幕間 三人の少女の愛情の理由
利知は、愛されていた
ヨモギにも、古賀にも、ミノリにも。
三人の少女に愛されていた。
古賀とヨモギからの愛情。
その理由を利知は知らない。
わからない
なぜなら利知がその少女ではないから。
特に、ミノリに関してはもう聞くことすらできない。
だから、理由をこれから知ることはないし知る必要もないのではと利知は思う。
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ミノリが、利知を愛した理由は。
そうメチャクチャなモノではなく。
特に重たい意味があるわけではない。
イケメンなのに割とボッチ気味だったり、ヘタレだったり、コミュ障だったりする少し特殊な少年に対して
興味を持った。
それから観察を続け
それから、彼女は利知のヘタレな中にある優しさや__熱さに気づいた。
それが愛情に転じた。
その結果ああなってしまった。
そんな話なのだ。
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古賀が利知を愛した理由は
それは、利知がヘタレながらも赤い化け物を殺すような
「逃げない」少年だったから。
彼が気弱そうに見えながらも、心の奥深くにとても強くて熱くて優しい心を持っている。
そう評価したから。
それは事実なのだが、少し過大評価である。
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ヨモギが利知を愛したのは
見下せる存在だから。
自分よりも下の立場。
自分よりもコミュニケーション下手。
自分よりもヘタレ。
だから、利知をヨモギは愛することができた。
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