表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
~亜世界転移~  弱虫クソ雑魚鈍才な勇者(一秒のみ)    作者: 赤木野 百十一茄太郎
現ハは非現ヲ交錯サセル
5/89

亜世界 4 本作のサブヒロイン×1

赤毛の少女、彼女は利知の前に現れた。

そして、突然のことに利知は腰を抜かした。

以上、前回のあらすじ。


赤毛の少女は「さて、ここで問題です私は何者でしょう?」

と高いテンションで聞く。


利知は、困惑した「こ、答えなきゃダメ?」

コミュニケーションが苦手なので、しどろもどろになりながら聞く。

「10、9、8、7、6、」

カウントは勝手に始まった。

利知は慌てて答える。


「幻覚!」ブー、と少女は擬音をわざわざ口に出し、不正解と告げる。

「え、え、え、っと俺の妄想!」ブー「えーっと、幻覚!」もう時間切れよ

「うっ!じ、時間切れだとどうなる?」特に何も。「なんだよそれ!結局お前はなんなんだ!」


利知に聞かれて、当たり前のように少女は言う

「知らない」

「なんで」

威圧的にとげとげしく利知に言う。

「知らない」

「だからなん」「知らない」

食い気味。


利知は困り果てた。

いきなり現れた少女が、自分のことが何者か?

なんて問題だしたくせに答えを知らない。


色々、むかつく。しかし利知はヘタレだからその怒りをあらわにせず

優しく、相手の気に障らないよう。「じゃあ、分かるところから話して」


赤毛の少女はハキハキと言った。

「私記憶がないんだー、だけど、なんとなく君を助けなきゃっていうのは覚えてるの」

利知はそれを聞いてあほくさ、そう思う。

何で面識もない奴が自分を助けるのだと。


「じゃ、よろしく、私のことは勝手な名前で呼んで」

ガンガン話を進める少女に、文句を言おうと詰め寄った。

そして、視界にスリープ状態になってパソコンの暗転した画面が入る。


利知だけがうつってる。少女はうつるはずなのにうつってない。

「ゆっ!ゆうれい!?」利知の膝はまたがくがく震えだした。

「かもね」少女はとくに表情を変えない。彼女に足はある。

しかし、海外は結構足のある幽霊の話があることが利知の想像をかきたてる。


「ん、じゃあ今から名前付けてよ?お前と呼ぶのをやめなさい

夫婦でも恋人でもないんだから」

利知は、恐怖からただ相手の言うことに従う。

「……じゃあ、ア、アカネって呼ぶな、これから」

「ん、おーけー、じゃ、またね」


気づけば、利知の目の前から少女は_アカネは_

消えていた。

部屋に満ちていた独特な空気も抜けている。

利知の体中からどっと力が抜けた。

話すことは緊張させた。


利知は現実逃避を始めた。

うん、あれは夢だ、幻覚、わー俺ヤバい―

うん、あんなの見るのは疲れてるだけで

決して俺が何かの渦にいるなんてそういうことは。


だが、現実逃避はただの逃避。

現実がなくなるわけない。

だから。

「また会ったね」

少年の頭の中で、声が響く。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