表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/50

新しい仲間と新たに出発ですわ。


 ギルドを後にした四人はいつもの宿屋へ向かって歩いていた。

 武器屋さんの前に差し掛かるとミリアはリリーネに声をかけ武器屋さんに入って行った。遠距離武器を買うためである。その間、ククリナとトロアは外で待っていた。

 

 すると、そこへ二人に近づいてきた。

 深緑色のマントを纏い、顔もフードを被っていて確認できない。トロアが警戒して、ククリナの前に出る。


「何者だ?」


 トロアが問いかけるも、その者は無反応だ。そして、尚も近づいてくる。

 トロアは剣を抜き、間合いに入るのを待つ。入ったら切り捨てるつもりだ。しかし、間合いに入るギリギリのとこでその者は立ち止まった。ククリナ、トロアに緊張が走る。

 そしてその者は被っていたフードを取った。


 そこに現れたのは、赤に近い茶色髪の毛でメガネをかけた女性だった。メガネの奥にある瞳は生真面目と書いてあるような赤色だ。しかし、その生真面目な目つきの奥にはまるで母のように包み込むような包容力が窺える。年齢は20歳前後といっとところだろうか。若々しくはあるものの、とても落ち着いてみえる。その赤い目で真っ直ぐにククリナを見つめた後、朗らかに表情を緩めると呼びかける。


「クラリーナ様お久しぶりでございます。」


「あらあら、ダリアではありませんか。こんな所でどうしたの?」


「ウフフ。お変わりなさそうで安心いたしました。クラリーナ様が心配で、私もお城を飛び出してしまいました。」


 実は彼女はククリナがお城でお姫様をしていた時の筆頭メイドである。彼女の話によると、ククリナがお城を飛び出した後直ぐにでも追いかけたかったが、部下のメイド達の支え先を引き継がなければ、メイド内で混乱を起こしてしまうためその後処理をしていたそうだ。それで、その処理が終わったため、晴れて城を飛び出して来たそうな。

 彼女も同じようにトロアと共にククリナが生まれた時から仕えていた側仕えだった。早速トロアとも久しぶりの再会に喜んでいる。


「まさか、ダリアまで来るとは思いませんでしたわ。でも、お城は大丈夫なの?」


「はい。大丈夫です。キチンと引き継ぎはして来ましたから。それに、クラリーナ様の身の回りをお世話出来ないことは、私にらとって拷問でしかありません。ようやく来れまして、本当に嬉しいです。」


「フフフ。まったく、ダリアったら。。でも、私もダリアがいてくれるととても心強いです。ありがとう。」


 やはり、ククリナにとっても生まれた時から側にいたダリアの存在はとても大きい。何も言わなくても何が必要か察してくれ、まさに痒いところまで手が届くメイドであった。

 そうして、三人が再会を喜んでる中いつの間にか武器屋さんに行っていた、ミリアとリリーネも戻って来ていた。


 早速ククリナが紹介している。

「ミリア、リリーネおかえりなさい。実は仲間が増えましたの。こちらはお城で、私の側仕えをしてくれていたダリアです。」


 ミリアとリリーネも挨拶をし自己紹介をした。


「あ、そうそう、ダリア。今後私の事はククリナとお呼びくださいませ。本名だとあまりよろしくありませんの。」


「はい。かしこまりました。」


一通り挨拶を終えると五人になった虹色の集い達の面々は再び宿屋へ向かう為歩き出した。その道すがらで、リリーネが武器屋さんで、弓を購入した事を皆に報告した。最初は二人だったが、今では五人と駆け出しのギルドにしては凄く賑やかになった。


 宿屋へ着くと、部屋の変更とダリアのウモウフトンを準備した。その時ミリアからは話があるので、寝る前に集まるように言われた。


 皆が鎧を脱いだり、夕食をとったり、お風呂に入ったりと自由にしたあと、寝巻きに着替えて部屋の真ん中にあったテーブルに集まった。横長の足の短いテーブルで、両側には動物革でできたソファーが二つ並んでいた。そこに皆が腰掛ける。


「さーて。みんな集まったね。ちょっと皆で話し合いたい事があってさ。今日のクエストが終わった後ギルドに寄った時の事覚えてる?」


「ええ。勿論ですわ。」


 それぞれが同じように答える。ギルドに戻ると自分達のことがとても話題になっていた。


「なら話が早い。それでさ、あたし達の事が話題になる事はいいんだ。それが一つのギルドの宿命みたいなもんだし。ここには無いけど、他の国や街のギルドだと中心になっているチームだってあるし。でも、ココだと色々面倒だからさ、少し早いけど、この街を出ようと思うだけけど、どうかな?」


