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わたしはルルルです



 しばらく背中をさすってあげると、落ち着いてきた少女。

(落ち着いてきたかしら)そう思ったククリナが声をかける。「落ち着きましたか?」そう言うと、少女はククリナの胸の中で頷いた。「お話聞かせて貰いたいのだけどよろしいかしら?」再び頷く少女。ククリナが、少女を離そうとするも、しがみついて離れない。

 「あらあら、これではお話しできませんわよ。」

優しく声をかける。すると少女は渋々離れてくれた。でも、代わりにと言わんばかりに、ククリナのマントの裾を摘んでいる。「仕方ないわね。ウフフ。」とそのまま話すことにした。

「じゃあまず、自己紹介からね。私はククリナ。貴方のお名前は何かしら?」


「…ル」


「ん?すみません。よく聞こえませんでした。もう一度よろしいかしら。」


「ルルル。」


「そう。ルルルって言うのね。ありがとう教えて下さって。」

そう言われると、顔を赤らめたように見えた。

「それで、ルルル。どうしてあのような所で倒れていたの?怪我もしていたようですし。」


「怖い人、たくさん。箱入った。それで、ニーアわたし助けた。でも、死んだ。いっぱい歩いた。」


「んー。」


要領を得なくてよく分からない。けど、何処かから逃げて来たようだ。自分だけでは分からないことがありそうなので、皆と話を聞こうと思うククリナ。


「ごめなさい。良く分からない所があるの。私の仲間達にも貴方のお話を聞いてもらってもよろしいかしら?」


 顔を硬らせるルルル。すると。(グ〜)ルルルのお腹鳴った。「あらあら、ごめんなさい。気付きませんで。ルルル、今みんなでご飯を食べていたの。貴方もご一緒にいかがですか?」問いかけると、裾の手に力が入った。「どうなさいます?」再び問いかけると、今度は黙って頷いた。

 裾を掴んだままククリナの後ろについて歩くルルル。そして、皆のところに向かった。


 ククリナがテントから出てくると、皆が一斉に視線を向けた。心配していたのか、リリーネはホッとした様な表情だ。そして、ククリナの後をついて出てきたルルルの姿を見て皆が笑顔になった。「よかった。」リリーネは一人呟いた。

 ルルルを連れて、席に着いた。ククリナの椅子の隣にルルルの席も用意した。ダリアに目線を向けると、ルルルの食事が用意された。「食事を中断させてごめんなさい。先に召し上がりましょう。」その言葉で、皆が食べはじめた。流石ダリアの料理だ。前にもまして進む速度が速い気がする。ルルルも少し戸惑ったようだか、一口口に含むと一心不乱に食べはじめた。久しぶりに食べ物にありつけたかのように、無言で食べ続ける。皆はそれを微笑ましく眺めている。特にダリアは何かを懐かしむように微笑んでいる。ルルルの容器が空になりそうになると、「おかわりいかが?」と声をかえている。

 

 そうして、皆が食べ終わりお茶タイムに入った頃再びククリナがルルルに声をかける。


「どう?お腹いっぱいになりましたか?」


「……うん!」


「では、自己紹介を始めましょうか。」と皆で自己紹介をする。皆が終えると


「み、皆さん、あ、ありがとう。わたしはルルルです。7歳です。怖い人から逃げてきました。」


「ルルルちゃんね。でも、それだと言いにくいからルーちゃんて呼ぶね。早速ニックネームを決めたのはミリアだ。


それに続いてダリアが、声をかける。


「ルーちゃん、何処から逃げてきたの?」


「えっとね。すっごく遠く。わたしが住んでたのは、カルラってゆうところ。」


「んー。聞いたことのない街ね。それで、そんな遠い所からどうしてこんな所まで来たの?」


「なんか、街の長?とかいうのを決めるのにわたしが邪魔だってブランが言ってた。」


「ブラン?ってどなた?お父さん?お母さん?」


首をぶんぶん横に振って答えるルルル。


「違う。わたしを箱に入れた悪いやつ。お父さん、お母さんはわたし知らない。生まれた時から見たことない。ニーアが育ててくれた。でも、お母さんじゃない。」


「そうなの。ご両親はわからないのね。それでニーアさんはどちらに?」


「…ニーアは殺された。ブランの手下に。」


「…そうでしたの。ごめんなさい。…それで、どうして箱に入れられたの?」


「なんか、高く売れるって言ってた。それで、ふわふわ揺れて、ずっと長く入れられて、箱が空いたら知らないところで。うわーってなって、そしたらそこにいた人達みんな倒れて。今だって思って、走って逃げたの。でも、何にも食べてないから力が出なくて、もうダメだぁって。倒れちゃった。」

