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~亜世界転移~  弱虫クソ雑魚鈍才な勇者(一秒のみ)    作者: 赤木野 百十一茄太郎
結局日常の中で無意味に非日常は続くんだね
46/89

称賛

今回、主人公が褒められまくります!

利知は、その住所のもとにたどり着いた。

ビルだった。

ボロッちい。


「えー―――――ッっと……?」なんというか、今にも撤去されそうなほど寂れているような。

そんなビルだった。

「あ、利知来たんだ?」古賀が、その入り口で待っていた。

ついてこい、ジェスチャーして彼女は無言でビルの中に入り

歩いていく。


何でこんなビルに、と利知は思うがついて行くしかなかった。


「……なんでこんなぼろクサイビルに呼んだかって思ってるでしょ?」

歩きながら、古賀は利知の疑問を読んで解説してくる。

「そう、わざわざこんなことをしてるのは奴らを欺くため」

利知は、こうして聞くとフォバルナエタ会なんて中二病の戯言にしか聞こえないんだと思った。

それほど、アイツらの存在は馬鹿げてる。


「あ、エレベーターは止まるかもしんないから使わないで」

古賀は階段を上っていく。

そして、3階について

階段を上るのをやめて「302」という番号がついたドアの部屋に入った。

利知も入る。


広かった。

玄関から、何となく高級そうだった。

汚れとか壁の汚れとかで台無しだけど。


廊下をつっ切ってリビングに向かう。

広いけど、ところどころボロが出てるリビングには、10人くらいの人がいた。

若い人も、中年くらいの人も入り混じった構成

リビングに利知が入ってきたのを見てパチパチとみんな拍手をする。


アカネが「この人たちは……?」と呟く。

聞こえてないはずなのに返すように古賀が言う「この人たちも、フォバルナエタ会なんて奴らに恨みがある人たちよ」

利知は、そうですかとしか思えず何も返せなかった。

アカネは「具体的に何をしているのかしら?」と言った。


また古賀が聞こえていたかのように返した。

「まだ、何にもやってないけど……準備期間だから、でも目標は決まってる」

「あの会の、会長を殺すこと」平気で言うその言葉に利知は驚愕し、あわてた。

「殺すって!?」


「おかしい?すべての責任を取らせるのが」

「おかしいだろ!私刑で殺すってのは犯罪だし!

