆がお茶を呑みながらホッと息をついているとククリナが帰ってきた。


「あ、お姉ちゃん帰ってきた!」


ルルルが気付いて指を指す。その先にはフワリと浮かびながら、片手で馬を掴んでいるククリナの姿が有った。馬は気絶してるのかピクリとも動かない。片手で馬だけを掴んでるため、荷台は斜めに釣られているようになっているがそれはまぁ仕方ない。ククリナが、降りてくる。


 ノロは青ざめて腰が抜けている。そのノロの前に馬車を降したククリナがやってきた。ノロは、直ぐに姿勢を正しそこに跪く。


「我が主人ククリナ様、私は一点の曇りなく貴方にお仕えする事をここに誓います。」


 規格外の力と気品漂うククリナの姿にノロは心奪われたようだ。初めは恐怖から従ったが今度は本当の意味で主への尊敬の念を込めてそれを態度で示した。

 その姿を見たトロアは、大きく頷いている。ミリアに至っては呆れ顔だ。他のメンバーも様々だがルルルだけは色が違った。


「うわーー。お姉ちゃんなんかお姫さまみたーーい。」


 その言葉を聞いたノロ以外の全員がドキッとする。密かに核心を着いたルルルは鋭い。しかし、元から溢れ出るその佇まいはとオーラは姿を変え、身分を隠したとしても決して無くならないのだと分かる光景であった。


「さぁさ、皆様馬車を持ってきましたわ。乗り込んで出発いたしましょう。」


 苦笑いを浮かべながらも動き出す一同。その間に、ククリナはノロに指示をだす。


「ノロ、貴方のその忠誠は行動をもって示してください。」


「はっ!」


「私はエアレルン大陸での目的が果たせたら、クロードへ参ります。ルーちゃんへの憂いを無くすため、その地を滅ぼすことも厭わないわ。しかり、情報を集め準備しておくように。クロードが無くなった方があなたも安心でしょ?」


 まだ部下になったばかりの新参者の自分へ向けられた主の優しさにノロは感涙する。


 

 そして、準備は整ったら。トット村へ向けて出発である。



 その小さいオアシスからはそんなに離れてなかったようで、トットて村には早めに着いた。しかし、日没前にマーレイア公国へ到着する事が難しい為、今日はここに泊まることにした。村と言っても比較的栄えており街と言っても遜色ないくらいだった。

 馬車を適当な木にくくりつけると、ミリアとリリーネはおいしい物を求めて市場に向かった。

 ククリナは椅子を四脚だし、残ったメンバーでお茶タイムだ。お昼は軽く済ましていた為、この時間にはお菓子を用意してもらった。クッキーに蜂蜜を塗ったシンプルな物だが流石はダリア製とても美味しい。


 そうやってお茶を楽しんでいると、市場に行っていたミリア達が帰ってきた。両手に抱えきれない食べ物をもって…


「あらあら、凄い量ですわね。」


「いやー。みんな美味しそうでさー。選びきれないから全部買ってきちゃった。」


「そうそう。どれか諦めるなんて無理だったの。」


 そうやって、皆で市場の品を堪能した。この地の特産はスパイスなのか、香辛料が効いた食べ物が多かった。だが、スパイスが病みつきになるらしい。途中でダリアがスパイスを買いに出たぐらいだ。


 お腹も膨れ、女性陣は簡易テントで軽く湯浴みをすました。薪を焚いてお茶を片手に皆で火を囲む。


 昨日の騒動が嘘のような静かで穏やかな時間が過ぎていく。

 お茶を呑み終わると、皆眠りに着く。いつものようにウモウフトンで。

 ククリナも自分の寝台を整えていると、枕を抱えたルルルがやってきた。

「お姉ちゃん。一緒に寝てもいい??」


「あら、ルーちゃん。もちろんよろしくてよ。でもどうしましたの?怖い夢でも見ましたか?」


ルルルは首を横に振って俯く。


「なんかね、寂しくなっちゃったの。」


 優しく頭を撫でて、抱き寄せるククリナ。


「そうなの。でも、ルーちゃん寂しがることは無いのよ。私は貴方の姉になりました。だから家族なのです。これからは、いつでも好きな時に私の所へいらっしゃい。なんなら毎日でも宜しくてよ。」


 抱きついてるルルルの手に力が籠る。そして、上を向き満面の笑みをククリナに向けた。


「うん!!お姉ちゃん。大好き!!」


 その晩ククリナの頭の中では「お姉ちゃん、大好き」の言葉がずっと木霊していた。





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