メインヒロインのメイン回
利知は、牢獄の中からどうにかして脱出しようと辺りを探っていた。
暗くてかび臭い、地下牢のようだ。
利知は苛立ちながら恐怖を覚えた。
入っている檻の中に死体がある。
苦悶の表情を浮かべ、ぶちゅぶちゅと肉がグロテスクにはげて死んでる人間がいるのだ。
服装は、ミノリの父親のモノを着ているが本当にミノリの父親の死体なのか判別がつかないほど
顔面がぐちゃぐちゃな死体だった
かろうじて人の肉と判別できるような、そんな。
利知は、その死体を見るのをやめ、檻の外を見る。
向かいにまた檻がある。
誰もいない。
檻の見張りすらいない。
利知は少し疑問に思った。
?わざわざ俺を捕まえるたんなら逃げないよう見張りくらい立てるべきだろ?
一つその疑問の解を自分で思いついた”利知程度ならどうせ檻から逃げれないだろうとなめられた”
という答えを。
まあ、利知はそう思いついた瞬間
そういえばなんで俺を捕らえたんだ?と思ってしまい。
このまま疑問に対する答えを考えて行ったら時間をかなり浪費しそうだと
怖くなり、考えるのを意図してやめた。
そんなことよりまずここから出なくてはいけないのだ。
とりあえずあちこちいじくって。
「ない!無いぞ!明らかに出ようが無いぞ!コレ!」
利知は絶望的状況に気づいた。
唯一の出入り口もしっかりと施錠されてるし、
一応、外からなら簡単に開けらえそうだが利知は檻の中にいる。
周りの壁に穴をあけて出る何て方法も思いついたが、道具もろくにないのにできるわけない。
だが、利知は諦めない。
ちょっと考えて唯一でたのは経験からくる行動だった。
利知は、できるかぎり檻の格子に近づき_
声が響きやすいようにして。
「誰かああああああアアアア助けてエエエエエエエエ!!!!!!!!!!!」助けを求めた。
自分で絶対にどうしようもない出来事でも他の人ならどうにかできるかもしれないというのは
できないことが多すぎる利知が学んだことだ。
利知は、正直今使っているこの方法はあまりいいとは思っていない。
どうせ敵ばかりなのに助けを求めるなんて
バカバカしいと自分でも思っていた。
だが、これ以外思いつかなかった。
そして、やらないよりやってみたほうがいいと思った。
喉がつぶれそうになりながらも叫び続け。
かんかんと遠くから足音が聞こえてきた、走っている。
___味方であってくれ!!___
利知は祈った。
生涯の中で利知の祈りは初めて届いた。
「利知」白紙錐。
彼女がやってきた。
「何でここにいるの?」
「それより早くここから出してください!」
「……わかった!」
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利知と錐は
短くお互いの事情を説明した
利知は、ミノリを探さないといけないこと。
錐は、フォバルナエタ会に潜入して調査するスパイ活動をしていたこと。
そして、錐は利知に「私の妹みたいにひどい目に遭う子が増えるのはつらい」と
利知に協力してくれることになり
二人は、片っ端からミノリのいそうな部屋のドアを開け探していた。
だが、開けばとりあえず死体がいる。
グロテスクな殺され方をしていて見ればげんなりしてしまう。
利知も錐もアカネも「何の意味があってこんなことするんだ!」とフォバルナエタ会に
恐怖や怒りを覚えた。
遠くから、不気味な唸り声が聞こえてくる。
血の匂いがひどくなって、怒声や悲鳴が聞こえてくる。
どんどん状況はひどくなっていっているようだ。
利知は、その唸り声のもとに走った、
ミノリはそこにいるかもしれないから。
錐は遅れて利知について行く。
そこには、もう唸っていた者はおらず。
先程利知を気絶させた男がいた。
メイドの女性を押し倒し「なあ、いいだろ?」と迫っている。
メイドの様子から嫌がっているのは明らか。
利知は、周りが死体だらけ血だらけでよくそんなことできるなあと思う。
が、そういう胆力を尊敬している場合ではない。
利知は、男にムカついていたから
低いタックルをぶちかましメイドから引き離した。
「なんだテメエ!」体勢を立て直し、利知を引き離し
男にブチ切れられて利知はゾクリと怖くなるが、後ろには錐がいる。
錐に恐ろしいことをされた利知には錐がどれほど強力な味方かわかる。
だから、怖がる必要は無いと自分に言い聞かせ彼は思うままに言った。
「……!何の権利があって、何の意味があって!酷いことをお前らはするんだよ!」
男は、銃を素早く構え、撃つ同時に叫んだ。
「意味なんてねえよ!」
誰も、その銃弾を止めることはできなかった。
「あぐッ!!」
利知の顔面はそれに抉られた。
錐は、男の隙を見逃さす素早く近寄り攻撃を加え。
男は錐に勝てないと判断して逃げ出した。
___________
少し落ち着いて利知は
「大丈夫ですか?」その場にへたり込んでるメイドに手を伸ばす。
メイドの視線がある一点に集中してるのを気にしながら。
メイドはぼつり、とその一点利知の銃弾を食らった急速に治っていく怪我を見て
つぶやいた
「……ひっ」
それだけで、利知には意味が解ってしまう。
____お前は人間じゃないな!______
利知は、手を引いた。
そして、メイドに背を向け歩き出す。
彼女が必死で走っているのがわかった。
アカネは利知の頭をなでようとして実体がないせいで出来なかった。
遠くで、また怒声や悲鳴が聞こえてくる。
そしてそれとともに聞こえてくる唸り声はだんだんと利知たちに近づいてきているのがわかった。
利知は、怖かった。
漏らしそうだったし、逃げ出したかった。
なのに逃げられなかった。
ミノリの声を聞いた気がしたから。
だから、むしろ自分から歩いて言った。
そして、利知たちの前に
赤い化け物が現れる。
赤い化け物はこの屋敷に似つかわしくない
女や男__フォバルナエタ会のメンバーのような__
を殺しながら練り歩いていた。
そして、利知を見つけると
全速力で走ってきた。
「危ない‼‼‼‼‼」錐が利知を突き飛ばし。
錐が 赤い化け物に 突き飛ばされた
「……え」利知は理解できなかった。
どうせ、利知は自分を突き飛ばされても治る__化物__だから庇う者などいないないと思っていたから。
だが、不運にも彼女は本来とてもやさしい性格をしていたことが災いした
反射的に錐は利知をかばってしまった。
そのせいで、錐は。
ピクリとも動かない。
「死んだ、わね」アカネが泣きそうになりながら状況を言う。
赤い化け物はデカく速かった。
おそらくトラックに全速力で突っ込まれる以上のダメージを錐に与えたのだろう。
それで、生きれるはずがない。
「お前ええ!」利知は、赤い化け物をにらみつけた。
すると赤い化け物は短く唸り。
そして、苦しそうに人の声を出す。
「……利知く・・・・・・」
「え」それは、どう聞いても。
「……助け……て……殺し……て・……」
ミノリの声だった。




