高校生活 第2話 〜登校するだけで疲れる〜
まずはこの作品をお目に留めてくださり有難うございます。
最後まで楽しんで頂けたらなと思います。
高校生活2日目。
眠くて、身体がだるくて仕方がない朝を午前6時半に迎える。
二度寝を訴えかける体を起こし、乾いた喉を潤そうとリビングへと続く階段を降りるとそこには居て当然の母親の姿。
嵐山静華、母さんの名前だ。
40代前半とは言っていたが、30代と言われても疑わないくらいに若々しい見た目をしている。
ちょっと周りに自慢してやりたいくらいだ。
べ、別にマザコンじゃないからな!
母さんはいつもこの時間には起きていて、家事をしてる。
こちらに気付くといつものあいさつ。
「おはよう、トモくん」
そう言ってはにかむ。
「ん、おはよ、母さん」
喉の側面と側面がくっつきそうな感覚のなか、精一杯のセリフを口にする。
蛇口をひねりコップに水を注ぐ。
そして一息で一気に飲み干すと体内に冷たい水が行き届いた感じがする。
この瞬間が生きてることを実感するから結構好きだ。
ちなみに父親は、去年から海外に出張してるから今は居ない。
いつ帰れるかも未定とのこと。
用意された朝ごはんを食べ終え、歯を磨いてると、インターホンが鳴る。
歯ブラシをくわえたまま唾液がこぼれないように
「母さん、ちょ、出て!」
「はーい、今いきまーす」
ガチャ
「あら、おはよう、瑞姫ちゃん。可愛い制服ね、今日はどうしたの?」
今、母さん妙な名前を口にしなかったか?
嫌な予感がして歯磨きをしながら玄関の方へ耳を傾ける。
「はい、おはようございます。静華さん。
今日からカッチンと一緒に学校に行こうかと思ってまして…」
ボフッッッッ
嫌な予感とともに覚悟はしてたけどつい吹き出してしまった。
汚した壁や床を拭いてる途中にも会話は淡々と続く。
「そうなの、てことはその制服、東篠崎高校の?
もっと頭のいいところに行けたんじゃない?」
確かに入学式で話しかけられた時から俺も疑問に思っていたことで、瑞姫は中学の時も毎回学年10番には入っていたのだ。
小学一年生から中学二年生まで同じクラスだったので頭の良さは十分に理解していた。
まあ、あいにく…もとい、やっと離れられた三年で学力ガタ落ちということはないだろし。
「それなんですがね、実はですね、えっと、不純な動機ながら、カッチンと同じ高校に通いたいから、なんですよ、えへへへ…」
そうか、俺と同じ学校にな……は!?
まてまてまてまて。はああああああああああああああああああ!?
「そうなのね、昔からほんと仲が良いわよね。そうだ、はやくトモくん準備させるから玄関に入って待っててちょうだい。」
いやいやおかしいだろ母さん、なにがそうなのねだよ。
受け入れちゃってんじゃないよ!
どんな顔して会えばいいんだよ、てか言いたい事が多すぎるよ!
もういい、考えたって仕方ない。
母さんも呼びに来たし、着替えて靴を履き玄関の扉を開ける。
「お、やっと出てきたよ、おはよう、カッチン」
「お、おはよう」
先ほどの会話を聞かれていないと思っているのか、瑞姫はいたって普段と変わらぬ様子であいさつを交わしてきた。
「あれ、カッチン、顔赤いよ?大丈夫?」
何にも大丈夫じゃない。
間接的だとはいえあんなこと言われたら誰だってこうなるだろ。
「あ、ああ、それは…あれだ、昨日が久しぶりの外出だったから日焼けしたんだよな、
心配することなかれってやつだ。」
苦し紛れにもほどがある言い訳に焦りから普段使わない言葉まで使ってしまったじゃないか。
「そかそか、なら良かった。
んじゃ、行こう、私たちの学び舎へ!」
元気よくそう言い歩き出す瑞姫の背中を追い
「落ち着け俺、落ち着け俺」
独り言をブツブツ言いながら歩いて学校へ向かうのであった。
って待てよ、俺、チャリ通希望なんだが………。
最後まで読んでいただき、有難うございます。
進むペース遅くね?と思った方がいらしゃると思いますがこれから少しペースアップしていくと思います。
妥協なしの納得のいくものをこれからも書いていきたいと思いますので応援の程
よろしくお願いします。