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~亜世界転移~  弱虫クソ雑魚鈍才な勇者(一秒のみ)    作者: 赤木野 百十一茄太郎
現ハは非現ヲ交錯サセル
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 白紙 錐 

アカネが学校行けとうるさい。

なので、利知は行った。

そこで「利知くん、だれと話してるの・・・・・・・?え?アカネ

?大丈夫?そこ誰もいないよ?」と、ヨモギに言われ自分以外にアカネが見えないと知る。


そして、普通に授業を受けていた。

そして、昼休み。

これはたいしたことではないけど利知の印象には残った。

教室に担任の上松が入ってきて。

テストの範囲が間違っていると報告に来た、

間違っているということに切れて生徒の吉沢が激怒して上松に「死ね!」。

なんて言って逆に上松に怒られ、職員室に呼ばれるなんて出来事もあったが。

特に問題はない。


しかし

常に世界では何かしら起きている。

この話も本当はあまり大事なものではないけど書いておこう。

放課後、利知は何げなく窓の外を見た。

高い、高いビルがあった。

妙に印象に残ったけど。ただ、それだけ。

亜世界に行ったあの日のように、目があり、それと目と目が合う前に

利知は逃げた、ただそれだけの話。


今日大事なのは、今からのことだ、そう

白紙 錐 (しろかみ すい)との出会い。

その、大人しそうな美しい風貌の女性は

彼女は、利知の帰宅途中に現れた。



「フォバルナエタ会……と言えばわかりますかね」

利知は、彼女の言葉に短く悲鳴を上げた。


錐は、人通りの少ないところで利知に詰め寄って問いただしていた。

運の悪さがすさまじい利知、周りに全く誰もいなく

助けを呼んでも無駄。

そのことは利知をとても焦燥させる。

___フォバルナエタ会、菜野さんがヤバいと言ってた組織____


「……何を見た?」冷たい声と視線を利知に浴びせ

錐はナイフを取り出した。


小ぶりで、殺し用ではない、そんなナイフ。

人を痛めつけるのにはぴったりなナイフ。


逃げる機会をうかがう利知の首元にナイフが突きつけられている

そのせいで、少年は逃げられない。

相手の隙をみつけることなんて彼にできないから。


「何をお前は知っている?」

「お前はなんなんだ 山坂利知」

「お前は___」

錐が一方的に話すが、利知は緊張でだんだん

目の前の相手が何を言ってるかわからなくなってきて。


そのぼんやりした態度は錐をいらだたせた。

「いい加減になにか言え!」

そして怒声をあげて利知を突き飛ばす。

普通の少年なら、そのまま何もできないだろう。

しかし、利知のヘタレはうまく機能した。


相手との距離が離れ、逃げれるかもと一瞬頭に浮かぶ。

その一瞬のうちに利知は逃げ出していた。


「チッ」錐はデカい音を舌打ちして出し、利知を追いかけ始める。

実は、ナイフを利知の足になげて、動きを止めることもできるが

錐はわりと平和主義である、そんな野蛮なことできず

自分の足に頼っている。


「待て!」傍から見れば利知の走りが遅すぎて

茶番に見えない逃走劇が始まった。 


が、一瞬で終わった。

角から出てきたデカいトラックに利知が跳ね飛ばされる。

ドカッ!とかバンッ!みたいな音を立てて吹っ飛び。

ゴロゴロアスファルトを転がって。


ピタリ、と動きが止まる。

トラックに轢かれて死ぬと

異世界に転生する小説は多くあるが

利知は転生しない、死なないから。


「おい!お前エ!」錐は叫んで倒れた利知に走り寄る。

瞳孔を確認して、生きていると確認。

錐は、利知の体を確認。

右足首がありえない方向に曲がっている。


錐に近づかれて、利知は必死で逃げようとしたものの

意外とダメージが大きくて動けず

痛みと恐怖で気絶した。



目を覚ますと、利知は公園のベンチの上にいたのだった。

どうやら、ここで寝ていたらしい。

何となく右足首を見ると、包帯がキレイに巻かれ、治っている

あの、錐という人が介抱を?

と悩むが、そんなことする理由はないだろう。

あと、なぜ足のケガが治っているんだろう。

そんなことで悩んでいたら、ベンチがわりと滑り

転げ落ちて、仰向けに全身を打ち付けた。


一瞬呼吸がとまり、咳が喉からせりあがる。


「痛たたた・・・・・」

夜空が見えた、星は一つも見えない。

見えたところで、利知に何か影響もあるわけでなく

関係ないけど。

やっぱり、見えたほうが嬉しい。


起き上がりながら、今日の出来事をおさらいする。

フォバルナエタ会を名乗る女に襲われて

その女に介抱された?

おかしい出来事である。


「でも、俺には関係ない」そう無意識につぶやいた、口癖だから。

もはや、その言葉は絶対にありえないほど何かと関わってしまっているのに。

アカネは「いいえ、関係あるわ、絶対にある」

利知はその言葉を無視して、家に帰った。

考えるのは面倒だし、怖かった。


利知は自室のパソコンでネットを見る。

大型掲示板サイトを適当に開く。

いろいろな対話の場、スレッドがあった。


「えーっと、地下シェルター街計画、無月町?

超能力開発?いじめで少年Tが殺害される?」

特に興味がわかないものばかりだったが、一つ。

一つだけ、目を離せなかった。


「フォバルナエタ会とかいう都市伝説 ガチだったお前ら助けて」

というスレッド、恐る恐る開く。


内容はこんな感じである。

ちなみに、ここでお教えしたい、スレ主はスレッドを作った人

名無しとは、特にハンドルネームをつけてはネットをしてない人たちの呼称だ。


めちゃくちゃ詳しく描写してもあれなので、簡略化して

このサイトを表現する。


スレ主;

フォバルナエタ会来たんだけどガチで

  俺の部屋に盗聴器があって 草生えねえ

 むっちゃ怖い インターホンめっちゃ鳴ってる 


名無し;

嘘松 


名無し;

そんな怖い時にスレ立てとかする暇ある?

だからお前は中卒なんだよ


スレ主;

お前らマジで助けて、俺コミュ障でつらい


利知は「盗聴器ってなんだよ……!?」と口走り

スレ主にたずねた。


名無し;

盗聴器ってどこにあったんでsか?


誤字なんて気にしないくらい焦燥していた。

息は浅くなり、汗は滴る。


スレ主;

椅子の下とか


利知は、あわてて椅子の下を確認した。


そこには。


小さな


小さいけど、存在感の大きい。


盗聴器があった。


「ヒ」悲鳴をあげそうになりそれをこらえる。

大きな音を出したら、盗聴器の向こうの誰かに聞こえる。

それはとても怖いことなのだ。


頭に響くアカネの「あそこにも盗聴器あるかも」

と、いった指示を聞きながら

ベットをひっくり返したり、机の下に手を突っ込んだりと

利知は徹夜で盗聴器を探し続けた。


大型掲示板サイトのシーンは3秒くらい悩みました。

どこまで現実に近づけるのか?ということをです。


ネットスラングを使うか?コテハンとかの描写はどうする?と考えたのです

そしてどうなったかは読んでいたらわかりますので書きません。

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