幕間 幸福
利知は、ミノリに告白を受け。
久々に心が平穏を取り戻していた。
そして、本日は普通に学校に来た。
昨日と全く違い、暗い表情にはなっていない。
「本当に明るいわね、ミノリちゃんのおかげ?」
アカネも利知に対して話しやすかった。
「そうだな」利知も、あまりネガティブにならず人と対話できた。
そして、昼休みかつ昼食時間となった。
この中学校は「弁当を子どもが持ってくるか売店で買え」制を実地しており
ヨモギや古賀、利知といったほとんどのものは超安値で買えるコンパクト弁当を愛食していた。
だが、今日は利知は違った。
「利知くん!お弁当作ってきたんだけど、食べますか?」
売店に走り出す前ミノリに呼び止められたのだ
「え?ホント!食べる食べる!」
返答は、早かった。
椅子に座り、机に差し出される弁当を見て利知の表情はついつい緩む。
とてもおいしそうだ。
アカネが「肉、米、野菜類が栄養バランスよくまとまってる」となんだか主婦or主夫のような
ことを言っているのでいい弁当なんだろうなと利知は思った。
ミノリも自分の弁当を取り出し、二人はモグモグと弁当を食べ始めた。
利知は本当に久しぶりに食事の喜びを感じたのだった。
食べながら、利知はミノリを見た。
とてもかわいらしい普通の少女に見える。
彼女だけに自分を守らせるのは、不公平ではないだろうか?
利知はミノリの自分に向けた言葉「愛してる」を思い出し
覚悟を決めた。
___俺も、出来る限り覚悟を決めよう___
その覚悟を言葉にすることは彼はなかった。
言う必要がないと思ったから。
利知は、ミノリとともに過ごすこの時間が幸福だった。