 そう一気に言うとルルルは俯き、再びククリナの裾を摘む。その手は震えてるように見えた。それを見たククリナは頭を撫でる。


「よく、頑張りましたわね。偉いわ。」ととても穏やかな表情を、浮かべる。そして、その視線をダリアに向けまだ合図した後皆を見廻す。


「じゃあ、行くところがないでしょ?ルーちゃんが良ければ一緒に旅をしますか?」


「ちょっ…」トロアが何か言おうとするも、ククリナは視線でそれを黙らせる。ルルルが戸惑ったように皆を見回す。ボソリと「いいの?」と呟く。皆が笑顔で頷いている。ルルルはそれを見て心が温かくなった。満面の笑みで嬉しさが込み上げてきた。

 そんな中ミリアはルルルのある一点を見ていた。見た事あるような、ないような。頭に付いてる二つの何か「コブ?角?あ、角だ!」突然のミリアの声に皆の視線が集まる。

「ねー。ルーちゃん。その頭のやつ角だよね?」


「あ、う、うん。今はこんな少しだけど大きくなるともっと大きくなると思う。」

「そうなんだ。あのさ、ルーちゃんの種族ってなあに?」


 そんなミリアの問いかけに口籠る。この世界にも少なからず種族差別がある。その為だろう、しかしルルルはまた違う理由もあって言いにくかった。この世界ではどちらかと言えば畏怖される存在。だが自分を助けてくれ、しかも一緒に連れて行ってくれると言った皆んなに嘘は付きたくなかった。その事で嫌われたとしても。小さな少女の胸がキューッと締め付けられたような気がした。でも、ルルルは勇気を出して皆に告げる。


「わ…わたしは、魔族です。」


 驚いているのはククリナ、ミリア以外の三人だ。ミリアはやはりという顔だ。ククリナは別の意味で目を輝かせている。

「ごめんなさい。やはり、皆さんとは…」


皆の驚きから自分は受け入れられないと思ってしまったようで、自ら身を引こうとする。しかし、

「あらあら、ルーちゃん何をおっしゃいますの。嫌ですわ!私は貴方を連れていきますよ。魔族だからなんなのです。同じ生き物どうしですわよ。それに、もしモンスターだとしてもそれは変わらないわ。だからこれからは、貴方も虹色の集いの仲間の一人です!よいですね。皆様。」


 もはや何も言えない他の四人。こうなったらもうきかないのはわかり切っている、トロアとダリア。リリーネは自分が入れてもらった時の事を思い出している様子だ。


「ねールーちゃん。魔族領にいたんでしょ?どんな所か教えてよ。」ミリアの質問にククリナも目をキラキラさせてルルルの返答を待つ。


「えーっと。実はわたし魔族領にはいましたが、ほぼ家から出た事が無いのでよく分からないの。家はちょっと大きかったです。よく、ニーアと鬼ごっことかしてました。」


「他に大人の人は居なかったの?」


「うん。居なかったです。それに、家は森の中だったので周りにも誰も居なかったです。ずっと二人で暮らしてました。そこに怖い他の魔族達が襲ってきたの。」


「そうなんだ。なんで襲って来たんだろうね。」


「わからない。でもニーアからお守りを貰いました。その時これは大切な物だから肌身離さずもってなさいって…」


そう言うと、首からぶら下げた黒い宝石のペンダントを見せた。ダイヤの形をした宝石で中心には黒紫の炎が揺らめいているように見えた。その裏側には見たことない紋章が彫られている。角のような錘状の図形が三つ交差するようなものだ。その紋章が何なのか誰も分からなかった。きっとニーアがルルルを守る為に送った特別な物だと言うことで落ち着いた。


「とにかく、何でルーちゃんが襲われたかも今は分からないし、いつかルーちゃんの住んでた家とかにも行ってみたいね。」


「そうですわね。絶対にいきましょう。」ククリナは魔族が好きなのだろうか。そちら関係の話になると食いつきがいい。


 とりあえずの目的地の変更はなく、引き続き砂漠を目指すことになった。明日には着けるだろう。今日は初めての旅路ということもあり、皆は早くに就寝しようと言うことになった。ククリナがもともと着ていたルルルの洋服を使って、寝間着と普段着を作ってあげた。寝る前にリリーネが明日は念願の砂漠に行ける!と興奮していたようだが、疲れが勝りあっという間に夢の彼方へ落ちた。

 そして、翌朝。いつものように後片付けをし村長さんにお礼を述べて、出ることにした。砂漠までは半日もかからない。

その為、砂漠に入る前に早めに休憩を取るため水場を探しながら進む事だけ決めて出発した。






今日出来ればもう一つ投稿したいです

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