突然の異世界
「ここはどこ....!?」
玄関を開けると森の中にいた
これは私の家が森の中にあるとかでは無い
そもそも森とは全然遠い方に住んでいると思う
周りを見ると色鮮やかなキノコや、見た事もない毛玉のような生き物が辺りを漂い、奥の方を見ると熊ぐらいのサイズの蛇が這いずっている
突然の現実味のない光景に思わず息を飲む
(これは...まさか異世界!?)
私はただ玄関を開けただけ
朝起きて、歯を磨き、ご飯を食べ、着替えて学校に行く、それまでは普通だった
それなのに、どうしてこんな不可思議な事が起きてしまったのか
「そうだっ!家に戻れば元の世界に戻れるはず!」
ついさっき出た玄関に戻ろうと期待を込めて後ろを振り返ると、扉は家ごと消えていた
いや、元から無かったかのようにただ森が続いているだけであった
「....どうしよう」
絶望的な状況に頭を抱える
家に帰る手段もなく、この中を生き抜く術も知らないのに、こんな世界に取り残されても絶望的だろう
(このまま元の世界に帰れないと、あの怪物みたいな動物に食べられるか、生活できなくてそのまま餓死する未来しかない.....)
ふと、草むらの方を見ると兎のようなスライムがネズミを捕食しており、まるで自分の未来を見ているようだった
スライムは不思議そうにこちらを見ている
「....とりあえず探索するしかないか」
あのネズミのようにならない為にも