 このアレス王国ミミンガの街には中心になるような強豪ギルドはない。というのも、この街周辺が穏やかで高難度なクエストが無いのが一番の理由だ。駆け出しの冒険者がクエストに慣れるのにはとても環境が良いのだが、上を目指すには物足りない。その為、ある程度経験を積むと皆他へ移ってしまう。そもそもら、今回のガイアドラゴン出没は極めて異例だ。本来この周辺に住うモンスターでは無いからだ。

 

 この国の遥か北に位置するカントーナート山脈という所に巣が有ると言われており、具体的な生態は分かっていない。

その山脈には多種類のドラゴンが生息しており、通称「ドラゴンの聖域」と言われるほどだ。山の麓でさえ、ドラゴンの縄張りとなっており、簡単には近づけない場所だ。噂によると、ドラゴンで国を作っているとも言われている。その為未知に溢れてると言えよう。


 その為今回「虹色の集い」が討伐した事でこの街のメインのギルドチームとも目され兼ねない。第三王女という立場のクラリーナがそのチームのリーダーと言う事が他の冒険者達に知れたりしたら特に面倒な事になる。その為、少し早いがミリアはこのタイミングで冒険の旅に出ようと考えていた。

 それを聞いたククリナは迷う事はない。そもそも望んでいた事だから、当然といえば当然だ。だから


「あら、どうもなにも私はとってもいい考えだと思いますわ。」


 と即答する。ククリナが同意した事で他のメンバーも同じように、即答する。特にトロアとダリアは日頃からククリナの望む事を叶えたいと動いている。その為、ククリナが了承すれば是非もない。


 そして残るリリーネも迷う事は何もない。寧ろ「うわぁ。すごい楽しみぃ〜」と目を輝かせている。


「じゃあ、決まりだね。明日から旅立ちの準備してを始めよう。皆んな、どんなものが必要か意見があったら言ってね。それによって出発日を決めるから。」


「そうね。準備はとても大切ですね。でも、皆んなでそれをするのはとてもワクワクしますわね」


 それから、各々意見を出した。まずは、馬車。これが無いとそもそも始まらない。その調達はミリアがする事になった。当然その資金はククリナのお小遣いだ。皆は知らないが彼女が貯めたお金は、祖父の甘やかしもあってかなりの額がある。屋敷はおろか、小さな城も建ってしまうかもしれない。特にいう必要はないので黙っている。その事はトロアは勿論ダリアも知ってる。ただ、その資金はククリナも使いたいことがあって、貯めてあった。その本当の理由は二人は知らない。彼女が密かに夢見ている将来の野望だ。自分が気ままに、自由に過ごすための野望。


 馬車の他には装備の見直しと、野営用の調理器具や、簡易寝具、食料、水などだ。それぞれを手分けして揃える。

 

 その準備期間として三日と決めた。


 その間にミリアが、馬車の手配の後にギルドへチームの放浪申請を行う。この世界のギルドは基本最初に登録した所が拠点となる。各チームは拠点でクエストを受注し仕事をする事と決められていた。これはクエストの多重受注による損害を防ぐためであり依頼主への配慮だ。一つ一つの依頼を確実にこなし、ギルドの信用を傷つけないためにも中途半端な結果は出せない。その為、拠点を一つに定め他の街で勝手にクエストを受注できないようにとされていた。ただし例外はある。例えば護衛任務などで隣町へ行く場合、冒険者の効率を考え。帰り道にも護衛任務や、その途中で討伐などをして戻れるようにその範囲内なら、受注できるよう越境制度がある。それは、拠点で最初のクエストを受ける時に申請することで許可証がもらえる。それをその到着地点のギルドに提出する事で帰りのクエストが受けられると言った感じだ。


 だが、今回は旅に出る為ミリアは放浪申請を行う。これは、拠点をまだ定めてない保留状態を示す。自分達がまだ何処を拠点にするか迷っている。という意思表示になる。その為、何処の街でもクエストを受けることができる。ただし、それなりに信用が無ければそれが通ることが無い。その理由はお察しの通りだ。



 そうやって、それぞれが準備に奔走し迎える。



 ―出発の日―



 

一日一話は投稿出来るよう頑張ります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