表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
~亜世界転移~  弱虫クソ雑魚鈍才な勇者(一秒のみ)    作者: 赤木野 百十一茄太郎
一ノ瀬
33/89

 お前は人間じゃない

悪いことの次に悪いことが起きるなんてことしょっちゅうあります。

利知は、ミノリの家、屋敷の門をくぐり

中に入り、蔓延する満ち広がった血と死の匂いで嘔吐しそうになった。

「ミノリ!ミノリ!どこだ!?」それでも、泣きそうになりながら利知は彼女の名前を呼ぶ。

やっと見つけた希望なんだ、手放してたまるか。

あんなにやさしい彼女を、こんなところで失ってたまるか、と。


廊下を歩きだし

「うわっ」

よろけ。

足にだれかのぶちゅぶちゅな元人間が引っ掛かったと気づき。

利知は泣きそうになった。

「クソ、何でこうなってんだよ!?」

「何で俺の周りは酷いことになるんだ!!」

文句を垂れ流しながらもミノリを探そうと、走る。


利知は、ひたすら走る。

が、廊下の角を曲がろうとして止まってちょっと戻った。

「ヤバそうな人がいる……!」

道の先に、この豪邸と全く雰囲気の合わない大柄な男がいた。

こんなそこらへんにゴミのように死体が転がっているというのに平気で堂々と

歩いているということは

おそらく敵。

「やり過ごさなきゃ……」

と思って自分の走ってきた道に振り替えるが隠れられそうな場所の数は「0」

どうしよう?どうしよう?

と泣きそうになる。


諦めてはいけない。

それはわかる。

ミノリを探さないといけない。

相手と戦ってでもどうにかしなければいけない

でも怖いし利知は弱いし絶望的だ、それが利知の足を止める。


恐怖が息切れを起こす。

一応作戦は思いついたが

利知は緊張していた。


そして、廊下の角から先ほどやってきていた男が現れた。

利知はその瞬間に走り出す。


相手がわけもわからぬうちに自分のやりたいことをやる

そんなが作戦だった。

男は突然の利知に驚き反応が遅れ、取り逃がした。

利知は、振り向かず走った

おそらく敵であるはずの男から逃げるため

それは正しい選択だったが

利知は少しばかり足が遅く、不運なことに男は足が速かった。


利知は「あぐっ!」男に低いタックルをかけられて捕まえられた。


___

「離せ!」利知は暴れる、男の手から離れようと。

「ち」男舌打ちをして利知の顔面を殴りつけた。

利知は鼻の骨がめっきりと折られた苦痛に身悶え、完全に抑え込まれてしまった。


男がゆっくりと口を開く。

「フーン、聞いてたけど気持ち悪いなお前」

利知の折れた鼻は、ぐんぐんと治っていた。

利知は男の手から逃げようと思い、睨んでチャンスをうかがっていた。

「……そうだ!」男はポケットからライターを取り出す。


そして、着火。

「これ使ってみるか!」男は利知の腕に火を思いっ切り点けた。

利知は、苦痛にびくびくと何もかも忘れ叫ぶ。


「ああああああああああああああああああああああ!!!!」


「はは!おもしれっ!火傷したところから治ってく!」

男は、首にも火をつけてみた。


「あああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」


「あっはっは、治ってく!こんなお前は人間じゃないな!化物だ!」


利知のいつからか持っている力、強力な治癒は利知を助けることはなく

ひたすら、ひたすらに苦痛を長引かせ。

そして、利知は気絶した。



目が覚めると、利知は暗い場所にいた。

「……独房、檻?」

暗い暗い、檻の中に利知は閉じ込められていたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