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さードラゴンと対決ですわよ。

 


 ミリアは動けない。


 予想外の敵に思考が止まってしまっている。

アースドラゴンだと思っていたのがガイアドラゴンだった。


 普通モンスターの進化系は最終形でもステータスの上昇やスキルアップしたりと厄介ではあるが、ある程度熟練の冒険者でも特に問題はない。しかし、ドラゴン種、幻影種、等は話が変わってくる。一つ進化するだけで危険度が大幅に増す。その為今回のガイアドラゴンは予想外の出来事の中でも突出した事態といえよう。


(くっ。どうする。よりにも、よってドラゴンの上位種はまずい。ましてや地龍。あの強靭な体にダメージを通す事が出来るかどうか。。。)


 ミリアの表情を見ていた、トロアにも緊張がはしる。二人は今前衛として剣を抜き、ガイアドラゴンに対峙している。後ろには、傷ついた傭兵、それを回復するリリーネ。その前に庇うように椅子に座っているククリナがいる。


 冷静にミリアが考える。

とりあえず、まずはあたしとトロアで時間を稼ごう。その間に後ろの三人に逃げてもらって一旦体制を整えよう。


「トロア、あたし達で時間を稼ごう。一旦撤退して体制を整えないと。」


「ああ。わかった。」


「ククリナ。リリーネ。そういう事だからあたし達が時間を稼いでいる間に撤退して。一旦体制を整えよう。」


リリーネは頷く。ククリナは微笑んでいる。


「さー、トロア行こう!!」


二人は剣を構え、ガイアドラゴンに向かって行く。攻撃が分散するようにミリアが左側、トロアが右側から足元目掛けて駆けていく。


 一呼吸先にミリアが前足に切りつける。が全く攻撃が通らない。でも、気を晒す事には成功する。ガイアドラゴンが攻撃された右足でミリアに爪を切りつける。その攻撃をミリアは素早く避ける。その攻防の隙をついて、トロアが左側前足の関節部分を狙って剣を切りつける。関節の弱い部分にキチンと命中したようで、少しではあるがダメージは通ったようだ。一瞬ガイアドラゴンが怯む。

 その攻防はほんの少しの出来事ではあったがククリナ達が逃げるのには充分の時間だった。


 リリーネはミリア達が動き出すと同時に傭兵を抱え、撤退を始める。

「さぁ、ククリナ行きましょう。」


「ええ。でも、リリーネは先に行きなさい。私も直ぐに行きます。」


「分かりました。でも、ククリナも直ぐに来てね。」


「ええ。分かってますわ。」


リリーネは動き出す。

 残ったククリナは武器のハンマーを考える。

  そして詠唱する。



 ククリナはずっと考えていた。魔法はイメージ次第だという。ならば、魔力を帯び魔力を通すことの出来るオリハルコンが入ったこのハンマーなら強度はそのままにカタチを変えられるはずだと。他の金属だと、魔力がない為強度が落ちる。でも、これならば…


 その時に合わせた武器に変形出来ると考えていた。魔法だと周囲の影響が大きい場合がある。まだ経験の浅い自分には細かい調整が難しい。でも物理攻撃なら今の自分でも大丈夫だと踏んでいるククリナ。


 そんなククリナはハンマーの武器を錬金の魔法で形を変える。


 「アルカミーア」


 そのハンマーは、ククリナの錬金により銀色の鞭へと姿を変えた。この街ムチもちろんミスリルとオリハルコンとの合金性でしかも、ククリナイメージ通りに伸縮自在となっている。


 そのククリナの詠唱の声で、時間稼ぎをしていたミリアとトロアが振り返る。

 そこには銀色の鞭を構えたククリナの姿があった。


「ちょつ。ククリナ何やってるのよ。なんで撤退してないの。早く!逃げて!」



「嫌ですわ。ミリア。私は仲間を置いて逃げることなんて出来ません。退屈が嫌で城からは逃げました。ですが、守られる為に逃げるなんて考えわたくしには、ありませんのよ。それより、お二人ともどいてくださるかしら。私が今からそのドラゴンを討伐いたしますわ。」


 ミリアは咄嗟にククリナの力を思い出した。あのエゲツない力を。でも、あの力でもガイアドラゴンを倒せるか分からなかった。そもそも上位種以上のドラゴンの強さがどの程度なのかは明らかになっていないからだ。しかし、今の自分達よりはマシなはず。そう考え、ミリアはトロアに指示を出す。


「トロア、今はククリナに任せましょう。」

そう言うと、ミリアは素早くククリナの後ろに移動する。

トロアもそれに従い、同じく後ろにつく。

 二人は直ぐにでもククリナの援護に回れるよう準備する。


 二人が下がったことを確認し、ククリナが動く。

「では、参りますわ。」


 ククリナは鞭を右手に持つと、大きくしならせ後ろに振りかぶる。そして、そのまま振り抜く。


 ククリナに、振り抜かれた銀色の鞭は硬い金属とは思えないほどしなやかに無駄な力もなくガイアドラゴンへ襲いかかる。


すると……

 

 シュン!