だいたい、あーいう奴らは素人集団じゃなくて警察に任せるべきだろ!」

「じゃあ、アンタは警察を頼ってるの?そんなこというくらいだし」

利知は、言葉に詰まった。

警察の中にもフォバルナエタ会がいると思うとなかなか利知は頼る気になれないのだ。

もちろん、矢田のように味方は警察にもいるはずなのだが。


だが、まだ利知が一番言いたいことは警察に任せろということではない。

「……殺すって、皆目的はそれかよ?なんか」そういうのおかしくない?と言おうとしたが

論理的な思考が中々出てきてくれない。

でも

利知は、古賀がなんだか暗い世界に行ってしまいまた自分の前に死体が増えるのは嫌だった。


とにかく古賀にそういうことはしてほしくないと説得を考えて

「…………だいたい、フォバルナエタ会の会長を殺すなんて難しいだろ」

赤い化け物と言う奴がフォバルナエタ会のものだということはミノリ周りの出来事で

利知は察していた。

つまり__最初に遭ったあの個体はあの会についてるのだろう。

それは、あの会と戦う=あの個体と戦う になる



古賀や、その仲間であるフォバルナエタ会に復讐したい人たちは

なぜか微笑んだ。


そして口々に利知に嬉しそうにに言う。

「君はあの赤い化け物を殺したじゃないか!」

一瞬、利知は自分の体温が急激に下がったのを感じた。


「そうそう、君みたいな人がいれば絶対殺せる!」

「あんな化け物を殺すことができた君が協力してくれたらすごく助かる!」

「まだ、最初に現れた個体が残ってるけどどうにかなるだろう?」

ミノリを殺したことを。周りが褒め称える。

「本当に凄い!あの化け物をどうするかでずっと困ってたんだ」

「ありがとう!君は僕たちの希望だ!」

ミノリを殺したことが称賛を浴びる。


利知は、気分が悪くなった。

周りから、称賛が飛び交う。

よくアレを殺したと。

嬉々として皆が利知が好きな少女を自分の手で殺したことを褒めちぎる。

利知は、自分の中でせり上がってくる不快さがあるのがわかった。

こんな状況に利知が耐えられるわけなかったのだ。


「君がいれば、きっとどうにかなる!」

誰が、どんな奴で、どう褒め称えているのか利知は興味がなかった。

どいつもこいつも同じ顔に見えだした。

「……ら」__よく殺した!あの化け物を___

そんな中、必死で声を絞り出そうとする。___すごい!___

うつむいてグニャグニャゆがむ床を見て自分の気分が悪くなっていると気づく。__すごい!___


「あんたら おかしいよ‼‼‼」利知は叫んだ。

「殺すってなんだよ 俺がいればどうにかなるってなんだよ 俺にまた何か殺させるのかよ」

息が切れそうになりながらも思いをぶつけないと発狂してしまいそうで

ひたすら利知は言葉を出し続ける。

「アンタらおかしくなってるんだ! おかしい奴らと絡んじゃって!

俺を巻き込むなよ! 俺は関係ない! 関係ない!」

利知は、場の空気が冷たくなり、狂気的な楽しい雰囲気が消え失せていくのがわかった。

だが続けた。


「俺はもう嫌なんだよ!あんなの!」ミノリを殺してしまった。

「なんでそう、悪い方向に行こうとするんだよ! 奴らが憎いにしてももっといい方法があるはずだろ!」


そして

もう一度言った

「おかしいよ、アンタら!」


「古賀、こんな人達と一緒にいちゃだめだ!」

利知は古賀の手を引いて連れて行こうとした、ここから。


だが、その手は振り払われて。


パシン。


そんな音が響いた。


古賀が、涙を浮かべながら。

利知を見つめていた。

彼女が利知の顔をはたいた。

「……アンタなら……分かってくれると思ったのに!」


利知は、古賀以外を見た。

誰も彼もが利知に冷たい視線を浴びせる。

睨んでいる。


「……君は、復讐したくないのかい?」


利知は、ずかずかと無言で帰ることにした

引き留められることはなかった。


でも、古賀が気になって一瞬だけ振り返った。

利知のことを寂しそうに見つめていた。

どうして利知がいないだけでそんな表情になるのか利知にはわからない。

でも、やっぱり心配で。

「……復讐するのは危険すぎます」

それだけ、言った。

あの会のせいで悲惨な運命を迎えたものを利知は何人を見ていたから。


_____________________

家に帰り、利知はカチャカチャとキーボードをたたき大型掲示板サイトを見ていた。

今日はイマイチ面白かったり役に立ちそうなページがない。

「……ん?」

何となく気になったページ『フォバルナエタ会って実在するの?』を見てみた。

利知は、世間であの会は意味正体目的不明の都市伝説的なものだと思い出した。

__あれだけ大きく活動していてこれほど情報を漏らさないなんてな__

きっと、政治家だのネットの管理者だのにフォバルナエタ会員がいて

暗躍してるんだと利知は思うが、疑問がわく。

改めて考えると、あの会は本当に意味が解らない。

そんな偉い人たちとかがいっぱいアレに入る理由があるのだろうか?


考えだすと沼入りしそうなので思考をやめ。

珍しくアカネに自分から話しかけた。

「なあ、古賀のとこで……俺おかしいこといってたかな?」

「いいえ、危険を回避するっていうのは正しいわ」

「そっか」

利知は無理やり笑みを浮かべた。

辛い時ほど笑えという言葉を聞いたことがあるからだ。

だが、むしろもっと辛くなった。


麻、錐、ミノリ、沢山の人たち、そんな利知が救えなかった人たちの中に

古賀が入るのでは?と一瞬思ったからだ。

だが。

利知はどうすればその未来を回避できるかわからなかった。


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