 風を切るような音とともに鞭がガイアドラゴンの首を通り過ぎた。


 少しの風圧が治ると、ガイアドラゴンも特に動く様子はなく、辺りが静寂に包まれる。

 ミリアもトロアも、固唾を飲んで見守る。


 すると、ガイアドラゴンの首は静かに胴体より離れ、地面に落ちた。

 ククリナの魔力も纏ったその鞭は、出血することも許さないかのように首、胴体それぞれの傷口からは一滴の出血させず、ガイアドラゴンの首を撥ねた。



「あら、以外にあっけないのね。オホホ。ミリア、トロアは怪我はありませんか?」


 そう言いながら後ろを振り返ると。

振り返った先には青ざめた二人が固まっていた。


「なっ。。」


「あ。。。」


「あらあら、どうしました?大丈夫ですか?」


「う、うん。とくに何ともないよ。」


「は、はい。ククリナ様私も大丈夫です…」


 二人は目を大きく見開き固まっている。


「そう、なら良かったですわ。それで、あの倒したドラゴンはどういたしますの?」


「あ、う、うん。えーと。死骸の一部を狩って、ギルドに提出すれば任務完了よ。。」



 回復した傭兵を連れてリリーネが戻ってくる。援軍に来たようだ。


「みなさーーん。大丈夫です………か。ええっ!!」

 

信じられない光景が広がっていた事により驚愕するリリーネ


 傭兵は腰を抜かしている。


「あら、リリーネも無事で良かったですわ。ドラゴンは私が討伐いたしましたの。さあ、トロア、ギルドに提出するドラゴンの皮を剥いで来てくださいな。あと、ついでに加工に使えそうな素材の剥ぎ取りもお願い致しますわ。ドラゴンの素材は貴重ですものね。ねっ?ミリア。」


「あ。うん。そうだね。リリーネの遠距離武器を作るのにも使えるし、他のみんなの装備に使えるからね。ってか、ククリナその鞭は何処から持ってきたの?バックに入れてたの?」


「いえ。これはいつものハンマーを変形させたのよ。どう?とても綺麗でしょ?」


「うん。綺麗だけど、そういう…」


 そうして、討伐を終えたククリナは、トロアが剥ぎ取り終わるのをお茶を飲んで待つ。もちろん、他のトロア以外のメンバーと傭兵にも振る舞う。


 お茶を飲みながらミリアは考える。


 いやーでも。たまげたね。ガイアドラゴンが一撃とは。しかも錬金で武器の錬金を瞬時にこなすなんて。数値が高いだけの問題じゃないね。数値はあくまでも数値。出来るとはまた別物だもの。数値以上に、ククリナは魔法のコントロールがうまい。それも、天才級に。これは、早めに落ち着く場所を作って、ククリナを悪意から守る準備が必要だね。


 少し早いけど、この街を出なきゃ。今回のクエストでギルドも大騒ぎになるだろうし。


 ミリアが考えていると、剥ぎ取りを終えたトロアが戻ってくる。


「ククリナ様お待たせしました。剥ぎ取り終わりました。」


「おかえりトロア。ありがとう。」


 ククリナはそうお礼を言うと、山積みになったドラゴンの素材を自分の異空間バックにしまった。


 そして、虹色の集いの面々は、帰るため下山する。途中、鉱夫小屋に討伐完了した事を伝える。その時傭兵を送り届け、全てを終えた。


 ギルドに戻ると、ククリナ達が報告するよりも前に今回の事が、もう伝わっていた。


 ククリナ達がギルドに入った途端静まり帰る。今まで馬鹿にしていた冒険者達は特に顔が青い。恐らく報復を恐れているのだろう。そもそも相手にされていない事は知らずに…


 「ローラ、ドラゴン討伐の任務無事完了。」


ミリアは完了報告と同時に証拠のドラゴンの鱗を差し出す。


「あ、はい。お疲れ様でした。しかし、ミリアさんガイアドラゴンの件すみませんでした。どうやら現地の傭兵が誤って報告してたようです。」


「いや、いいさ。そんなのよくある事だし。傭兵達も切羽詰まっていたんだと思うよ。皆んな無事だったし問題なし。」


「そうですか、それは良かったです。あ、そうそう、今回のクエスト完遂に伴い、特例で虹色の集いはB級に飛び級になる事になりました。まぁ当然ですけど。そういう事なのでよろしくお願いします。」


「あ、そう。分かった。じゃあ、丁度いいやあたし達は近いうちにこの街を出るから手続きを、よろしく。」


「えっ!」


 そう告げると、四人はギルドを出て行った。



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